1997・邦画 ★★★★☆(4.2)
監督:黒沢清
出演:役所広司 萩原聖人 うじきつよし 中川杏奈 洞口依子 でんでん
猟奇的殺人事件の犯人を追う刑事の姿を描いたサイコ・サスペンス。
監督・脚本は黒沢清。 撮影を喜久村徳章が担当している。
主演は役所広司で、本作で第10回東京国際映画祭の主演男優賞を受賞した。
共演に萩原聖人。 (映画.comより抜粋)
かなり好きな邦画作品。 多分、昔のブログには記事にしたと思うけれど、本ブログには
書いていないので、今日本当に久々に見た。 Netflixでね~。
またしても、娼婦の惨殺事件が起こった。 他の事件との関連性は今のところ、全く無いのだが…。
現場に駆けつけその死体を見た刑事の高部は、被害者の胸をX字型に切り裂くという
殺人事件が、秘かに連続していることを訝しがる…。
全く不可解としか言いようの無いこの事件。
犯人も、その殺意も明確な個々の事件であり、全く関連性のない複数の犯人。
が、不思議な事に特異な手口を共通して使い、何故か犯人達はそれを認識していない。
共通している部分は、最終的に刃物で胸の部分をX字型に切り裂く行為。
高部の友人である心理学者・佐久間が犯人の精神分析を施しても、謎を解く手掛かりは
何も見つからない…。
その後も同様の手口だけは同じで、犯人も被害者も全く関連性のない事件が続く。
妻をXの字に切り裂いて殺してしまう、小学校教師。
同僚の警官を撃ち殺してしまう、警官。
公園のトイレで、出くわした男を殺してしまう女医。
が、犯人達の事情聴取をすると、事件を起こす前に出逢った1人の男が浮かび上がる。
小学校教師は、浜辺で…。 警官は、保護された男を病院へと。
そして女医は、収容された病院での診察と…。
しかも、その男は記憶喪失で、何も思い出せない男だった事が判明する。
高部は、事件の捜査線上に浮かび上がったこの男・間宮を容疑者として調べ始める。
しかし、高部は間宮の記憶傷害による進展のない会話に翻弄されて、苛立ちを積もらせていく。
やがて、間宮が元医大の学生で、メスマーという18世紀の医者が開発した
催眠療法の研究をしていたことを知るのだった。
ところが、そんな高部を間宮は誉め称え、高部こそ自分の言葉の本当の意味を
理解出来る人間だと語るのだったのだが…。
好き嫌いに分かれる作品だと思うし、分かる分からないの意見も出て来ると思う本作。
初めて見た時は、大好きな「役所様」が流石と思ったけれど、今は、これだけの摩訶不思議な男を
演じ切れる「萩原」氏の素晴らしさにおののく。
心理学者なのに間宮に魅了されてしまう、佐久間を演じる「うじき」氏も、何ともチャーミング。
間宮の神髄を理解出来そうで、出来ずに取り込まれてしまう…。
佐久間がふと口にする「伝道者」と言う言葉が、本作の最大のヒントになる。
↑この意味不明のポージングは何を表すのか?
高部の妻が、メンタルを病んでいる部分も「キモ」となる。
何も入ってない洗濯機を回し続ける妻も、不気味で良い。
妻役は何処かで見たよね、と思ったら「中川杏奈」氏だった。
残念な事に7年前に亡くなられていたのね。 (彼女はやっぱ、「敦煌」とかを思い出すよね)
もう1人、大好きな「洞口依子」氏も出ていた。 私の中では豪華キャストだな。
でも、何よりも本作の「ホン」が素晴らしくて、大好きだ。
実際こんな事が起こるのだろうか? 等と疑問を持つ事すらなく見入ってしまう。
「萩原」氏の間宮なら、絶対に起こってしまうのだろう…。 あれ、私も掛かってるのか?
当時には、R指定は無かったのかな? NetflixではR-15と言う風に書かれているが。
確かに、血塗れ、かなりグログロシーンも御座いますので、ご覧になる時は心して…。
何時も言いますが、私が「面白い」 「大好き」といっても、笑える作品では1ミリも御座いませんので。
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