こんばんは。
市川笑也が軽妙に語る「氷艶 hyoen 2017」上演記念『破沙羅』 女方への変身 レポート
日経にのweb版に
STEP STEP STEPが掲載されました。
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14870040T00C17A4UU8000/
男子、4回転+αの時代
男子フィギュアが別次元に入ったことを印象づけた世界選手権だった。男子最終グループ6人が跳んだ4回転ジャンプの数は昨年の14に対して今年は24。4回転を跳ぶだけではなく、プログラムの中でしっかり表現できないと勝てない。
優勝した羽生結弦と2位の宇野昌磨はジャンプも表現もできていた。技の質と表現力、その2つがトータルで評価されてこその結果だと思う。金博洋(中国)も振り付けをこなすだけでなく、気持ちの
乗った滑りができるようになったからこその3位。
こんな素晴らしい演技を見たからだろうか、最終滑走の昨季世界王者ハビエル・フェルナンデス(スペイン)の滑りはプレッシャーからか動きが硬かった。終わってみれば4位。それが世界選手権だ。
優勝候補と注目されていたネーサン・チェン(米国)は4回転を6回跳んだが、優勝した四大陸選手権よりスケーティングが一回り小さかった。ただこの状況の中で6回入れてきたのは素晴らしい。
羽生は来年の平昌五輪に向け、改めて存在感を見せつけた。宇野は「いよいよ世界が認めてきたな」と感じた。フリーはミスもあり、ステップはいつもより動いていなかったけれど、醸し出す雰囲気はいつも以上、演技構成点に反映された。羽生に勝てなかったが、まだシニア2年目。目指す存在がいることは大きい。
女王メドベージェワ(ロシア)、オズモンド、デールマン(ともにカナダ)と女子のメダリストたちは、見る者を引き付ける力が抜けていた。メドベージェワのようにステップだけでグイグイとスケートが伸びたらかなわない。オズモンドの演技は迫力があり、デールマンのスピードは女子で一番。それに続いて速かったのは三原舞依だろう。
初出場の緊張感からか、三原は一つひとつの要素をきっちりこなそうとしていたけれど、スピードは出ていた。女子はきれいに踊るより、スピードに乗って演技をこなす方が点が出ていた気がする。
女子の平昌五輪出場枠は「2」になった。それぞれ違ったいいものがあり、外しがたい選手がたくさんいる。代表争いが厳しくなる分、レベルは上がる。平昌五輪のシーズンは楽しみだし、2022年北京五輪にもつながると思う。
(バンクーバー五輪銅メダリスト)