青軸ピュアゴールドのこの花
に
この花の花粉をかけてから一月半が経過しました。
もう立派に成長しています。
確か3か月で完熟なので半分経過したのかな。
最後の最後まで気がぬけません。
今日はオウゴンオニユリ”ピュアゴールド”と”青軸無点赤花”で説明します。
育種に興味が無い方はスルーしてくださいね。
オウゴンオニユリ
オウゴンオニユリは全て2倍体で対馬で発見されたそうです。
今流通しているオウゴンオニユリとは違うのが何系統かあるそうで、対馬産のオウゴンオニユリの実生の中から見つかったのが
ピュアゴールドだという話です。
このピュアゴールドはオウゴンオニユリの実生から生まれていることを考えると、セルフすれば当たり前にピュアゴールドのいろいろな個体が生まれるはず。これはオウゴンオニユリに限らずどの植物でも共通して言えることなのです。
ところが、青軸ピュアゴールドを作られた方によると、赤で斑点のある普通のオニユリが咲いたそうです。
私はそれを聞いたとき、何でそうなるのか不思議でした。
実はそのとき、ピュアゴールドのムカゴを培養していたので、変だな?というものを見ていました。
ピュアゴールドのムカゴから作った小球根
この大きさまではやはりピュアゴールドだと思えるのです。
もう少し大きくなると
小球根に薄っすらと斑点が現れるのです。
純粋な斑点の無い個体ではこれは出てこないはずなのです。
私もこの斑点が謎になっていたのです。
青軸無点赤花も少し変なのです。
こちらもセルフをすると殆どが斑点のある普通のオニユリができるそうで、僅かですがこのような青軸無点のも生まれたそうです。セルフでは全て青軸のものが出るのが普通です。
私もこのムカゴを培養してみました。
大きくなっても斑点がほとんど見えない小球根が現れました。
ところが、培養中に奇妙なものを見つけました。
丸印の中に茶色いのが見えると思います。
これは青軸ではなく泥軸のものです。
青軸の中に泥軸が隠れていたのです。
推測すると隠れていた泥軸が交配に使われたので、できるのが殆ど泥軸のオニユリになったのだと思われます。
ただ単に泥軸×青軸で生まれた花ではなく、致死遺伝子が入っていた?或いは連関遺伝子ではなかったのかといろいろ考えましたが上手くまとまりません。
そのようにいろいろな困難の中から生まれたのが青軸ピュアゴールドで、他にも試されたという人がいるようですが、成功したのは一人だけなのはこんな秘密があったようで、決してメンデルの法則に従っての交配ではこの品種は作れなかったでしょう。
私がこのような貴重な花を交配に使えることは夢のようで、とても感謝しております。