テラビシアにかける橋  今年はファンタジー作品到来の年なのかい? | 新・伝説のhiropoo映画日記

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映画が好きだ。ドラマも好きだ。
そして、イケてる面はもっと好きだ。

そんな好きなものが詰まった日記、読んでみるかい。


       

2007・米     ★★★☆☆(3.4)

監督:アボア・クスポ

出演:ジョシュ・ハッチャーソン  アンナソフィア・ロブ  ズーイー・デシャネル  ロバート・パトリック



田舎町に住むアーロンズ一家。

父親(パトリック)は懸命に工具屋で働き、自宅には温室を作って少しでも家族の口に入る物を栽培する。

母親は、苦しい家計のやりくりと生まれたての赤ちゃんの世話で頭が一杯。

小学5年生のジェス(ハッチャーソン)は2人の姉と2人の妹に挟まれる様にいる、アーロンズ家の唯一の男の子。


両親は、妹達には優しく接してジェスの事はお座なりである。  姉もジェスの事は変人扱い。

唯一の特技の短距離走で、1番を取る為に毎朝早く起きて走っているのだがスニーカーはボロボロ。

ガムテを巻いて履いていたのだが、見かねた母親がボロボロスニーカーを捨ててしまう。

新しいシューズを買うお金が無い為に、姉のお下がりのピンク色のスニーカーを履けと言われてしまうのだが

学校でも虐めにあっているのに、こんな靴を履いていったら益々虐められる…。  でも、仕方が無い…。


学校でも自宅でも何処にも自分の居場所を見出せないジェス。

たった一つのジェスの楽しみは、空想して作り上げた奇妙な生き物等をスケッチブックに描く事だけであった。



ある日の事、クラスにちょっと風変わりな転校生がやって来る。  彼女の名前はレスリー(ロブ)。

何と、校内の短距離走に男子に混じって走ったレスリーは、ジェスを抜かして1等賞になる。

しかも、ジェスの家の隣に越して来た…。


レスリーの家は裕福で、両親共に作家の家。  ジェスとは何もかもが違う…。

田舎街では多少浮く様なファッションに身を包み、口うるさい国語の先生が褒めちぎる様な作文を書き

誰に対しても偏見を持たないレスリー。

オマケに、唯一の足の速さもレスリーに持って行かれてしまい、第一印象は最悪だったのだが…。


悔し紛れに、スクールバスを降りたジェスはレスリーに森までもう一度一緒に走ってくれと言う。

走った先の森で、古いロープが垂れ下がっているのを見つけたレスリーは、手に取って小川を渡る。

小川を渡ったその先には、素敵なツリーハウスを発見する2人。



「目を閉じて、心の目を開いてみて…」 その言葉の通り、ジェスは心の目で周りの景色を眺めて見ると

不思議な事に、美しい空想上の王国「テラビシア」が聳え立つのであった…。


虐めにあい、自宅にも居場所が無く、自分の殻に篭るばかりであったジェスに学校から帰る事が

楽しみで仕方なくなる。

ツリーハウスを修理し、テラビシアを襲う敵と戦いながら、ジェスとレスリーは王と女王に君臨する様になる。



2人だけのテラビシア…。  

2人だけの冒険を通して、暗かったジェスの性格も生き生きとした少年に変わって行く。



そんな楽しい毎日は、突如として終ってしまう事を今はまだ誰も知らないでいたのだった…。




《***》

1月26日から上映公開になる「テラビシアにかける橋」をROSEさんに誘って貰って試写会で見た。

何時も何時も、アザーズ!


今年に入って、スクリーンで見る9本目の作品だが、その内3本はファンタジーもの。

今年はファンタジーモノの当たり年なのであろうか?  今後も「ライラの冒険」「ナルニア国2」も待っているしね。


この作品も、同名の児童文学の映画化。  

昨日の「ウィーター・ホース」が小学生向けなら、この作品は小学生の中学年から高校生ぐらいまで向け。

大人が見ても、充分感動できる作品となってはいるけれど、2人の空想する「テラビシア」の国が

私には、もう一つイメージか出来ないまま終ってしまって、ちょっと残念。


勿論、奇妙な動物や敵に囲まれたりやっつけたりのシーンもあるのだが、彼らの頭の中の想像を全て

映像で見せてくれる訳では無いので…。  その辺がちょっとね。



レスリー役のアンナソフィア・ロブは「チャリーとチョコレート工場」のガムを噛む少女。「リーピング」等

結構、良い役どころをゲットしている女優。  

レスリーもちょっと生意気だけど正々堂々と生きている少女を可愛らしく演じていた。


ジェス役のジョシュ・ハッチャーソンは「ザスーラ」のお兄ちゃん役。

目を伏せて、うつむき加減はちょっと良いんだけどね。



この作品は、レスリーの偏見の無い台詞の良さ、「両親が作家だから作文が上手いんだ」とジェスが言うと

「ジェスは工具の説明が上手なの?」と答えを返す。(父親が工具屋に務めているから…)

そこで、ジェスも「そうだよね~」と言われて気づく。


「女の癖に大工仕事が上手だね」そう言うと「男の癖に絵が上手だね」と返す…。

ジェスは又もや、男も女もないんだと気付く…。

この作品には、全ての人が色々な問題にぶち当たるんだと言う事を言っている。

それは、8年生でメチャメチャ怖い、スクールバスの一番後ろの座席に特等席がある女ボスでさえ…。



この作品の対象年齢層がちょっと上なのは、ファンタジー作品にありがちな目出度し目出度しで終わらない所。

でも、出切る事なら最後にもう一度レスリーの声が聞けたら、すんごく嬉しかったんだけどね!


オープニングやエンドロールにはジェスが描いた、空想の世界の絵が見れる様になっていて

オープニングは楽しくて、エンドロールはちょっぴり寂しかったな。

大人も充分楽しめる作品ではあると思います。  

この作品をお子さんと見た後は本音トークをして見るのも良いかもね。  Do~でしょか?