一抹の不安 | ヒロピーのとやまからこんにちわ(仮)

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(前回からの続き)

救急車で病院へ運ばれたと聞き、驚いた僕。
彼は僕の心配をよそに、笑顔を見せていた……。



 一抹の不安


9月、10月と時は過ぎていきました。
外を赤とんぼも飛ぶようになり、暑くて外に出るのも億劫だった夏が過ぎていました。

アカトンボ 

僕と彼は、前と変わらずにメールをしていました。

『カラオケ行きたい』
『そうだね。福元さんが入院してから、一回も行ってないよ』

『また行きたいね』
『うん』

『でも、いいじゃない。看護師さんに体を拭いてもらえるんだから~♪』


彼はお風呂の代わりに、看護師さんに体を拭いてもらえるようでした。
ベッドの上で服を脱がしてもらい、裸になり、体を看護師さんたちに……!

『勃ちまくりは危ないから。綺麗な看護師さんが多いから』

彼は、そう言ってました。
(ノンケかGかって、これだけじゃわかりませんよね)



ただ……、僕は、超絶に羨ましく思いました。


彼が、じゃなく、看護師さんが (当然ですよね?w)



 
(僕の頭の中のイメージ図)


お・も・て・な・し ♪ (ォィ


彼とメールをしながら、僕はやはり反応しちゃいましたね。(^_^;)



でも――、

『眠れない』

『痛みがひどくなってきてる』

『車椅子生活になるかも』

たまに、そんなメールもありました。


ある日、僕がお見舞いに行くと、ベッドで横になっている彼が言いました。


「車椅子禁止令が出た。(´ω`*)」

彼は、将来の為なのでしょうか、車椅子の練習をしていたようでした。
ちょっとはにかみながら言う彼。

しかし、また無理をしたのでしょう。
再び痛みがひどくなり、先生からは当分乗らないようにと言われたとのことでした。


ベッドの横に、折りたたまれた車椅子がぽつんと置いてありました。


「焦らなくてもいいんだから、しっかり治さないと」
「うん」

彼も早く退院したかったのでしょうか、早く職場に戻りたかったのでしょうか、
もしかしたら、焦りがあったのかもしれません。



そして、10月の下旬でした。

ここ何日間か、メールを送っても返事が返ってこない。

平日はなかなかお見舞いにも行けないから、僕は週末になるのを待ちました。


『調子どう?』


お見舞いに行く前の日のメールにも、返事はありませんでした。


 次回へ続きます。



ブログとは若干異なりますが、この話を本で読んでみたいと思われた方は、
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