7本目(2月10日鑑賞)
甘く、切なく、みずみずしい!
監督・脚本・プロデューサー:ウェス・アンダーソン
脚本:ロマン・コッポラ
プロデューサー:スコット・ルーディン
製作総指揮:サム・ホフマン
撮影監督:ロバート・イェーマン
編集:アンドリュー・ワイスブラム
音楽:アレクサンドル・デスブラ
出演:ブルース・ウィリス/エドワード・ノートン/ビル・マーレイ/フランシス・マクドーマンド/ティルダ・スウィントン/ジェイソン・シュワルツマン/ボブ・バラバン/ジャレット・ギルマン/カーラ・ヘイワード
1965年、米ニューイングランド沖のニューペンザス島。
先住民も拠点にしていた大自然が残る小島で、キャンプ中のカーキスカウト(ボーイスカウト)から12歳の少年サム(ジャレッド・ギルマン)が脱走した。
同じころ島の住人ビショップ家では、同じく12歳の長女スージー(カーラ・ヘイワード)が家出をしたことに気付く。
スージーの両親(ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド)は、島で唯一の警察官シャープ(ブルース・ウィリス)に捜索を依頼。
一方、カーキスカウトの隊長ウォード(エドワード・ノートン)も、少年たちを指揮してサムを探していた。
捜索を進めるうちに二人とも孤独を抱えていたという共通点があり、互いに手紙で連絡を取り合い「駆け落ち」をしたことが判明。
嵐が迫るのどかな小さな島の住民たちは、12歳の少年少女の逃避行に騒ぎ立つ。
小さな二人の真夏の逃避行
ウェス・アンダーソン監督、人気があるみたいですね。ブロ友さんのブログでも絶賛の嵐。
申し訳ありません、トーシローhiroはこの監督さん存じませんのです。なので、純粋にこの作品の感想だけ書きま~す。
二人の子どもがまずは切ないんです。
サムは孤児として里親に育てられていました。サムの境遇を知らないスカウト仲間も、彼を変人として辛く当たっちゃいます。そして、行方不明の報を聞いた里親は「ちょうどいい」と引き取りを拒否しちゃうんですね。
一方のスージーも厳格な両親から問題児と見られています。対策マニュアル本を見つけてしまったときの哀しさと言ったら、もう。
偶然出会った二人は、多くの言葉を費やすことなく、最初から似ている境遇をビビビッと感じ、惹かれ合っちゃいます。
「小さな二人の可愛い恋」というのとはかなり趣が違うよね。互いが求め合う純粋な想い、行動が、みずみずしいんですよ。
そんな二人の行動に大人たちは…
一方の島の住人達。
スージーの父と母はうまくいっていない。その母は、シャープと特別な仲。
ウォードは隊長として厳格な態度で子供たちと接してはいるが、実際は子どもたちを統制できていない。
当の子どもたちも変人サムを陰で仲間外れにしている。
誰にとってもサムもスージーも「いい子」ではないし、関心もないんですよね。
ところが二人の逃避行を知り、二人が抱えている「孤独」にみんなが気付く。
「里親」を失ったサムは「福祉さん」に連れて行かれ、特殊な施設に入れられる。
その現実を突き付けられた住民たちの心にかすかな変化が生じるんです。
少年たちの心にも変化が…。
まああとは観てのお楽しみという感じで。(笑)
「小さな恋のメロディ」「スタンド・バイ・ミー」みたいな感じですかね。
とにかく二人の純粋な気持ちが甘くて、切なくて。不器用だけどまっすぐな心に出会えます。
「福祉さん」役にティルダ・スウィントン
ウェス・アンダーソン監督は馴染みの役者さんが多いらしく、本作のビル・マーレイ、ジェイソン・シュワルツマンなどは常連中の常連。本作では、ハリウッドの大物の出演も話題になってました。
ブルース・ウィリスは同じ警察官でありながら、ジョン・マクレーンと対極に位置にいそうな、愛すべきキャラで登場。近作「エクスペンタブルズ2」「ルーパー 」、公開待機作「ダイハード ラストデイ」と精力的に働いてますよね。
エドワード・ノートンも「ハルク」をやっておきながら「アベンジャーズ 」に名を連ねなかったり、どうしたんだろうと心配してました。昨年は「ボーン・レガシー 」でお見かけしました。あれもシリーズになったらどうするんですかね。そうそう。ノートンさん、ウェス・アンダーソン監督の次回作にも出演が決まっているようですよ。
サムを迎えにくる悪役「福祉さん」にはティルダ・スウィントン。今、「少年は冷酷な弓を射る」のDVDがあります。まだ観てないんだけど、対比が楽しみ。
サムとスージーのふたりは共に初の映画出演。この先、どうなるんでしょうね。
60年代の音楽やファッションは、茶目っ気たっぷりに再現。
サマー・キャンプなど、日本人には馴染みの薄い背景があったりしますが、当時のアメリカはこんな感じなのか、って空気感が漂いまくってます。
忙しい毎日、ちょっとほっこりできるひと時でしたよ。
hiroでした。
忙しい中、観てきた甲斐がありましたゼ。