佛心宗大叢山福厳寺住職、大愚元勝(たいぐげんしょう)
【ブッダの言葉】
師は答えた、「子のある者は子について憂い、また牛のある者は牛について憂う。
《執着から苦しみが生まれる》
なぜ、この言葉に牛が登場するかというと、
つまり、
自分の子どもが大きくなって、
一方、「
たとえば、「
また、
こうした悩みの原因は、子どもも財産も「自分の所有物」
さらに、
しかし、
なぜなら、 「諸行無常」という言葉があるように、
形あるものはすべて壊れ、
また、子どもにしても配偶者にしても、
誰しもみな自分の意思があるので、
ブッダは、「自分の思い通りにならないもの」
そうならないためには、自分自身を頼りにし、
『和尚が伝える 心が軽くなるブッダの言葉 (パワームック)』大洋図書
ブッダは、『「苦」の本質は「執着」である』と説いた。
「若さ」に執着するから、「老い」を苦と思う。
「健康」に執着するから、「病気」を苦と思う。
「生命」に執着するから、「死」を苦と思う。
執着とは、「こだわり」や「とらわれ」。
その執着をなくすには、すべてを受け入れること。
現実を受け入れ、すべてを肯定すること。
「若さ」もいいが、「老い」もまたよし、だ。
それを、松下幸之助翁は「好況よし、不況またよし」と言った。
「ああ、そうなりましたか」「そういうことだったんですね」と淡々と受け入れる。
起こることのすべては、「必要、必然、最善」、だからだ。
ブッダが亡くなろうとしているとき、弟子のアーナンダは「ブッダ亡きあと、私たちは何をよりどころとしていけばいいのでしょうか」と尋ねた。
するとブッダは「自灯明(じとうみょう) 法灯明」といった。
自灯明とは、自らをよりどころとしなさい。
自分を信じて、まどわされずに、しっかりと生きていきなさい、と。
法灯明とは、法をよりどころとしなさい。
いつまでも変わらない真理や仏法をよりどころとしなさい、と。
「執着から苦しみが生まれる」という言葉を胸に刻みたい。
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