2000・韓国 ★★★☆☆
監督:キム・ギドク
出演:チュ・ジンモ キム・ジナ イ・ジェラク
私は、公園で似顔絵を描く画家。 実は、絵を書きながら近くの公衆電話を盗聴する男。
他人の会話を聞くのが唯一の趣味であり、私と世界が繋がっている僅かな現実。
客達は「描いてくれ」と言う割には「似ていない!」となかなかちゃんと金を支払ってくれない。
その上、チンピラ達が嫌がらせに来ては「所場代」を容赦なくせしめる。
私の絵が「良く描けている」とずっとカメラを回しながら話す少女は「お金が無いの」と言い、その代わりの物を…と
誘うので、フラフラとついて行ったのです。
付いて行った先は、演劇場の舞台の上。 一人の男が私を訳も無く挑発し始めます。
元々、不満が満載していた私。 その男によって私の中の、秘密の扉が開かれた音がしました…。
「描いてくれ」と言った三白眼の女は、「ちっとも似ていない」と少ない金を投げて寄こし、私の見ている前で書いた
絵を破りゴミ箱に捨てました。
恐ろしく、尖った鉛筆を握り締め、何事も無い様な顔をして私は立ち上がっていました。
そして、公衆便所に入った三白眼の女の後を追い、その鉛筆を躊躇する事無く突き立てていました。
私の一旦開いた扉は、もう閉じる事は出来ません。
次から次から、怒りが燃え盛る様に飛び出してきます。
花屋に勤める彼女は、私と言う恋人がいながら他の男と浮気をしています。
公園の所場代を取り立てる、チンピラ達も気に入りません。
私の親友だった男は、私の大好きだった彼女をレイプして、自分の物にして結婚しておきながら、最近離婚した事を
聞きました。 そのまま幸せになってくれているのなら、まだ我慢も出来るのに…。
その彼女は、不幸な筈なのに幸せそうな顔をして儲からない漫画喫茶をしています。
そして、私の事を追い回す様にカメラを向ける、この少女も許せません。
軍隊生活の時に、私の事をからかい痛めつけ、私の首に傷を付けた上官は、今は肉屋を営んでいます。
私を傷つけた全ての人間を憎みます。 彼らは制裁を受けるべきなのです。 私の手によって…。
《***》
キム・ギドク監督作品、13本中の12本を見終わった。
後の1本は「ワイルド・アニマル」なのだが、又機会があれば観る事にしようと思っている。
「リアル・フィクション」
この作品については、何故見たかったのか? 言うまでも無い、ギドク作品には珍しく男前が主人公だから!ヲイ!
この作品の凄い所は、35ミリカメラ8台とデジカメ10台。 撮影時間は3時間20分。
完全なる実験映画としか、呼びようが無い作品。
微かにだが「水」が…。 「SEX」も少々。 「暴力」が殆どを占めている。
他の作品に見られる様な、映像美はこの作品には全く見られない。
そして、この纏め方が「ちょっとねぇ~」であった。
この作品を撮った時には既に世界で認められている時期なのだが敢えて、こういう作品も撮ってみたかった
のであろうか?
もしかしたら、全てを一切壊してしまいたかったのか? う~~ん、その真意の程は測りかねるが…。
物凄いマニアックな、ギドクファン以外はこの作品はすっ飛ばしてもOKだと思われる。
何が何でも、取り敢えず全部見ちゃうもんねという人のみ。
まぁ、私はギドクマニアな人なので、1500円も出してこの作品を見ても、文句は言わずに我慢するけれどもね。
この作品に1500円は、やっぱかなり勿体無いよ!!
この作品も日本初上映作品。
ROSEさん、もし迷い中なら、これは外した方が懸命かもよ!!
この男前な、「私」を演じたチュ・ジンモは「うつせみ」の刑事役にも出演していたそうです。
全く記憶に御座いません!
こうなりゃ、最新作の「息(原題)」が待ち遠しいですぜ! 付いて行きます何処までも! ギドク監督。
《+++》
焦るぞ! 全然記事が書けずに、既に1時を過ぎてしまった…。
メンテナンスが始まっちゃうじゃん! 今度こそ、環境を良くして欲しいと願います。
こんな私の声は、アメブロに届くのだろうか?
明日は(明日はって、もう今日じゃ無いか!)「アドレナリン」と「ピアノの森(試写会)」に行く予定です。
おぉ、何とか書けたぞ! では、又ね!