2021・韓国 ★★★☆☆(3.9)
監督:イ・ジュニク
出演:ソル・ギョング ピョン・ヨハン イ・ジョンウン ミン・ドヒ
19世紀初頭の朝鮮で発表された海洋生物学書「茲山魚譜(チャサンオボ)」に
記された史実に基づく人間ドラマ。
島流しにされた学者と島の漁師が、海洋学書の執筆を通じて友情を育む。
監督はイ・ジュニクが務め、百想芸術大賞の映画部門で大賞を受賞した。
学者をソル・ギョング、漁師をピョン・ヨハンが演じるほか、リュ・スンリョン、
イ・ジョンウン、ミン・ドヒらが共演する。 (シネマトゥデイより抜粋)
私がモノクロ作品好きという事で、本作を勧めて下さり、本当に有難う御座いました。
メッサ迷ったけれど、結局は劇場には行かなかった。 見たかったんだけどね。
で、やっとレンタルになったのだけれど、1番に予約を入れたけれど違う作品が来た。
(予約1番の方多しで、負けてしまった) なので本日はAmazonプライム。 400円。
1801年、朝鮮時代。
カトリックへの迫害が強まり、熱心なカトリック教徒だった為に黒山島(フクサンド)に
流刑となってしまった学者の丁若銓(チョン・ヤクチョン)。
理不尽な仕打ちにも気落ちすることなく、島の豊かな自然に好奇心を刺激されていく。
そして、海洋生物の学書を書き記したいとの思いを募らせたヤクチョンは、
やがて島民の誰よりも海の生き物に詳しい漁師の若者・昌大(チャンデ)と出会う。
しかし、人一倍学問に興味を持ち真面目なチャンデは、「罪人」であるヤクチョンに
決して心を開こうとはしなかった。
そこでヤクチョンは、独学の限界を感じていたチャンデに、自分の知識と
彼の魚の知識を交換するという取引を持ち掛けるのだったが…。
<予告を見たら、見たくなるっしょ!>
一寸見辛いかな? 相関図も載せておく。
丁三兄弟の長男(ヤクチョン)は、熱心なカトリック教徒であった上に、天下一の
人材と言われた学者であった為に、影響力のある三兄弟は迫害される事に。
が、結局次男は処刑されてしまう。
ヤクチョンは島流しとなり、末弟は僻地ではあるが康津群に流刑となる。
末弟は、朝鮮最高の実学者であった。
このヤクチョンが少年の様に海洋生物に興味を持ち、眼で見た海洋生物全てを
書き示したいと、新たなる生きがいを見つける。
(ホンマに、気さくで偉ぶる所もなく、楽し気で素敵な人だ)
「何時かは偉くなりたい」と言う希望を持つチャンデは書物の虜で、辞書を片手に
島中にある書物を読み漁るが、仕事は漁師の為に島近海で捕れる海洋生物の事は
何から何まで知り尽くしている…。(同じ種類の魚でも島で捕れる物は背骨が多いとか)
それを知ったヤクチョンは、書物の分からない事を教える代わりに、海洋生物の事を
教えて貰う交換条件を出し、助け合う事に。
チャンデは、真直ぐな性格の青年な為に当初は「罪人と関係を持ちたくない」と頑なに
断っていたが、その夢の様な提案に負けてしまう。
勿論、この2人の関係や掛け合いも楽しいのだが、兎にも角にも↑このお方。
実在の人物で、島流しにあったヤクチョンのお世話をする事になる未亡人。
(都会的な紳士なヤクチョンにまんざらでもない…)
このカゴ役の「イ・ジョンウン」氏が最高だった。 罪人だが「ウチに泊まる客人」と言い
ヤクチョンの世話を甲斐甲斐しく見る。
↑ご覧の通り、彼女が居たからこそな部分もあるのだろう。
ヤクチョンとカゴの掛け合いに、何度馬鹿笑いをし、吹き出した事か。
(家で見て良かったわぁ~と思ったのは此処の部分。 珍しくめっさ笑った)
特にチャンデが島の娘と結婚をして、夕暮れに海を見ながら肩を寄せ合って
座っている後ろ姿が映される。 新婚さんは初々しいなぁ~と思ったら
ヤクチョンとカゴだった…。 しかも、カゴの腹が膨れてる!(事件は現場で起こります)
(文献にも、ヤクチョンと暮らした島の女との間に2人の子供がいたとの事)
が、何もかも知っているヤクチョンは此処に骨を埋める決意をするが、両班である
妻子を島に捨てた父親が、チャンデの噂を聞きつけて、本土に行こうと誘いだす。
若いチャンでは、昔から持っていた「偉くなりたい」という希望を捨てきれずに
父親が金で買った地位に就く事になるのだったが…。
ヤクチョンの願いとは「人々の平等」であったが、「王様」と自分達が同じになっては
いけないと考えるチャンデ。
(真面目な性格は治らず、そんな事が有ってはならないと思い続けている)
現実を自分の目で見れば、嫌になって帰って来ると踏んだヤクチョンはチャンデの
帰りを待ちわびながら、「茲山魚譜」を書き続ける。
その内容も「チャンデに聞いたところによると…」とイチイチ書かなくても良い情報を
絶対に書き漏らさずに記したそう。 (こういう謙虚な所がホンマ素敵)
チャンデについては「井の中の蛙大海を知らず」という事なんだろうと思う。
でもねぇ~、分かるけれどねぇ~って言う部分が、歯がゆい。(事実なので仕方がない)
好きなモノクロ作品で、ストーリーもキャストもバッチリで、何故に4に行かないか?
最後の最後で、カラーの景色が拝めるのだが、いやいや、本作はカラーで見たかったな
と、物凄く思ってしまった。 反対の方が良かったのでは? ラストがモノクロ。
でも監督は、「朝鮮時代が背景のモノクロ映画を私自身見てみたかった。島の自然や
波もモノクロで見たかった。全てカラーの時代にモノクロは、古い方式ではなく、
新しいファンタジーだと思う。 モノクロで美しく見える様に照明、衣装など工夫した。
結果的にモノクロの選択は良かったと思っている…」と。
まぁ、映画は監督のモノだから、こんな事を言うのは私が間違っているやもな。ふふふ。
<余りにも、このコメント映像が面白かったので載せておく>
監督もメッサ可愛い人だな。
そうそう、ヨンハ氏とジョンウン氏は大きなカレイを捌くシーンがある為に修行に
行ったとか…、その辺の映像も見れます。
監督は次の作品に入っているそうです。 楽しみだ。
そして、「ソル・ギョング」氏は初の時代劇だそうっす。 驚き~~。
(やっぱ、この方の作品も間違いがないわ)
ピョン・ヨハン氏を推薦したのはギョング氏だったそうです。ホンマにピッタリだったね。
書きたい事は山ほどあるけれど、これ位にしておくわ。 明日は3回目やし。 では。
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