2020・英・仏 ★★★★☆(4.3)
監督:フロリアン・ゼレール
出演:アンソニー・ホプキンス オリヴィア・コールマン マーク・ゲイティス
世界中で上演された舞台を映画化したヒューマンドラマ。
年老いた父親が認知症を患い、次第に自分自身や家族のことも分からなくなり、
記憶や時間が混乱していく。
原作を手掛けたフロリアン・ゼレールが監督と脚本を担当し、アンソニー・ホプキンスが父親、
オリヴィア・コールマンが娘を演じ、マーク・ゲイティスや、イモージェン・プーツらが共演する。
(シネマトゥデイより抜粋)
一寸地味だしなぁ~って、本作の事を想っていた。 でも、タダで見れるんだったら「喜んで!」と
本日見る事にした。 ホンマに有難や、Netflix。
ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニー。
ある日、何人目かの介護人とトラブルを起こし、娘のアンが駆けつける…。
アンソニーには認知症の傾向が見え始め、それは日に日に悪化している様に感じられる。
無理強いするかの如く、新しい介護人がやって来ると言う…。
その理由は、新しい恋人とパリで暮らすと、アンから告げられショックを受けるアンソニーだった。
アンソニーが目覚めると、アンと結婚して10年以上になるという見知らぬ男が
自分のお気に入りのカウチに座っており、此処は自分とアンの家だと主張する。
そんなアンソニーには、もう1人の娘ルーシーがいた筈だが、全く連絡をくれない。
徐々に現実と幻想の境界が曖昧になっていく中、アンソニーはある真実に辿り着くのだったが…。
<流石としか言いようの無い、爺様の演技>
名優「アンソニー・ホプキンス」様が認知症の父親役を演じ、2度目のオスカー
主演男優賞を受賞した。
しかも、その受賞中継時には、「アンソニー様」はご就寝だったとか。
(それを聞いた時も、「やっぱ違うね」と笑ったが…)
本作は、日本を含め世界30カ国以上で上演された舞台「Le Pere 父」を基に、映画化された作品。
何時も言う様な、「何故に映画化するねん?」と言う言葉も全く出なくて、この「夢か幻か」を
認知症の父親の目から見た状況を見事に映像化されておった。
(反対に、舞台ではこの摩訶不思議さはどう見せていたのかな?とすら思ったが)
本作を見終えて、93回のアカデミー賞のノミネート作品を全部見た訳ではないけれど
「アンソニー様」のオスカー受賞は、納得も納得、「大納得」の演技だった。
勿論、本物かどうなのかも定かでない脇のキャストの演技も素敵だったけれど。
↑赤ちゃんの様にママを探すアンソニーが、可愛い爺さんではなく、物凄く「切ない爺さん」で
泣けてきた。
本作についてのインタヴューでは、本作の爺様よりも、元気で艶やかで、「暗記ヲタク」だから
マダマダ引退はしないと言い放っていた。
本作のアンソニーは、自分の実父をそのまま演じたので、かなり楽な役処だったそう。
83歳という事だが、口籠らずにスラスラと言葉も出るし、頭の回転も速いお方なのだと分かる。
それにしても、何人もの介護人をクビにするアンソニーだが、「あいつはモノを盗む」「盗人だ」と
自分が置き忘れた「腕時計」を盗られたと真剣に怒る。
こうなって来たら、もう「要注意」だよね。 (お金や通帳の事を特に言うよね)
今は、私は1人暮らしなので「誰か」のせいにも出来ないけれど…。
其の内、記事に書くやもしれぬ。 「まだ、ご飯食べてませんねん…」って…。うぅぅぅぅ。
普通の痴呆症の老人の事を描いた作品ではなく、痴ほう症の老人が毎日「体験」している
世界を見せてくれると言う、実は「もうすぐ」の私等には、なかなかな恐い作品でもあるのです。
たまには、こう言うのも如何でしょ? 順番に「老い」は平等にやって来るのですからね。
(byヴァンパイア以外…)
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