あるいは裏切りという名の犬   し・渋いぜ!!!そして、男だぜ! | 新・伝説のhiropoo映画日記

新・伝説のhiropoo映画日記

映画が好きだ。ドラマも好きだ。
そして、イケてる面はもっと好きだ。

そんな好きなものが詰まった日記、読んでみるかい。


    

2004・仏     ★★★★☆(4.7)



監督:オリヴィエ・マルシャル

出演:ダニエル・オートゥイユ  ジェラール・ドバルデュー  ダニエル・デュヴァル  フランシス・ルノー



シテ島オルフェーブル河岸36番地のパリ警視庁。

「BRI」(探索出動班)の面々は、退官直前のエディ(デュヴァル)の送別会で飲めや歌えの大騒ぎを夜中の

2時過ぎまで楽しんでいた。

特にエディの長年の相棒のレオ警視(オートゥイユ)は、言葉には表せないぐらいの寂しさを感じていた。

レオは、部下達の信頼も厚く正義感に溢れる男。  エディにもそれは言える。

送別会に出た顔ぶれを見れば、一目瞭然と言えるだろう。  

特に2人の事を慕う、部下のティティ(ルノー)はエディにポエムまで送ってしまう。


が、そんなお楽しみは何処へやら、この間から多発している現金輸送車強奪事件が翌朝早々に起きてしまう。

至急、現場に向かうレオとエディ。   そんな犯行現場に「BRI」にとってもレオにとっても天敵が現れる。

「BRB」(強盗鎮圧班)の面々である。  同じ現場で出会ったとしても仲間意識など毛頭無い関係である。

特にレオと階級・年功・成績・実力も伯伸するクラン(ドバルデュー)警視は、権力志向の強いく、出世だけを

夢見ている様な男である。

実は、レオとクランは元々は親友関係にあったのだが、同じ女性を好きになり彼女がレオを選んだ事により

現在の関係となってしまっていた。


(部下の信頼も厚い・レオ)             (権力志向の野心家・クラン)



パリ警視庁・長官から全員召集が係り、仲の悪い部署を度外視して総動員で兎に角現金輸送強奪犯を

早急に逮捕する様に命令が出される。
長官は、国家警察総局長に任命される事になり、自分の後の座にレオを任命しようと考えていた。

その為にも、強奪犯逮捕の指揮官にレオを任命し、逮捕の手柄と共に長官にと…期待を寄せていた。
だが、どうしても事件の指揮を執りたいクランは、長官に計画に参加させてくれと直訴する。


