2015・デンマーク・独 ★★★★★
監督:マーチン・サントフリート
出演:ローランド・ムーラー ミケル・ボー・フォルスゴー ルイス・ホフマン
第2次世界大戦終了後、ドイツ兵捕虜がデンマークで地雷処理に動員されたという史実を
基に描くドラマ。
恐ろしい体験を共有するうちに、戦時中は敵同士だったドイツ兵捕虜とデンマーク人軍曹が
次第に人間として距離を縮めていく過程を丁寧に描写する。
デンマークのマルティン・サンフィリートが監督と脚本を担当。
人間の善と悪の二面性を浮き彫りにする物語に引き込まれる。(シネマトゥデイより抜粋)
本作も年末からの上映開始で、是非とも見たかった作品。本日はこれだけの為に行ったが
小さい方のスクリーンは満席でした。私も前から2列目で見た。
1945年5月。
ナチス・ドイツの占領から解放されたデンマークだったが、海岸線にはドイツ軍が埋めた
無数の地雷が残ったままだった。
そしてその除去に、捕虜となっていたドイツ兵たちが駆り出されることに。
そんな除去部隊の一つを監督することになったデンマーク軍のラスムスン軍曹。
セバスチャンらドイツ兵全員があどけなさの残る少年であることに驚きつつも、ナチスへの
憎悪を剥き出しに、彼らを容赦なくこき使っていく。
この作業が終了すれば帰国できるというラスムスンの言葉に唯一の希望を託し、
死と背中合わの作業をこなしていくセバスチャンだったが、一人また一人と仲間たちが
命を落としていく。
そんな彼らのあまりにも過酷な姿を目の当たりにして、いつしかラスムスンの心にも
思いがけない変化が生じていくのだったが…。
地雷を見た事のある兵士は多いが、除去作業をしたことがある兵士は、皆無に等しい。
しかも、全員がまだまだ少年と呼ぶほどに幼い子供達。
「ドイツのした事を考えろ」そう言われるままに、強い口調でドイツ兵達にあたる、軍曹。
だが、心の中は初めから、辛い仕事と思っていたに違いない。
当初は、食料さえもなく、砂浜に埋まった地雷の除去を延々と繰り返す作業の毎日。
あまりにお腹が空いた為に、家畜の餌を皆で食べたら、食中毒になってしまう。
そんな状態では、仕事も出来ないと、こっそりと食べ物を調達してくる軍曹。
↑このシーンが最高に良かったな。セバスチャンが軍曹の事を父親の様に慕っているのが
分かる、唯一微笑ましいシーン。
かなりの徐作業が進み、休日と称して皆で砂浜で遊ぶシーンも楽しそうだが、こんなに
笑って楽しそうなシーンの後に待っているモノって…、と想像するのもちょっと怖いが…。
予感は的中。 すんなりと、気持ちよく自国に返してはくれない。
ドイツ軍が埋めた地雷だから、捕虜のドイツ軍が除去作業をするべきという案は、イギリスの
命令だったそうだ。
しかも、帰る捕虜は大人ばかりなのに、地雷撤去作業には少年兵ばかり。
子供達に戦争悪を植え付ける必要はあるのだろうか?
そんな状況でも、将来の夢を語る少年達。
爆発してしまった地雷で。手足を吹き飛ばされ「痛いよママ」と泣く少年兵士。
そんな幼気な少年達に、戦争の精算をさせねばならないのか?
地雷を見つける為に砂浜に刺していく、鉄の棒が入る度にドキドキしてしまう。
そして、不用意に爆発してしまう度に、ビクついてしまう私。
下手なホラー作品より、遥かに手に汗握る。
ラストのシーンを見ても、それでも私の緊張はほぐれない。
何故にこんな事になってしまったのか?
あどけなさがまだまだ残る少年兵達を見ながら、その裏にある重さに思わず、大きな
ため息が出た。
地雷に悩まされている地域は、今尚あるのだが、この作品からも何かを受け取って貰いたい。
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