明治大学教授、齋藤孝氏の心に響く言葉より… 

 

 

 

ピカソも絵を描くのが早かったと言われています。

 

すべては練習作品というかプロセスだというのがピカソの考え方で、「完成にこだわらない」のがピカソの絵の特徴です。

 

ですからどんどん描き飛ばしていきます。

 

描く量が半端ではありません。 

 

 

その感覚も素晴らしくて、フォーヴィズム(20世紀初頭の絵画運動、目に映る色彩ではなく、心が感じる色彩を表現した)、に出会うと、すぐ取り入れてしまう。 

 

キュビズム(モチーフを幾何学的に変化させ、抽象的へと変化させた手法)の萌芽があると、ブラックと組んで、作品をどんどんつくっていきます。

 

ピカソの作品なのか、ブラックの作品なのか、わからない時期があるほどです。

 

 

その時期をくぐり抜けて、すぐまた新しいものを取り入れていきます。 

 

「ブラックの作品といえば、あれだ」と言えますが、ピカソの作品は「どの時期?」と限定しなければなりません。

 

青の時代なのか、キュビズムなのかによって、まったく画風が異なります。 

 

 

ピカソの吸収力はすさまじいものがあったらしく、注目される画家があらわれると、その人の絵の前で何時間も立ちつくしてすべてを吸収しつくしてしまうのだそうです。

 

その画家の本質をつかまえて、未来まで先取りして、当人よりうまく技法を取り入れてアレンジしてしまいます。

 

 

ピカソは過程を大事にしていて、完成にこだわらないので、インパクトを受けたタイミングを逃さずに描ける点に特徴があります。

 

スペイン戦争が起きた時も、ゲルニカという都市が爆撃された衝撃をそのままキャンバスに描いています。

 

「完成させる」というさもしい考えに立つのではなく、「今この時」を大事にするという考え方に立ったからこそ、あの衝撃的な「ゲルニカ」という作品が生まれたのです。

 

 

それは細部にこだわるというよりは、本質をはずさないということです。

 

「戦争の本質とは何か」をとらえて表現したから、世界中の人たちの印象に残ったのです。

 

『ゲルニカ』はふつうの描きこんだ絵画に比べれば、余白も多いし、漫画っぽく見えます。

 

しかし、あれは戦争の本質である悲惨さを訴えかけてきます。

 

 

《ピカソは完成させることにこだわらなかった》

 

 

運の教科書: 「うまくいく人」はこう考える (単行本)』筑摩書房

運の教科書: 「うまくいく人」はこう考える (単行本)

 

 

 

 

 

 

ピカソは生涯で1万3500点の絵画作品、10万点の版画作品、3万4000点の本の挿絵、300点の彫刻と陶器作品で、計14万7800点もの作品をつくったとされている。

 

8歳頃から絵を描き始め、92歳で亡くなった。

 

8歳から亡くなるまでの88年間を平均すると1年で1760点、1日に5点描いていることになる。

 

一生の平均なので、最盛期には倍近く描いていたはずだ。

 

そして、生きているうちに最も成功して稼いだ画家と言われている。

 

 

「量は質を凌駕(りょうが)する」という言葉がある。

 

量をこなすには、「完成にはこだわらない」という完璧主義を脱することだ。

 

すべては「練習」であり「プロセス」という「軽さ」が必要だ。

 

そうでなければ、多くのチャレンジはできないからだ。

 

失敗を恐れない姿勢が成功をもたらす。

 

 

「本質をはずさない」という姿勢は、松尾芭蕉のいう「不易流行(ふえきりゅうこう)」とも同じだ。

 

時代の流れに応じて臨機応変に変えていく「流行」。

 

しかし、決して変えてはいけない「不易」という本質。

 

 

また、日本の古い寺社仏閣では、建物は完成と同時に崩壊が始まる、という考え方がある。

 

だから、一部をわざと未完成にしておく。

 

 

ピカソは完成させることにこだわらなかった」という言葉を胸に刻みたい。

 

 

 

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