キャンディ(R-15)  そうして、本物の大人になるのだろうか?   | 新・伝説のhiropoo映画日記

新・伝説のhiropoo映画日記

映画が好きだ。ドラマも好きだ。
そして、イケてる面はもっと好きだ。

そんな好きなものが詰まった日記、読んでみるかい。



2006・豪     ★★★☆☆(3.3)


監督:ニール・アームフィールド

出演:ヒース・レジャー  アビー・コーニッシュ  ジェフリー・ラッシュ  トニー・マーティン



<天国>

詩人志望の青年ダン(レジャー)と画家の卵のキャンディ(コーニッシュ)。

2人が恋に落ちるのにそう時間は要らなかった。  キチンと教育されて育ったキャンディは輝く美しさを持っていた。

ダンにとっては、彼女は眩しい存在。  キャンディにとって彼は自由そのモノな存在であった。



ダンはヘロインの常習者で、やがてキャンディも自ら足を踏み入れる。  そして、虜になるのも時間の問題だろう。

まるで<エデンの園>に2人きりで居る様な生活が続いた。

気が向けは詩を作り、絵を描く。  貪る様にお互い求め、ドラッグにまみれて行く…。

しかし、そんな生活もヘロインを買うお金が無くなれば、破綻をきたす。


2人の身の回りにある家財道具を売り払い、金に変えドラッグを買う…。

父親の様に2人を見守るのは、大学の薬学の教授のキャスパー(ラッシュ)、自らもジャンキーである彼は

自分で、ドラッグを作り出す事も容易に出来たし、時には金の援助もした。


でも、これだけは言っておくよ、詩を読む様にキャスパーは言う。

「何時でもやめれる時には、やめたくない。  やめようと思う時には、既にやめられない…」



しかし、何の仕事もしていないダンにとっては、金は沸いて出るものでもなく、遂にはキャンディの祖母の形見の

指輪にまで手を出してしまう。

けれど、その指輪も思ったほどの金にはならず、一旦車に戻って来たキャンディだったが、意を決した様に

もう一度店に入って行く。  スグに店主がオープンの看板をクルリと返して、ドアを閉じた。


キャンディは、ドラッグを買う金の為に身体を売ったのだった…。

しかし、その事についてダンは、何一つ言えない…。


キャンディの両親は、優しい父親と潔癖症の母親。  

食事に招かれたダンは、父親に気に入られたかを試すかの様に金の無心をする。

娘の為を思う父親は、僅かばかりを用立てるが、ダンの事を気に入っての事ではない。



明日の事など心配しない2人は、発作的に結婚を決意する。  

しかし、披露パーティの席でもドラッグの力を借りなければ、普通の状態ではいられなくなっているダン。

キャンディの両親の心配は、益々募るばかりである。  しかも、結婚をしたのにダンは無職のまま…。



<地上>

2人の新婚生活は、キャンディが路上に立って身体売って生活費を稼いでいた。

仕事の為に、自分が絵を描く時間が無いと愚痴をこぼし出し、そのイライラは募るばかりであった。

ダンも、全く何も考えていない訳では無かった。  

キャンディの様に稼ごうとゲイの集まる公園に思い切って行ってみた事もある。

しかし、自分にはやっぱり無理だと思う…。  その時、車の中に置かれている財布に目が留まる。

現金の殆ど入ってなかった財布だったが、キャッシュカード詐欺を働いて7000ドルと言う大金を手に入れた。

思わず、天下を取った気分になるダン。  はしゃいでキャンディの元に帰るとキャンディが言った。

「妊娠したわ。 降ろしても良いのよ」  でも、ダンは迷わず「産まなきゃ行けないよ…」


子供を無事に産む為には、ドラッグを断たねばならない。  誰にも邪魔をされずにドラッグを断とうと決心する2人。

計画をし、実行に移した。  それは、かなり辛い事だったが何とか3日目を迎えた…。

もう、既に我慢の限界を感じたキャンディは、友人に電話をかけまくる。  電話線を抜くダン。

泣き喚くキャンディは、どうした事か出血し始めた…。  慌てて病院に運ぶダン。  駆けつけるキャンディの両親。


進行性の流産で、手の施しようが無かった。  出産の様に子供を産む事になったキャンディ。

とても正気とは思えない状態に陥る。  ダンはずっと傍について、なだめたり勇気付けたりする。

当然、死産だが小さな小さな男の子が産み落とされる。  その子と3人で小さなベッドで眠りコケた。



もうこれ以上、悪くなる事は考えられなかった…。  若い2人にとって…。


田舎のボロボロの一軒屋に2人で引っ越すことにした。  再出発でもあったのだが…。

2人に待っていた最終章は<地獄>であった…。



彼らに待っている未来とは、どんなものなのだろうか?




《***》

待ちに待ったヒース様の最新作。  インディーズっぽいヒースの故郷のオーストラリア作品に出演されていた。

監督はこの作品が初監督らしい…。


どう色々計画を立てても、この作品は水曜日には見に行けそうも無いので、前売りを購入して今日行った。

前売りを購入する時に(大阪では此処しか上映館が無いのに)「上映開始1週間のみ、1日4回上映でそれ以降は

夜1回の上映になりますがヨロシイですか?」と。

その1週間目の最終日の2回目の上映に行ったのだが、ガラガラでした。あせる

水曜日はきっと混み混みだったんだろうと想像しておきますが…。



何となく、最近はグッと落ち着きを見せだし、額の両脇も相当来てます状態のヒースですが、驚く無かれ28歳。

30半ばと思い込んでいたけれど…。  へぇ~~。


でも、この作品のダンはきっと二十歳そこそこの設定だろうと思う。

もう、世の中舐めきっている、超ダメダメ男のダン。  

キャンディに身体を売られせて、それをすぐ傍で待ってるんだよ、で出来立ての金でドラッグを買う。

これを結構な年齢のおっさんにやられた時にゃァ~~、目も当てられないけれど、若い2人なら許そう。


色々な試練が2人に待っているけれど、流石に若いだけあって決して死をチョイスすると言う選択は彼らには

無いのである。  それが、この映画のせめてもの救いの部分なんだよね。



娘を持っているママしゃん達が見たらDo~思うのでしょうか?

余りにも厳しすぎたママへの当て付けの様に、ダンに靡いて行くキャンディ。

物凄くダメダメ男なんだけれど、キャンディの気持ちも自然に開放してくれるモノを持っているんだと思う。

だから、「私が頑張らないと」なんて、思っちゃうんだろうね。


勿論、大好きなヒース様の作品だから、この様に分かった風な事を書いていますが、これがもし嫌いな役者

だったら、クソミソに言ってたかもしれないわ!(相当にゲンキンな私ですが…)


だってね、地獄を見たダンは、良い男になって行くんだよね。  その辺が、凄く良いのよ。



きっと、普通の方が見られた場合、「単なるジャンキーな、お馬鹿カップルのグダグダなお話」と言うと思うけれど。

私は「青春って、甘美なモノと鋭利な刃物の様なモノとが紙一重になっているものなのね」って言う感じかな。

「ブロークバック・マウンテン」よりかは、遥かに好きな作品でしたが…。

え?ファンの贔屓目って?  そ~~だよ!  当然ジャンか!ドキドキ



ニット帽をかぶって、帰宅する時のダンがタマリマセヴンラブラブ ヲイヲイ!