２０２２・中国 ★★★★☆(4.8)
監督：リュウ・チアンチアン
出演：チュー・イーロン ヤン・エンヨウ ワン・ゴー リュウ・ルー
現地中国では、２０２２年６月に公開。
殆ど無名で初監督作品でありながら、公開１ヵ月で上映延長が決まり
約３５０億円の興行収入を記録したメガヒット作品。
銭を払わずとも良作には会える。ホンにありがたやな気持ちで一杯ですわ。
マタマタ、こんな邦題付けてって思うが、それよりも今はもう１回見たい。Netflix。
刑務所を出所したばかりで、実家の稼業を仕方なく手伝うサンメイ。
恋人を庇う為に罪を被ったのに「別れましょう」とメールが来る。
サンメイの子供を妊娠している彼女は、違う男と結婚する事にしたと…。
「何もかも終わった…」と打ちひしがれるサンメイだったが、仕事はどんどん入って来る。
サンメイの実家の稼業は葬儀屋「上天堂」で、ご遺体を綺麗にし納棺する納棺師が主な仕事。
父親は腕の良い納棺師だった為に今尚受注がある。
父親は高齢で、既に仕事は引退し、サンメイが仲間２人とやっている。
しかし、自堕落に暮らしているサンメイは、未だ父親に小言を喰らうばかり。
幼い頃より、TＶアニメも見せて貰えず、仕事を手伝わせる父親を疎ましく思い
何かあれば顔も知らない「兄を敬え…」と。サンメイの兄は事故で亡くなっている。
ある日の事、老婆の死に立ち会ったサンメイ。
老婆と２人暮らしだった孫娘のシャオウェンの行き場がなく預かることになってしまう…。
シャオウェンも又両親や祖母に先立たれ、叔母に疎まれている可哀想な身の上だった。
だが、信じられぬ程に扱いにくい性格で、疫病神状態…。
けれども何故かサンメイはシャオウェンに気に入られてしまい…。
＜何時もながらに字幕はないが…＞↑サンメイの父親編。
↑シャオウェン編。
＜↑サンメイと一緒に仕事をしている２人＞
物凄く「ベタベタ」の上に「超ベタ」なストーリーなんだけれど。久々に泣いたわ。
此処の所、中国産でしか泣いてない気がするが…。ははは。
父親との確執と全く他人の子供を預かり、育てる事となる独身のサンメイ。
其れなりに父親が仕事を叩きこんだ為に、サンメイも丁寧な仕事ぶりだが、人間的には
マダマダ出来ていない。
口うるさい父親は何とかサンメイに仕事を任せて安心したいが、目先の事ばかり
取り繕ってしまうサンメイに分らせるにはどうすればよいかが、イマイチ見つからずに
父親の方も焦っている。
そんなワチャワチャな時に預かる事になってしまったシャオウェン。
おばあちゃんが教え込んだ麻雀が得意。
３日だけと言う約束が、へそを曲げた妻は絶対に無理と言う。
妻に頭が上がらない伯父さんは、とうとうシャオウェンを養子にしてくれと言う…。
噛むし、暴れるし、ホトホト困っていた彼等だったが、言い聞かせればちゃんと分る
マダマダ子供のシャオウェンに次第に情が湧いて来る。
思い切って養子にしようと役所に出向くが…「独身男性は無理」と言われてしまう…。
弱り目に祟り目状態のサンメイだけれど、自分は「孫悟空」だと言う。
可哀想な子供を放っておけない…。実は寂しさも、悲しみもちゃんと分っている優しい人。
チンピラまがいの乱暴な口をきいたりもするが…。
サンメイが段々とシャオウェンの本当のパパの様になっていく様が微笑ましい。
そんなサンメイ役の「チュー・イーロン」氏。こんなヤクザないで立ちだが、顔面はなかなか。
他には、どんな作品に出ているのかしらん？って思ったら…。
＜ドラマ 鎮魂＞ メガネ男子の方。普段は、メッサ綺麗なお方。
何と途中まで見た奴やんかいさ！余りにも荒唐無稽過ぎて見るのを止めたが。
(因みに私は、髭の方狙いです。ははは)
超ベタな人情話ではあるけれど、ホンマにたまにはこういうのを見て、人間に戻らねば。
シャオウェンとの関係のエピソードも良いけれど、私は断然父親とのエピソードだな。
爺様、ええこと言うんすよ。
「人間裸で生まれて来たから、死ぬ時も裸で良い」「派手な葬式はして欲しくない」
高価な骨壺も要らない、ベッドの横に置いてある空き缶で十分。
後、日本の納棺師と違う部分は、事故等に遭って、グチャグチャになった遺体も
修復していく技術を持っている部分。(結構驚きました)
ホンマに良い作品でした。皆に見て貰いたいっす。
あっそうそう、原題は「人生大事～Lighting Up the Stars」。
多分、Netflixでしか見れないと思われるけれど…。是非ともお勧め。(滅多に言わない)
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