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ここまで来てた!ベトナム発アクション映画

タン・ソイ 美しき殺し屋


母を殺した情夫を殺害した少女は一人サイゴンに逃げる。物売りなどで生きのび成長した少女(ドン・アン・クイン)は、男たちに襲われているところを救ってくれたジャクリーン(ベロニカ・ンゴー)の家に居候することに。そこには同じような境遇のタン(トック・ティエン)とホン(リマ・タン・ビ)がいて、ジャクリーンに格闘の訓練を受けていた。彼女たちの目的は女を商売道具に使う裏組織の壊滅だった。



キル・ボクスン」に続いて女性ハードアクションを初見。ベトナム映画もお初。90年代の時代設定だからか話はシンプルなVシネ的復讐劇。とくればアクションの質が本作を左右する。ベトナム映画のアクション、知らぬ間にここまで来てた。


バトルステージは狭い室内が主。なのでナイフやガンの接近戦。細かい動き、スピード、共演者との呼吸…いろいろ求められるアクション。大雑把なハリウッドスタイルとは違うアジアンアクションの真骨頂。予測の上行く出来だったかと。


実は本作、アクション作品「ハイ・フォン:ママは元ギャング」の前日譚。前作のラスボス、タン・ソイの誕生秘話である。「スターウォーズ」のep1〜3的な構成かな。ところが本作、タンを名乗るキャラは主人公ではない。その辺は脚本的に上手い。



前作でタンと戦った主人公を演じたのが本作監督のベロニカ。劇中ジャクリーンを演じてもいる。倒した宿敵を育てた役を演じるという構図も知っていると面白い…のだろう。この辺の事情は知らないで観たが、知らなくても十分面白い作品ではある。


ベロニカは「スターウォーズ:最後のジェダイ」にも出演。ハリウッド進出も果たしたベトナム映画界の大物だ。メイン3人のキャストはお初だが、それぞれ個性的。成功して、いつかどこかでお目にかかれるといいね。



物語に既視感はある。キャクターを掘り下げる余地もまだありそう。それでも一定水準はクリア。ベトナム映画はもっともっと面白くできるということ。アクションも流行りの模倣だろうけど、あそこまで模倣できれば及第点。


前作を知っている方には歓喜のラスト。から前作のハイ・フォンVSタン・ソイの対決に繋がる。面白い仕掛けはたくさんありそう。スクリーン上映もされた前作、現在ネトフリでも配信されてるようなので、気が向いたら観てみよう。


ネトフリ配信がなければ観てたかな。馴染みの薄い国の作品に出会えるのも配信の醍醐味。「映画はスクリーンで見るモノ」なんて息巻いていた男がこの変わりよう。映画館も2000円時代に突入する。ますます配信視聴が増えそうだ。



 DATA

監督:ベロニカ・ンゴー/脚本:アーロン・トロント/グエン・チュオン・ニャン/グエン・ゴック・タン/リー・グエン・ニャ・ウエン

出演:ドン・アン・クイン/トック・ティエン/リマ・タン・ビ/トゥアン・K・グエン/ソン・ルアン/ギア・グエン/ファン・タイン・ニエン/ベロニカ・ンゴー



hiroでした。



最後のジェダイ←にベロニカさん出てるそうです


オールドガード←配信作のこれにもベロニカさん


キル・ボクスン←はNETFLIXで配信中