米重克洋(よねしげかつひろ)氏の心に響く言葉より…

 

 

 

従来は、新聞などのマスコミが今よりもはるかに身近でなじみやすい情報源として社会的に認知され、活用もされてきた。

 

「新聞を多読して大量の情報を渉猟し、自分の血肉にしていく」といった情報収集法も「鉄板」のスキルとして広く語られていた。 

 

 

だが、今は専門家や当事者がSNSなどを通じて自ら発信する時代だ。

 

それゆえ、とりわけ特定のテーマを深掘るような情報収集であれば、その速さや網羅性において(時には正確性においても)新聞より優れた選択肢はたくさんある時代になっている。 

 

結果、従来の「新聞やテレビを通じて著名になった人物が権威を獲得して、より強い発信力を手にしていく」といった順序とは異なり、一人で自ら発信し始めた個人がネットで大きな発信力を獲得し、マスコミでも活躍していくようになっている。

 

まさに、情報流通の主役がマスコミからインターネット、SNS、Webへと大きく移り変わる中で起きた逆転現象である。

 

 

一方で、SNSやWebでは特にコロナやそのワクチン、ロシアのウクライナ侵攻といった話題をめぐって、信じられないようなデマや非科学的な言説、陰謀論が横行してきた現実もある。

 

残念ながら、それらを流布するのは一握りの「変わった人たち」などではなく、時として著名人や社会的地位の高い人物であったりもする。 

 

そして、その言説が他人の生命や健康、財産を脅かすリスクをもたらすことすらある。 

 

世はまさに「1億総メディア化」の時代であり、つまりは「消費者の発信する時代」だ。

 

 

今や多くの人が自ら社会に広く情報を発信、拡散する力を持ち得る。

 

そして、社会で流通する情報量自体も爆発的に増えた。

 

結果、多くの人が、それらを適切に見極める準備がないまま、様々なデマや虚偽の情報、陰謀論や不確かな言説に自然に接触する機会を持つようになってしまった。

 

 

その背後には、あえて情報を使って私たちの「脳」に影響を及ぼし、自らの利益につなげようとする発信者が多くいる

 

それは時にインフルエンサーであったり、世論を導いて自らに有利な政治情勢を実現したい政治家や権力者であったり、あるいは「デジタルカルト」の主宰者であったりする。 

 

こうして、一体何が「確かな情報」なのか、あるいは何が自分にとって真に「価値ある情報」なのか、誰にもよく分からない時代になりつつあるのだ。 

 

 

この状況を眼前にしながらも、報道機関は膨大なデマや不確かな情報の拡散・流通に全く対抗できていない。

 

本来は「確かな情報をより速く社会に供給する」役割を担うことを期待され、あるいは自認してきたはずだが、社会の情報流通の変化に合わせて収益構造を変化させることができず、その体力を喪失し始めている。

 

 

シン・情報戦略 誰にも「脳」を支配されない 情報爆発時代のサバイブ術 』KADOKAWA

シン・情報戦略 誰にも「脳」を支配されない 情報爆発時代のサバイブ術

 

 

 

 

 

本書の中には「デジタルカルト」についてこう書いてある。

 

『例えば、もしあなたが新型コロナウィルスのワクチンの安全性に不安を持ったとする。

 

そこでワクチンの安全性に疑問を呈する動画を1,2本閲覧してみる。

 

すると、同じようにワクチンを危険視する動画がいくつもおすすめされてくるようになる。

 

その中には「ワクチンは政府や製薬企業が人口を減少させるために仕組んだものである」とか「ワクチンを打つことで体内にマイクロチップが仕込まれて、管理されてしまう」といった陰謀論、デマが大量に盛り込まれている。

 

はじめは半信半疑でも、こうした動画を繰り返し何本も見てしまうことで、その内容を信じてしまう。

 

更に、その状態でおすすめされた他の陰謀論コンテンツもどんどん吸収してしまう。

 

そうして、自分好みの情報の泡(バブル)に閉じ込められてしまうというのがフィルターバブルである。

 

そんなフィルターバブルに陥った人を熱狂的な支持者として囲い込んで、自らの商売や政治目的達成につなげようとする人もいる。

 

カリスマ的なインフルエンサーとして、コロナやワクチン、戦争や政治など様々なテーマに関連する陰謀論や裏付けのない非科学的な言説を振りまき、熱狂的且(か)つ排他性の強い支持者の集団を抱える。』

 

 

 

カルトとは、特定の対象を熱狂的に崇拝したり、礼賛したりすること。

 

そして、デジタルカルトとは、デジタルの世界で、フィルターバブルに陥った熱狂的な支持者を囲い込む、一種の排他性の強い支持者の集団。

 

 

一度フィルターバブルに陥ってしまうと、抜け出すのは容易ではないという。

 

リスクに無自覚な人は、多くの情報に自分の意志でアクセスしたと思い込んだ挙げ句、「マスコミでは触れられない真実の情報」に接して視野が広がったとさえ感じているからだ。

 

真実は逆であり、その人の脳はものの見事に「支配」されている。

 

更に悪いことに、情報を発信する側も、マスコミと同じようなことを言っていたのでは、人々の注目を集められないので、どんどんリスクをとってエッジの立った発信をせざるを得ないという構造があるという。

 

 

情報爆発時代に…

 

自分の「脳」をハックされないよう、日々、ファクトチェックをする人でありたい。

 

 

 

シン・情報戦略 誰にも「脳」を支配されない 情報爆発時代のサバイブ術

 

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