一橋大学名誉教授、野口悠紀雄氏の心に響く言葉より…
シニアにとって勉強の妨げになりうるのは、
好奇心こそ、さまざまな知的作業の源泉です。
2021年のノーベル物理学賞受賞者の真鍋淑郎博士も、
まったく賛成です。
私がとくに強調したいのは、好奇心があるから仕事をし、
一日中テレビを見ていては、好奇心は湧かないでしょう。
そして、書いたものを読んで貰って評価されることほど、
私は、この中毒症状になっているのではないかと、
何を取り上げられてもよいから、
好奇心は勉強の最大の原動力です。
知識が増えると、好奇心が高まり、さらに勉強したくなります。
「知りたい」という欲求は、人間の本能です。
なぜなら、人間は力ではなく、
ところで、
生まれたときの人間は、他の動物とは異なり、
肉体的能力も低く、知的能力も非常に低いのです。
そのまま一人で森の中に放置されれば、他の動物の餌食になるか、
肉体的能力は時間と共に向上しますが、
人間だけが勉強によって進歩します。
このことから、
人間は人生の多くを勉強に費やしています。 大学まで進学する場合を考えると、
人間は生涯の4分の1を学習に使っているのです。
大学院まで進むと、学習期間は3分の1にも延びます。
このような長い期間を学習に費やす生物は 人間の他にはいません。
《好奇心こそ、さまざまな知的作業の源泉》
『８３歳、いま何より勉強が楽しい』サンマーク出版
野口氏は、「シニアの勉強」についてこう語る。
『日本人は昔から「シニアの勉強」という点で、
例えば、江戸時代に「算額」というものがありました。
これは、数学の難問を競い合って解き、
全国各地の神社に算額が残っています。
これに精を出したのは、武士というよりは、商人でした。
「商売を繁盛させて引退し、あとは息子（あるいは養子）
また、トルストイも晩年になって勉強を続けたと言われます。
彼は、70代でイタリア語を勉強したそうです。
ゲーテは、死ぬ直前まで劇詩「ファウスト」を書き続けました。
松尾芭蕉は、水道技師として働いていたのですが、それを終えて、
なぜ、「学ぶこと」が楽しいのか。
それは、学んだことをアウトプットするからだ。
現代は、ＳＮＳを通じて誰もがアウトプットできる時代。
アウトプットすれば、反応がある。
反応とは、良きにつけ悪しきにつけ、評価されているということ。
人は、評価されればされるほど、
すると、ますます学ぶことが楽しくなる。
そして、「学び」を楽しんでいる人には限りない「好奇心」
「好奇心こそ、学びの源泉」という言葉を胸に刻みたい。
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