20240407【リベンジ★仙ヶ岳】① | 動的平衡

動的平衡

同情するならアメをくれ!

 

物心がついた頃から金曜夜の8時はテレビの前にいた。

疲れていようが熱があろうが試験の前日であろうが。

当然『太陽にほえろ』も『金八先生』も一度も見たことがない。

プロレスファンというより猪木ファン。

猪木の引退とともに潮が引くようにプロレス熱は消えた。

 

数多いる猪木のライバルの中で、否、すべての外国人プロレスラーの中で

群を抜いて好きだったのがタイガージェットシン。

 

小学生のボクはその日も噛り付いてテレビを見ていた。

「ゴールデンファイトシリーズ」の開幕戦、山本小鉄vsスティーブ・リッカード。

突然、最前列に座っていた男がリングに上がり

小鉄を襲撃し血だるまにするという暴挙に。

浅黒く髭を髭を貯えた見知らぬアジア人は、ワイシャツにスラックス姿。

ネクタイまでしている。

まず目を引いたのはその肉体。

一流のレスラーがそうであるように、柔軟性とスタミナを兼ね備えた逞しい上半身。

シャツを突き破りそうだ。

そして特筆すべきは頭に巻いたターバン。

生中継中に起こったあまりにもセンセーショナルなニッポンデビュー。

その後のシンの活躍はプロレスファンなら知らない人はいない。

猪木夫妻を路上で襲った「新宿伊勢丹襲撃事件」。

「腕折り事件」から繰り返される、血で血を洗うNWF抗争。

猪木史のおいしいところには必ず、シンあり。

 

子ども心には心底怖かった。

ポンチョのようなガウンを身に纏い、口には金色に輝くサーベル。

顔面神経痛のように目元をブルブル震わせながら

客席の椅子をなぎ倒し、客を追いかけ回しながらの入場。

「この人は危ない人だ」と当時の少年たちは誰もが信じて疑わなかった。

 

今、思い返してもすべてが新しく斬新だった。

スキャンダラスな演出はすべてシンから始まったといっても過言ではない。

“作られた最狂ヒール”像は金もコネもない新日本プロレスの苦肉の策。

猪木とシンの最高傑作だったと気付いたのは大人になってから。

 

明るい話題に乏しい昨今。

GW中に久々に明るいニュース。

『春の叙勲でシンが旭日双光章を受章!』

大人になったボクたちは

「インドの猛虎」「狂える虎」「サーベルタイガー」が

本当はいい人だったことを知っている。

昭和九十九年、今年一番のコメントをシンが残してくれた。

 

 「これは日本のすべてのプロレスファンに与えられた栄誉だ」

 

 

さて、山。

リベンジ仙ヶ岳。

3月3日の前回は石水渓キャンプ場を出発。

時計回りに6ヶ所の通過ポイントを回って戻る計画だったが

登山口が分からず、道に迷った挙句、ロクブンノニの臼杵山でリタイア。

 

4月7日(日)

満を持してのリベンジ。

この日は石水渓キャンプ場を出て

前回とは逆の反時計回りに進み仙ヶ岳に戻る計画。

赤丸=スタート地点

赤線=今回の予定コース

 

11:44 @石水渓キャンプ場駐車場。

 

11:55

スタート!

 

12:26

それらしい山が見える(が、仙ヶ岳はその後ろに控えているかもしれない)

 

13:04 @南尾根コース入り口

 

13:09

「森羅万象、この一刀のもとに斬れぬものなし」(石川五右ェ門)

こういうことをしてるから時間が無くなる。

 

南尾根コースを順調に進んでます。

 

13:33 @滝

滝を見ながら一服。

道迷いもなし。

これなら周回できるかなと

そのときはそう考えていた。