#27 9/4 109GP


理屈抜きとはこういうこと

ブレットトレイン


不運な殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)は代理で請け負った仕事のために東京発の高速列車に乗る。仕事は目印のついたブリーフケースを盗み、次の駅で降りること。簡単な仕事のはずだったが、ケースの持ち主は因縁のある殺し屋レモン(ブライアン・タイリー・ヘンリー)とタンジェリン(アーロン・テイラー=ジョンソン)。二人はさらわれた依頼人の息子(ローガン・ラーマン)を救出して京都に向かうところだった。同じ列車には意識不明の息子の復讐を狙う殺し屋木村(アンドリュー小路)も乗っていた。



一番好きな俳優=ブラピ、一番好きな作家=伊坂幸太郎、だ。本作は情報公開と共にワクワク。観ない選択肢などハナからない。ちなみに原作小説「マリア・ビートル」は未読。購入はしてあるので、おいおい読ませていただく。


伊坂ワールド(最近読んでない)は「日常のすぐ裏にある非日常」。ハリウッドの派手さが馴染むのかが不安だったが杞憂。殺し屋たちの奇妙な個性がしっくりマッチし、皮肉なことに真田広之だけ「真田広之らしさ」全開(笑)。そこがまた良い。



ほぼ列車内のワンシチュエーション。舞台となる列車は(明確にはしてないが)新幹線である。時々挟まる日本風景含め、日本ロケは一秒もないと推測。人物の今と過去が伏線となり、いろんな人々が繋がっていくのは伊坂の十八番。


それぞれが主導権を握っていると思いながら、実は誰かに動かされている。必然と偶然、運と不運が入り混じる練り込まれたストーリー。架空だから、明け方に京都着いたりとか、ホームに武器持った強面が待ち構えてたりはスルーね。



主演はブラピである。大スターなのに群像劇が得意。本作の空気やブラピの立ち位置が「スナッチ」や「イングロリアス・バスターズ」に似てた気がして安心感。ジョーイ・キングは「オズ はじまりの戦い」のお人形さんが大人になった感じ。


G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ」のアンドリューが出ずっぱり。原作は彼の演じる木村が主人公。「デッドプール2」のザジー・ビーツはリーチ監督つながり。「スーサイドスクワッド」の福原かれんも参加(笑)。



真田が絶頂期を迎えたもよう。作品は今ひとつだった「モータルコンバット」では主役が霞む存在感。本作、それ以上の仕上がりだ。ハンドラーの声には「ザ・ロストシティ」でブラピ共演のサンドラ・ブロック。最後にリアル出演。


リーチ監督つながりのあのスターがワンカットだけ出演。「ザ・ロストシティ」つながりのあのスターはシーカットも出演するサービス。「フューリー」でブラピ共演のローガン・ラーマンはほとんど死体出演。目にも楽しいアクションコメディ。



アヴちゃんがステイアライブをカバーして、奥田民生がオリジナル曲を提供。衝撃的なカルメン・マキの使い方&麻倉未稀の名曲リミックス。そして坂本九で締める。音楽がニッポンリスペクト。謎キャラモモモンの歌もサントラ収録。


裏テーマもなく(禅の教えがそれか?←ザ・ロストシティのラストとつながりそう)、笑えるところはしっかり笑える。久しぶりの理屈抜きで楽しめる作品だったな〜。



 DATA

監督・製作:デヴィッド・リーチ/製作:アントワーン・フークア/脚本:ザック・オルケヴィッチ/原作:伊坂幸太郎

出演:ブラッド・ピット/アーロン・テイラー=ジョンソン/ブライアン・タイリー・ヘンリー/ジョーイ・キング/アンドリュー小路/ベニート・A・マルティネス・オカシオ/ローガン・ラーマン/ザジー・ビーツ/マシ・オカ/福原かれん/サンドラ・ブロック/マイケル・シャノン/真田広之



hiroでした。



スナッチ←感じ似てるかも


ザ・ロストシティ←つながり多数


グラスホッパー←伊坂幸太郎×殺し屋