●偶然じゃない訪問

 

 

 


このお話は、昨日のブログ(●死者の導き)の続きです。

 

 

 

従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12303547582.html

 

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 

 

依頼はこんなものでした。引越してまだ1ヵ月位のアパートで、

 

時々真夜中に寝ていると、咳(セキ)が聞こえて気持ちが悪いというのです。

 

自分の気のせいかと思い、友人に泊まってもらうと、

 

その友人も、真夜中に、確かに誰かの咳(セキ)らしい音が聞こえたといい、

 

本来なら、その友人も、「ここ、やばいよ!! 早く引っ越した方がいいよ!」と忠告。

 

気持ちが悪いので、私も一日も早く引っ越したいと思っているのですが、なにしろ、

 

引っ越したばかりで、今は、余りお金の余裕が無く、どうしたらいいか困っています。

 

と、そんな内容の電話でした。さっそく現場を診てみましょうという事になりました。

 

来週の日曜日の午後1時、友人が来ているので、その時にお願いしますという。

 

約束の午後1時丁度、アパート2階の彼女の部屋をノックした。

 

もう既に来ていた彼女のご友人とも挨拶を交わし、

 

さっそく部屋の中に通してもらい、見せてもらった。

 

間取りは、2DKで、引っ越して来てからまだ40日位だということで、

 

まだ開けていない段ボール箱が2・3あったものの総じて綺麗な部屋である。

 

私はまず、ドアが開いていたという事もあり、洋室に入ってみた。

 

特に絨毯などはひいてなく、ソファーと本棚とテレビが置いてある。

 

特に悪い感じは受けない。次に、一旦ダイニングに戻ってから、和室のドアを開けた。

 

和室のドアを開けた瞬間、若干だが、腕に鳥肌が立ちそうになるのを感じる。

 

また空気感が、洋室よりも重い感じがする。

 

臭いも、ややイグサとは違う臭いがするが、動物のものでは無い。

 

「咳が聞こえるのは、この和室ですか?」と彼女に聞くと「はい。そうです。」と言う。

 

とりあえず、私達は一旦隣の洋室に戻った。そして、当時の咳が聞こえた時の様子や、

 

他に異変は無かったのかとかを聞いたのだが、咳以外の異変は特に無いという。

 

そして、咳は弱々しく、何となくお年寄りの咳の様に感じたという。

 

「ここを借りる時、事故物件だったとかの説明は受けましたか?」と聞いてみた。

 

しかし、彼女は、そんな事は聞いていないという。

 

その時だった。誰かが、玄関のドアをノックしたのだ。

 

彼女いわく、まだ引っ越したばかりで、他に知人はいないはずで、

 

ここに来るとしたら、今隣に居る友人しかいないはずだという。

 

「一体、誰だろう。」と彼女。そんな事を聞くと、ちょっと気持ちが悪いので、

 

私達3人で、玄関の方に行ってみた。すると、もう一度ノックが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

玄関でノックがする直前、

 

 

私達は、洋室でこんな話をしていた。

 

 

 

 


私が彼女に、「貴方の親や祖父母の方の中で、現在よく咳をしている人はいますか?」

 

 

すると、彼女は「親や祖父母ですか? いないと思います。」

 

 

「ここに住んでから40日間、真夜中に咳の声を聞いた以外で、

 

 何か悪い事は起きていますか? 

 

 病気とか怪我とか、財産を失うとか仕事で失敗とか。」

 

 

「う~ん。特にまだ無いです。」

 

 

「ここに引越してくる前に住んで居た時に、真夜中にそういう咳を聞いた事は?」

 

 

「無いです。ここが初めてです。」

 

 


大体ですが、上の3つの質問で、

 

■生霊では無いだろう。

 

■そんなに悪い霊では無い感じ。

 

■前の場所から付いて来たものでは無い。

 

という事がなんとなくイメージとして私が思った事です。

 

 

 

私は以前から、新しい場所に住み始めて3ヶ月以内に起きる心霊現象は、

 

 

その家に居る霊が影響している事がある。と話した事がありますが、

 

 

今回の場合も、住み始めてから1ヵ月以内ですので、その可能性がある訳です。

 

 

ただ私の経験から言わせてもらうと、悪い霊ほど早く影響が起きる感じです。

 

 

例えば、住んだその日に出るとか。

 

 

彼女の場合、住み始めて1ヵ月位とだいぶ経ってから霊現象が現れているので、

 

 

地縛霊が居るとしても、今の所彼女に悪い事は起きていないし、

 

 

そう悪い霊ではないでしょう。

 

 

とりあえず、彼女にそう言って、安心させました。

 

 

 

ただ、そうは言っても、真夜中に咳が聞こえるのは気持ちが悪いし、

 

 

家賃を払っているのに、一部屋使えないというのも残念な話です。

 

 

もし、和室に地縛霊的なものが居るなら、何とかしてあげたいところでした。

 

 

 


「誰か、あの和室で亡くなったのかなぁ。」

 

 

「もし亡くなったのなら、どんな亡くなり方をしたのでしょうね。」

 

 

という話題になっていました。

 

 

 

 

 


そんな時、玄関でノックがしたのです。

 

 

 

 

