#n10 NETFLIX


ワーキングマザーのK流アクションエンタメ

キル・ボクスン


伝説的な殺し屋キル・ボクスン(チョン・ドヨン)はシングルマザーとなった今も殺し屋組織を束ねる裏企業KMのエース。殺しの後でスーパーで買い物する日常だ。仕事は完璧なボクスンだが、家庭では高校生の娘ジェヨン(キム・シア)の反抗的な態度に手を焼いている。ある日、KMの代表チャ・ミンギュ(ソル・ギョング)との契約交渉のため会社を訪れたボクスンはミンギュの妹で会社の理事のミニ(イ・ソム)と出くわす。



NETFLIXオリジナル作品。殺し屋会社の社員が飲み屋で仕事(=殺し)について語り合うシュール。「ジョン・ウィック」や伊坂幸太郎の世界観。これに「母」という調味料を足し算ではなく掛け算にしたことでオリジナリティが生まれる。


オリジナリティの鍵を握るのは娘ジェヨン。母との関係は「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を連想。秘密を抱えて近付けない領域を作っている母。なのに、娘との距離は詰めてくる。この構図が本作の設定にとてもハマる。


それでも本筋はやはりアクション。冒頭の日系ヤクザとのタイマン勝負からしてエグい。近年、どこの国のエンタメも格闘シーンのリアリティが爆上がり中。「殺しのプロ」である登場人物たちを演じる側に求められるスキルも高い。ご苦労様です。



韓国俳優は詳しくない…ってか名前が似てるので覚えられない。なので調べ書き。主演チョン・ドヨンは、73年生まれということ。日本だと深津絵里と同じ(感じ似てるかも)。カンヌ受賞歴のある韓国では大物。アクションもキレキレ。


ソル・ギョングは同世代のベテラン。少し若い設定か。「TSUNAMI」(←未見)の主演なのね。妹役イ・ソム。実年齢はまだ30代前半。かなりタイプ(笑)。掻き回し役ク・ギョファンは「新感染半島」…やっと見たことある作品登場。


既存のコンテンツに掛け算して不自然さなく仕上げる。韓国のゾンビ系作品でよくやる手法。父子をかけると「新感染」になりSNSをかけると「#生きている」になる。バイオレンスアクションに母娘をかけた本作。娘の成長まで描けててうまい。



 DATA

監督・脚本:ビョン・ソンヒョン

出演:チョン・ドヨン/キム・シア/ソル・ギョング/イ・ソム/イ・ヨン/ク・ギョファン/ファン・ジョンミン



エブエブ←わりと共通点が多い


ブレットトレイン←殺し屋業界作品


新感染半島←ク・ギョファン出演



hiroでした。