最近読んだ本とかGWに読む本 | 動的平衡

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同情するならアメをくれ!

 

 

『対怪異アンドロイド開発研究室』 饗庭淵

白川研究室の白川有栖教授が異世界に攫われた妹を救うため開発した

高性能AI“対怪異アンドロイド・アリサ”。

機械故に恐怖心を持たず怪異に挑むという設定が斬新。

7編からの連作短編集。

伏線回収と《毒を持って毒を制す》のラストは見事。

売れれば続編が出ますね。

 

『鬼の話を聞かせてください』 木江恭

4編の〈安楽椅子探偵もの 〉連作短編集。

「鬼の正体がわかると同時に物語が一転する」

「何も知らなかった頃にはもう戻れない」

…という惹句ほどの驚きはない。

【ネタバレ】物語の終わりで先頭にループしますが然程のことはない。

 

『刑事王子』 似鳥鶏

3編の連作短編集。

無理に分類すると馬鹿ミス。

設定はコミカルだがトリックは平凡。

それを補って余りあるお洒落な会話とキャラの立ち具合が素晴らしい。

刑事局組織犯罪対策部国際捜査管理官補佐、敷島。

彼女を主人公にしたスピンオフが読みたい!

 

『パッキパキ北京』 綿矢りさ

北京駐在妻体験の生々しさ。

中国に行った人も行ったことの無い人も

一気読み痛快小説。

 

『猪木のためなら死ねる!』 藤原喜明

数多ある猪木追悼本の中でも白眉。

藤原組長が語る愛憎秘話。

 

『いい絵だな』 伊野孝行x南伸坊

「いい絵があるのは美術館だけではありません。

 美術館にあるから、いい絵ということもまったくありません。

 雑誌の小さなカットも便所の落書きも本気で見るといいのがあります。

 他人の言うことは気にしなくていいでしょう。

 もちろんこの本に書いてあることも」

             (南伸坊)

 

『ぼくらは回収しない』 真門浩平

辻堂ゆめ、市川憂人、阿津川辰海、新川帆立、伊与原新、結城真一郎、浅野皓生

未須本有生、小川哲、喜多喜久、井上真偽…。

またまた東大卒ミステリ作家。

5編の連作短編。

まだ最初の1編だが…んん…なんとも小粒感が。

 

『雀荘迎賓館最後の夜』 大慈多聞

作者の経歴は「長く広告業界に身をおいていた以外の詳細は非公表」とだけある。

まだ序盤。

嵐の前の静けさか、凪。

帯にある《現代の『麻雀放浪記』が遂に現れた》の真偽はこれから。

 

『照子と瑠衣』 井上荒野

題名からは「テルマ&ルイーズ」

装丁からはピカレスクロマン。

中盤まで読むと北方謙三『逃れの街』

いろんなものを想起させられながら一気読み。

「軽い」「劇画調」との批判もあるようだけど

読む人を選ばぬ一級のエンタテインメント。

クライマックスをぶっ飛ばして読者に委ねる手法も様になってる。

「なんか、わたしたちの一生が、この先まだまだたっぷりあるみたいじゃない?」

「その通りよ。たっぷりあるわよ」

「そうだね、たっぷりあるね」

 

『地雷グリコ』 青崎有吾

大好きな作家。

GW用に手付かずでキープした。

 

『対決』 月村了衛

打率10割の月村了衛も最近ややスランプか。

『半暮刻』のようにあまり詰め込み過ぎるのもテーマが拡散してどうかと。

本作は“新聞記者 vs. 医大理事”。

お互いに一歩も引かぬ女の闘い。

まだ序盤。

 

『いつかたこぶねになる日』 小津夜警

ふだんは読まない漢文エッセイ。

言葉は逃げる。

坂道を転がり落ちるビー玉のように

ものすごいスピードで逃げていくこともあれば

腕の中にいたはずなのに

いつの間にか姿をくらましてしまうこともある。

言葉と生きようとする人は、逃げてしまった言葉を探している。

日がなうろうろと歩き回り

無防備な姿勢でかがみこんで暗がりをのぞきこみ

時にはぐったりと疲れて座り込む。

だんだんと、何を探していたのかもおぼろげになり

自分がずっと遠いところまできてしまったことに気がづく。

迷い猫と違って、手掛かりは少ない。

探している言葉の尻尾すら、とらえられていないのだから。

                    (永井玲衣)

 

『掌編 源氏物語』 馬場あき子

ありそうでなかったかな。

全54帖をショートショートにして1冊。

企画の勝利か大河ドラマに乗ったか。

 

『雷神』 道尾秀介

暗い。

長い。

“最後の1行・驚愕の大どんでん返し”まで辿り着けるかな。

 

『ワンダフル・ライフ』 丸山正樹

重い。

長い。

ちょっとツラい。

 

『驚愕の1行で終わる3分間ミステリー』 新川帆立 他35人

ショートショート全36編。

玉石混交。

なんとも豪華なのはすべて書き下ろし。

 

 

仕事終了。

お疲れさま。

帰ります。

3ヶ月に及ぶ母親の入院期限迫る。

退院後の生活をどうするか。

最後の詰め。

腰と胸の痛みは相変わらず。

快方の兆し、見えず。

明日は行ければ山。

駄目なら映画。

よいGW前半を!

お仕事の人は頑張って。

また来週!