彼女が恐る恐る、覗き窓から見てみると、

 

 

知らないオバサンが、立っていたそうです。

 

 

そっと彼女がドアを開けると、逆にそのオバサンが驚いて、

 

 

「あら、シズさんのお宅ですか?」と、

 

 

「違います。」と彼女が言うと、どうやらオバサンは間違いでノックした様でした。

 

 


しかし、私がその方を引きとめて、

 

 

「あのう。

 

 この部屋は、昔、シズさんという方が住んでいたんですか?」と聞くと、

 

 

「はい。」とオバサン。

 

 


聞くと、彼女は2年前まで、この辺の介護の声掛けボランティアをしている方で、

 

 

地域の担当が変わるまで、この部屋に住んで居たシズさんという90歳になる

 

 

身寄りの無い御婆さんの所に、時々やってきては

 

 

買い物の手伝いや話相手になっていたという。

 

 

今日はたまたま、こっちに用事があったので、

 

 

以前担当だったシズさんは元気にしているか、寄ってみたそうです。

 

 

そこで彼女に、ぶっちゃけここで起きている心霊現象がシズさんではないかと思うと述べ、

 

 

今現在、シズさんはご健在か分かりますか?と尋ねてみた。

 

 


すると、彼女は事務所に電話して、

 

 

2年前にシズさんの担当を引き継いだ方に連絡を取ってくれ、

 

 

シズさんの事を聞いてくれたのです。

 

 

すると、担当を引き継いだ1年後位に、シズさんはやはりこの部屋で、

 

 

孤独死していたのが死後5日後に見つかったという。死因は肺炎だったという。

 

 

 

 


私は当時、ガンとかで亡くなったのなら、死因は直ぐ分かるだろうが、

 

 

肺炎という死因でも、亡くなった5日後に分かるのだろうかと思って調べてみると、

 

 

どうやら分かるらしい。

 

 

ちなみに昔、芸能人の飯島愛さんや、モデルの山口小夜子さんが、

 

 

孤独死したニュースが流れましたが、その後、二人とも肺炎での死亡と発表されました。

 

 

一人暮らしだとそういう危険もある訳ですね。

 

 

 

さて、どうやらこの部屋で、真夜中に咳がするというのが霊の仕業だとすると、

 

 

どうやら、この部屋で約1年前に肺炎で孤独死した

 

 

シズさんでは無いかという事が分かってきました。

 

 


と言うより、

 

 

私の心の中では、ほぼ100%シズさんの霊が原因です。

 

 

なぜそう断言出来るのかと言うと、

 

 


これこそが今日の本題「死者の導き」なのです。

 

 


もっと分かりやすく説明すると、

 

 

 

「私達は、なぜシズさんが、この部屋で亡くなったのか分かったのでしょうか?」

 

 


そうです、突然以前ボランティアしていた今井さんが、現れたからです。

 

 


これって、偶然でしょうか?

 

 


いえ、私はこんな偶然信じません。

 

 


シズさんの霊が、今井さんを呼んだんですよ。

 

 

自分を知っている今井さんを、ここに。

 

 

 

そして、「死者の導き」が起きているという事こそが、

 

 

真夜中の咳の原因は、シズさんの霊が起こしていたものだと断定できるのです。

 

 

 

今井さんも不思議だって、言ってました。

 


こっちに来たのも前日急に来たいと思い、

 

 

シズさんの家に声をかけなきゃと急に思ったそうです。

 

 


日曜日に私がこの部屋に、咳の解明に来ると言う電話を聞き、

 

 

今井さんをその時に合せて訪問する様に、導いたのです。

 

 

とても不思議な事ですが、偶然じゃないとすれば、そう考える以外に無いのです。

 

 


私はこういう現象を、「死者の導き」と呼んでいます。

 

 

自分を知ってもらいたいという時、自分の事を説明できる人物をその場に呼んだり、

 

 

偶然合わせる様にしたりする時があるのです。

 

 

 

 

ちなみに、このお話の冒頭で、

 

 

「今日のお話は、前回の話にも多少関係があるもので、」と書きましたが、

 

 

それは全回のお話で、駐車場は昔、そこに小さな池があったのじゃないかと考えた時、

 

 

偶然にも、そこに池があった事を知る老人が出て来たという場面です。

 

 

これも考え様によっては、偶然では無く、死者の導きがあったのかもしれません。

 

 

よく先祖のお墓を探している時に、偶然何かに導かれる様に見つける事がありますが、

 

 

そんな時や、思わぬ協力者が有りえない状況で現われた時、

 

 

それは先祖の死者の導きがあったと言えます。

 

 

 

私は彼女達に、和室にちょっとした机を置き、その上に水とお線香、

 

 

そして、シズさんへと書いた短冊を置き、1週間供養してあげる様にアドバイスした。

 

 

 


すると、その後、真夜中の咳はしなくなったという。

 

 


「シズさん、どうか成仏なさってくださいね。

 

 私達が1週間、成仏を祈ってあげますからね。孤独死じゃありませんよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


現在、孤独死は時に、事故物件として扱われる事があるが、

 

それは死後1ヵ月以上も見つからずに、死体にウジが湧いたりして、

 

畳に死体の影が付いているとかの場合に限るという。


END