第1823回例会山行  弥畝山(末登) | 広島山稜会のブログ

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         第1823回例会山行     弥畝山(末登

                                                   2024年4月6日(土)

 

  この山の一般的な登山コースは、北の峠から取りついて弥畝牧場の西の淵に沿った日本海が望める眺めのよい尾根歩きをし、更に南にあるブナ林を見るというのが一般的でした。今は牧場は荒れ野となり、眺望の良かった尾根には風力発電の風車が林立しています。

私がこの山に魅かれたのは、このルートの歩行ではなく、更に西へ続く稜線の三角点(点称は「田野原」)の西側に残っているブナ林のすばらしさです。面積はさほど広くはありませんが、広い樹間を保って林立する巨木の林はそこにいる人の心を圧します。このブナ林が好きで、これまで数回訪れています。この三角点にある自然林の存在はあまり知られていないものと思います。今回の山行の前夜にこの山のネット情報を見ていて、登ろうとしている目的の尾根に風力発電の設置計画が具体化していることを知り驚きました。

この風力発電事業の環境影響評価について、日本自然保護協会が「植生自然度は公表値よりも高い」ことを指摘し、「対象事業区域内の森林群落の把握に大きな誤りがある」等として動植物への影響評価が不十分であると、昨年2月に意見書を提出していました。このことは、三角点周辺の自然林が十分に把握されていないことを指摘するものであり、ひいては一般にも知られていない自然林であることを示すものであろうと思います。風車が立てられると、ブナ林の趣は一変するでしょう。

ところで今回の山行のひとつの目的は、稜線に付けられた林道(作業道)が、北側の車道から尾根筋に上っている道とつながっていることを確認したいと思ったのです。結果としては、登った谷筋の途中で滝に出会って、それを避けて逃げた先が深い笹のやぶとなり、笹の中に残る作業道の跡を右往左往した結果、目的の稜線の作業道に行き着くことができず撤退する羽目となりました。最終的には下った道が予定していた林道であることがわかり、入口には「大鹿山展望台」への森林作業用道路であることの案内板がありました。

帰路に双川峡の入り口で群生するイチリンソウとサツマイナモリの花を確認しました。

 

谷筋を登ります

急斜面を谷筋から逃げます

深い藪の中に

成長中の雑木林の中

林道を下る

イチリンソウ