1997・香港 ★★★★☆(4.6)
監督:フルーツ・チャン
出演:サム・リー ネイキー・イム ウェンバース・リー チャン・ターイェ
香港のダウンタウンに住む少年少女の姿をリアルに描き出した
残酷で切ない青春映画。
僅か5人のスタッフで始められ、香港では初めてといってよいインディペンデントな立場で、
役者は素人を起用、ストック・フィルムなどを利用し、8万ドルという低予算映画ながら
地元香港で大ヒットを記録した。
2018年3月、4K レストア・デジタルリマスター版でリバイバル公開。
今日は鬱陶しいお天気なので、大好物を…。リバイバル公開された為に配信も。
U-NEXT。
1997年・香港。
飛び降り自殺した女子高生を目撃し、血に染まった2通の遺書を拾ったロン。
その遺書のせいなのか、何かに呪われている様な日々が始まる。
回り回って、その遺書は今はチャウの手元にある。
母と2人で低所得者用アパートに住む少年チャウ。
父親は家を出て、他所に家庭を持っているが少しの金が欲しい為に母親も黙認している。
弟分のロンを引き連れ借金の取り立ての手伝いをしている。
ロンは知的障害なので、学生達の虐めの的になっている為にチャウが守っている。
ある日、取り立て先で彼は、すらりとした足の少女ペンと出会う。
3人の間には、奇妙な友情が芽生えるが、それは彼らにとって過酷な日々の始まりでもあった。
最初は、ロンがペンを見ると鼻血を出した。
そして、ペンが行き成りチャウを訪ねて来る…。
そうやって、ペンに恋心を抱くようになったチャウは、彼女が腎臓病で余命僅かな事を知る。
やがて彼女の身を守る為、生まれて初めて銃を手にするのだが…。
<90秒でこの良さがわっかるかなぁ~>
監督のトークイベントより~。
「メイド・イン・ホンコン/香港製造」を作る事は不可能なミッションでした。
当時はたった5人のスタッフで撮影を行い、俳優達にもスタッフとなって働いて貰った。
この映画を作ることは「不可能に近かったのです」と舞台裏を明かしたチャン監督。
苦労の末に完成させた本作は、中国で上映禁止になっている。
その理由については「体制に反対する様な作品だと思われている」と。
なので、香港初のインディペンデント作品になったそう。
(因みに製作総指揮には、俳優のアンディ・ラウ氏が…)
主役のチャウ役の「サム・リー」氏も監督によってスカウトされて、この作品で主役デュー。
他の出演者達も素人を使った。
一見、少年にも見える、ペン役の「ネイキー・イム」氏は本作だけに出演し、
やりたい服飾の道に進んだそう。
本当はもっと高得点でも良かったのだが、墓の上を渡ったり、跳びはねたりが
どうしても許せんかったので、其処がマイナス。
(低予算だから、セットの筈ないしね。でも恐れを知らない若者を描くのにはマルだが)
このシーンでも印象に残るシーンがあるんよ。言わないが、見ない事には分からない。
<ひょろっと細いチャウ>飄々と生きているのだが。
大人達は色々とよからぬ事を囁いて来る。
けれども…。
拾った遺書は、ちゃんと宛名の人に届くのだが…。
何か悔しかったな、あの人宛のは。
そして、ペンが病院の廊下で、流した涙の綺麗だった事は忘れない。
何度も見直したい、大好きな1作。この切なさは、たまらんざか。
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