レオの今後を占う事件でもある為に長官は、レオの指揮の下で動く事を条件に許可を出す。

実はクランもまたこの事件を1年半の間追い続けていた。

そんな大事な捜査をライバルの手柄として横取りされるのが面白くないクランであった。


レオに嘗ての情報屋であったシリアンから連絡が入る。  2週間後の出所を前に特別外泊をしたシリアン。

「デカイ情報をやる代わりに俺と一緒にいてくれ…」どうやら、シリアンの情報は強奪犯の情報らしい。

どうしても、情報が欲しいレオはシリアンを指定の場所で車に乗せ走らせていた。

停車を命じたシリアンは、停車中の車に向かって発砲する。  

車中の相手はシリアンを刑務所送りにしたゼルビブだった。  何とレオはアリバイ工作に使われてしまったのだ。

その事を激怒するレオだったが、シリアンから有力な強奪犯の情報を得る。


シリアンからの情報で綿密な計画を練るレオだったが、長年の相棒エディにはレオの心此処に有らずの気持ちが

見抜かれてしまう。  「不味い事態だが話せない…」「俺にもか?」「お前にもだ…」

犯罪を犯して、得た強奪犯の情報である…。  が、強奪犯達は近々又もや実行する事を突き止める。

悩んでいる場合では無い、強奪犯逮捕が最優先の筈である。


レオの指揮下、アジトを取り囲み慎重に現行犯逮捕の機会を狙うレオ。  失敗は許されないのだ…。

が、しかし…突然、手に銃を持ったクランが単独でアジトに向かって歩き出す。

制止する仲間の声も全く無視して、犯人に近付くクラン。  レオの計画は丸つぶれである。

遂に犯人に気付かれ銃撃戦となる。  そして事もあろうか…、定年間近のエディが銃弾を頭に受けて即死する。

犯人達は、クランの部下の女性警部を人質にとって逃げ去ってしまう…。


レオは、クランの勝手な行動により強奪犯逮捕も大事な親友でもあった相棒のエディすら失ってしまう…。

そんな、大事な相棒の事を「エディの運命だったのさ」と言い切るクラン…。

2人の間には、もう決して越えられない垣根が出来上がってしまうのだった…。


しかし、運命は思わぬ者に味方する事になるのたが…。






《***》

最初に言っておきましょう、既にこの作品に惚れてしまったデニーロやクルーニーがハリウッドリメイク権を

獲得し、着々とリメイクに向けて進んでいるようです。


「ディパーデッド」の時にも感じたのだが、「何かが物凄く足りない…」そう思った。

きっと、この作品もハリウッドリメイクされると、感じるのでは無いだろうか?

昨夜からずっと考えていて、今朝洗濯物を干しながら気付いた。

「インファナル」にあって、「ディパーデッド」に無かったもの…。  それは、べたつく様な湿度感だったのでは?

アジア特有の不快指数も盛り込まれた作品だったのだ。

しかし、ディパーデッドはサラサラな感じ。  あの何とも言えないネッチョリ感がオリジナルの味だったのだろう。



この作品は、フランス映画。  が、紳士な作品ではまるでない。

警察が舞台であるが、一見するとマフィア映画じゃ無いか?とさえ感じるような男のエゴが丸出しの作品。

しかも、憎まれ役のクランが半端じゃ無い。  物凄く綿密に丁寧に考え込まれた脚本。

それをイタリア映画の様にゴツゴツな感じで進んで行く。  本当に渋い!  燻し銀の演技とはこの事か!


じゃ、何故に満点では無いかって?  「こうなりゃ良いのに…」そう思ったとおりになっちゃったんで!

実はそう思いながらも、「オイオイ…」って思わせて欲しいと言う気持ちも何処かにあった。

人生なんて、所詮そんなモンなのよんちゅー感じ。  


監督が、実は警官経験者でその時の事件や実在の人物に基き、この作品を作り上げた。

しかも、この作品に感銘を受けた超名優達がこぞって出演するという豪華な作品となった。

が、先程も言ったとおり派手さは全く無いのだが、もう目が離せない…。  しかも、ホンマにえ~味出してます!



女性陣とて負けてはいませんが、この作品ではやっぱりお飾り程度でしょう。

男の映画でしたわ!  ビバ!フレンチと言っておきましょうか…。




ミニシアター系の作品なので、余り沢山の上映館は無いと思われますが、たまには良いのでは…?

実は、この後「墨攻」を見たのだが…。  それの終り方が、こうなったら面白いのになァ~の終り方で…。

いやぁ~~、今日はメチャメチャ満足した1日でした!!




《+++》

ちょっとその「墨攻」を見ていて、思わず劇場で「うっそ~~!!」とデカイ声で言いそうになった。

何と、私の大好きだった香港俳優の「ニッキー・ウー」が出演していたのだ。

しかも、かなり重要な役で…。  でも、まさかなァ~~等と思いながら公式サイトを検索してみてビツクリ!!

「ウー・チーロン」と呼び名も変えて、再出発していた。


金城武等と多くの作品に出演していたのだが、兵役の為に映画界を離れてからどうにも会えなかったお方。

もう、公式サイトを見てから興奮しまくりで、どうにかなりそうでした。

彼についても、「墨攻」についても明日詳しくね!


又、コメントのお返事がおざなりになっておりますが…。

明日以降でという事で、よろしゅ~~に!   「ハケンの品格」見なくっちゃ!ではねん!