私は元々アニメ勢で、ファイナルシーズンPart2まで観た後、完結編が放送されるのが待ちきれなくて、原作を一気読みしました。

だから、完結編放送前にハンジさんが、どうなるのかは知っていました。

 

原作でこのシーンを読んだ時、わたし涙は出なかったんですよね…

「132話:自由の翼」は、フロックの襲撃から後の展開が早すぎて、感情が付いて行かなかったというのもある。

アニメでは、丁寧に描かれたハンジさんの戦闘シーンも原作では、かなりあっさり描かれていて、足止めの効果もよく分からなかったのです。

それが、アニメでは足元を狙って、巨人の進路をふさぐのに効果的な角度を狙っているらしい様子などが描かれていて、ハンジさんのお陰で、飛行艇の離陸がギリ間に合ったんだと強調されていたのが良かった!

 

でも、変更して欲しかったセリフがありまして、それは、フロックの襲撃後、溶接にかかる時間が「1時間」という部分です。

1時間、地ならし巨人を足止めするのは、万全の状態のリヴァイでも無理やろ!

実際、数分で修理して離陸したので「10分で」とかに変更して欲しかった。

この「1時間」ってセリフがあったので、原作を読んだ時、足止めで時間稼ぎなんてできないでしょって思いました。

同じように考えた人は多かったのではないでしょうか?

そのためか、ハンジさんは死にたかったから足止めに残ったという意見もみました。

私はそんな風には捉えませんでしたが、1時間の足止めが不可能だと考えるのは理解できる。

 

もうひとつ、変更されたらいいなと思っていたのは、地鳴らしを止める作戦会議をやるタイミング。

これを飛行艇が飛び立つ前に、ハンジさん含めてやってくれたらいいなあと。

放送前の予想でも、その期待を書いてました。

 

 

イェレナから、エレンの目的地を聞き出すことも重要ですが、エレンに追い付いた後、どうするのかを事前に話し合わないのは不自然なんじゃないかと思ってました。

実際、既に大虐殺を行っているエレンを話し合いで止めるのは無理だろうし、それで地鳴らしが止まったからって、ケツに蹴りを入れるだけで許すなんてことはできないでしょう。

ハンジさんは、愛されているキャラですが、調査兵団の団長として優秀だったかというと、どうしてもエルヴィンと比べてしまう。

研究者や外交官としては有能だったと思いますが、非情な決断ができない点や、統率力不足だったことは否定できないと思う。

それでも、作戦立案能力はしっかりあったと表現して欲しかったので、飛行艇が飛び立つ前に作戦会議をして欲しかったのです。

 

でもなぁ、変更が無かったことで、諌山先生は、ハンジさんを「非情な決断ができない人」として描こうとしたのかもしれないと考えが変わりました。

私が好きな、シーズン1のラストのアルミンとジャンの会話で、ジャンはアルミンに問いかけました。


『人間性さえ捨てて化け物を倒したとして、それは勝利なのか?』

このシーン、すごく好きなんですが、アニメオリジナルでした。

 

 

このアニオリシーンが、諌山先生監修なのかは不明ですが、最終話まで読んだ私は、先生による追加シーンだったのでは?と考えています。

ハンジさんは、仲間や人類のために自分の手を汚すことも、自己犠牲もいとわなかったけど、部下に仲間(エレン)を殺せと命令できない人物として描かれたのかもしれないと、アニメを観てから考えています。

パラディ島脱出時に、既にダズやサムエルなど仲間を殺してますが、彼らはシガンシナ決戦前からの生粋の調査兵団とは扱いが違いますし、ハンジさんが104期生たちに直接命令したわけじゃない。

アルミンやコニーたち、それぞれが決断したこと。

 

「調査兵団団長として求められる資質は、理解することを諦めない姿勢」とハンジさんは言いましたが、あの残酷な世界では「何も捨てることが出来ない人には、何も変えられない」のも事実なのでしょう。

エルヴィンとアルミンは両方の資質を持っていたけれど、ハンジさんは「捨てられない人」だったのかなあと解釈しています。

「蚊帳の外でおとなしくしていることもできない」し「諦められない」から、可能性を切り捨てないために戦い続た人物として描かれたのかなあと。

 

「白夜」でアルミンが選ばれたときから、最終的にアルミンが団長になって、ハンジさんは退場するのだろうと予感はしていました。

だから、ハンジさんに関しては、亡くなったことで完成したキャラというイメージもあるのです。

特に、亡くなった後のシーン。

進撃の世界では、残酷な亡くなり方をする人物は多いし、その亡骸もリアルに描かれます。

でも、ハンジさんだけ例外なんですよね…

エルヴィンたち、先に亡くなった仲間に再会し、モブリットが手を差し伸べるシーンがあったので、ハンジさんの死は、悲惨なシーンではなく、役目を果たしての退場という風に受け止めることができました。

しかし、現実には焼け焦げ、踏みつぶされたハンジの残骸が、抽象的にですが、原作以上にはっきりと描かれていたのが、やはり進撃の巨人の世界だなと…

ハンジさん、お疲れ様でした。

 

が、残されるリヴァイの辛さよ!

 

リヴァイの「心臓を捧げよ」まで、言及するつもりだったのですが、あまりに長文になったので、いったんここで終了します。

 

 

【ハンジさんの戦闘シーンのBGM】

Bauklötze(積み木)だそうです。巨大樹の森で女型の巨人に追われていたときのBGMです