僕たちは希望という名の列車に乗った | 新・伝説のhiropoo映画日記

新・伝説のhiropoo映画日記

映画が好きだ。ドラマも好きだ。
そして、イケてる面はもっと好きだ。

そんな好きなものが詰まった日記、読んでみるかい。

              

2018・独     ★★★★☆(4.6)

               

監督:ラース・クラウメ

出演:レオナルド・シャイヒャー  トム・グラメンツ  ヨナス・ダスラー  レナ・クレンケ

                      

                      

ラース・クラウメ監督が、旧東ドイツの高校生たちの実話を基に描く青春ドラマ。

                                  

政治のタブーに踏み込んだ若者たちが、究極の選択を迫られる。

                         

レオナルト・シャイヒャー、トム・グラメンツ、ヨナス・ダスラーをはじめ、ロナルト・ツェアフェルトや、

ブルクハルト・クラウスナーらが共演。(シネマトゥデイより抜粋)

                       

                           

                                

ブタ

水曜日に見た、もう1本。 ポスターを見て、若人の作品なら、きっとオキニもいる筈と見ようと

思いながら、なかなか他の作品に気を取られていて、「私のタイプ出てました?」等と

既にご覧になったお友達の方々に「何を聴いとるねん?」って叱られそうな質問などしているうちに

この金曜日からは朝と夜の2回になっちまうのに気づいて、慌てて行ったら…。

                 

まさかのお立ち見も出るほどでした…。(私は勿論座って見ましたが…)

                        

                      

まだベルリンの壁が建設される前の1956年の東ドイツ。

                                 

エリート高校に通い、青春を謳歌していたテオとクルト。

ある日、西ベルリンを訪れ、映画館に入った2人は、ニュース映像でハンガリーの民衆蜂起を知る。

                           

                             

市民に多くの犠牲者が出たことに心を痛めた彼らはクラスメイトに呼びかけ、教室で2分間の

黙とうを敢行する。

                                    

それは純粋な哀悼の気持ちから生まれたささやかな行動だったが、ハンガリーと同じく

ソ連の影響下にある東ドイツでは、たちまち社会主義国家への反逆とみなされ、

政府が調査に乗り出すほどの大問題へと発展してしまう…。

                             

                         

生徒たちは1週間以内に首謀者を明かすよう命じられ、従わない者は全員退学と

宣告されてしまうのだったが…。

                            

                       

本作は、登場人物の殆どが高校生で、若者なのですが、どうしてなかなかホンも凄く良く出来ており

「サスペンスフル」であり「ドラマティック」であり、そして「青春作品」でもあるのです。

                

ある高校の、それもエリートコースのクラス。

タダ、其処に通うからといっても、色々な環境下の子供が通っている。

                        

<クルト> … 父親は市会議員。 母親は西ドイツ出身で母親の父・クルトの祖父の墓参りに

          親友のテオと一緒に度々西ドイツに行く。

                        

<テオ> … 父親は製鉄工場で働く肉体労働者。 幼い弟2人がいる。 生活は苦しく貧しいが

         党員で初めて、優秀な学校に通うテオに期待をしている。

                           

<エリック> … 実父は赤色戦線戦士同盟(RFB)の勇士だった事に誇りを持っている。

           今現在は、母親は牧師と再婚しているが、実の父親の名に恥じる行為だけは

           出来ないと考えている。

                                 

<パウル> … 街の外れに住むエドガーおじさんの事が大好きな気弱な同級生。

           RIASラジオの電波が入り、放送が聞けるために、入りびたりとなる。

                         

                    

墓参りのついでに(こっちがメイン)映画を見ると一緒に上映されたニュース映画で、ハンガリーの

情勢について知り、ラジオでもっと詳しいニュースを耳にする。

                  

ハンガリーの民衆蜂起は悲惨な状態を迎え、数百人の市民が犠牲となり、彼らが崇拝していた

ハンガリー代表のサッカー選手プスカシュも死亡したと…。

                

余りのショックを受けた彼らは、翌日2分間の黙とうをクラス全員で捧げようと…。

それは本当に純粋な気持ちで提案し、多数決を取り、決行した…。

                       

            

しかし、そのたった2分の沈黙が、国家を敵に回す行為となる事を今は彼らは知る由もなかった…。

                          

                    

校長も穏便に済ますつもりであったこの行為…、校長の座を狙う教員から連絡されてしまい

郡学務局から女性局員ケスラーが、事の真実を明らかにする為にやって来る。

                  

生徒達も、色々と案を出し、「政治的な意図ではなく」プスカシュ選手の為の黙とうだったと

言い訳しますが、そんな子供騙しの話を聞こうともせずに、色々な方向からにじり寄ってきます。

                 

しかも、1人1人の生徒に…。

魔女をあぶりだす様に…。  クラスの団結はどうなってしまうのか?

                   

                   

高校生相手とは、思えないほどの追い詰め方に、胸が苦しくなる程でした。

              

クルトは、自分が言いだしたと告白すると…。 父親が許す筈がない。

テオは、父親や家族の期待を裏切る事は出来ない…。

エリックは…。 

                            

              

テオの父親は、自分の肉体労働の厳しさを身をもって体験させるために、一緒に職場体験を

させます。 キツイ労働だが、其れなりに喜びを感じるテオ。

           

けれども、帰宅して、食事の時にフォークを持つ手が震えて、口に運べない。それ程の重労働。

                    

                 

東西を分ける壁は1961年に出来たそうです。

其れまでは、身分証と明確な理由があれば、東西のドイツの地は踏めたようです。

                    

                    

本当に其処までの考えなしで、軽い気持ちで行った2分間の沈黙行為。

生徒自身もですが、その家族までを巻き込んだ大きな出来事だったのですが、実は実話であり

後に教師になるクルトが書いた小説「沈黙する教室」の映画化です。

                 

タイトル通り、日本で言う処の「黙とう」ではなく、一言も何があっても話さない「沈黙行為」。

まさかこんな事で、このエリートクラス全員の未来をひっくり返してしまうとは…。

                        

               

どうなるのか?  どうするねん!  と本当にドキドキハラハラで、目が離せませんでした。

それとね、彼らだけでなく、親達がまた凄く素敵だったのよ。 其処も泣けましたわ、かーちゃんは。

                    

                 

                    

で? 私のオキニは?  うふふふ、聞きたいでしょ。  え?どうでもいいって! そんなこと言うな。

1人だけ髪の毛サラサラな「クルト」がタイプでしたが、(彼は映画の中より、普段の時の方が良い)

                            

↑一番左がクルト。 映画の中の方が大人っぽい。

               

でもね、テオ役の彼の横顔の線が、物凄く美しかったんだけど。

生徒役で一番活躍しているのは、今のところ「パウル」役のメガネ君。 彼はハーバードの大学生。

                

これからが楽しみな若人ウハウハなだけが嬉しい作品ではなく、本当に作品に魅入られる様な

ホンの出来具合やらで、良作でした。

           

因みに監督作の「アイヒマンを追え!」は見ましたが、記事にはしておりません。悪しからず。

 

            

 

                               

                    

 

                        

 

                         

 

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