2023・マレーシア ★★★☆☆(3.4)
監督:ジン・オング
出演:ウー・カンレン ジャック・タン セレーヌ・リン タン・キム・ワン
新しい国際映画祭「Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」
コンペティション部門で上映された。
マレーシア出身のジン・オング監督。
本作は中華圏最大の映画賞、第60回金馬賞授賞式で主演のウー・カンレンが
主演男優賞を獲得している。
「ウー・カンレン」氏が出ているモノは、どういう内容であれ全て見る。
昨日配信開始でマタマタ資料不足でも、記事を書く。Netflix。
マレーシア生まれながら、身分証明書を持っていないアバンとアディの兄弟。
安定した暮らしを求め、聴覚障害者の兄アバンはで市場で地道に下働き。
一方の弟のアディは、違法な仕事に手を染めている。
2人を気遣う社会福祉士が、彼らの身分証明書を取得する手助けに全力を尽すが…。
ある事件が起こり、事態は思わぬ方向へ。
そしてふたりは窮地に立たされていく…。
<日本語字幕はないですが>
身分証のないアバンとアディの2人。が、アディは出生届のコピーがあるので…。
何にも持たないアバンは不法滞在者と見なされる。しかも、聴覚障害と言うハンデ迄。
地道に仕事を掛け持ちしながらも、働くアバン。
違法な事に首を突っ込んで、楽に金儲けをしようと考えるアディ。
そんな2人を子供の頃から見て、親の様に世話を焼いて来たマニー。
トランスジェンダーのマニーは、もう都会は飽きたから地方にと話している。
自分が見守らなくても、大丈夫だと考えているから…。
が、そんな2人が事件に巻き込まれ、取り敢えず有り金だけを持って遠くに逃げたのだが…。
アディが眠っている隙にアバンは警察に自首してしまう…。
アディは自分が起こした事件なのにと面会に行ったアバンに言うが…。
「もう、ここには来るな。会いたくない…」そう言われる。
出来うる事はしようと、弁護士を探したり奔走したモノの…。
世間は冷たく、貧乏なアディの言葉等聞いてくれもしない。
アバンの死刑判決が出る…。益々焦るアディだったのだが…。
やっぱり「ウー・カンレン」氏の演技で泣いてしまった。
僧が刑務所を訪れて、心残りの無い様に話を聞いてやるのだが…。
壮絶な人生を歩んで来たアバンには、僧の通り一遍の言葉等通じない。
手話を使い、激しく反論するアバン。
(手話と言うのは全国共通ではなく、国ごとに違う為にカンレン氏も苦労したのでは?)
が、このシーンは流石と言うか、役者が演じていると言うのを忘れそうになる位
心に響くシーンであった。
彼らの好物は「ゆで卵」でこうして殻を額で割ってから、食べる。
これが、彼等流のゆで卵のからの剥き方。
刑務所のアバンの担当の刑務官が良い人で良かった。
アディには、楽を選ばずに生きて欲しい。
そして本作を見た人は、驚くのであろう。(それは、見た人にしか分からない…)
これまで、プロデューサーとして多くのマレーシア映画を製作してきた
「ジン・オング」監督は、本作が初メガホンと言う事。
そして、色々反対が合った中、監督がアバンに選んだウー・カンレン氏が
其れ迄色々な賞を受賞していたものの、初めての金馬のトロフィーを受け取る事に。
これからも、カンレン氏の作品は逃さずに見て行きたい。
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