櫻井秀勲(ひでのり)氏の心に響く言葉より…

 

 

 

根が単純な男ほど、迷惑なものはありません。 

 

ある友人が亡くなったとき、彼の自宅で通夜を行なうことになりました。 

 

私たちは翌日のこともあるので、そろそろ帰ったほうがいいと、片づけはじめたのです。

 

 

ところが、そのうちの一人が「これじゃ、あいつがかわいそうだ。俺は朝まで残る」と、粘りはじめたのです。 

 

彼はどこへ行ってもこの調子で、密かに煙たがられていましたが、自分では情の厚い男と自負していました。 

 

おそらくこのタイプは、どの職場や仲間にも、一人はいるはずです。

 

 

たとえば酒の席でも、そろそろお開きという時間にもかかわらず、まだまだ終わらせないといわんばかりに、引っ張るのです。 

 

ビジネスの世界には、さまざまなパーティーがあります。

 

こんなときも、その会の主催者のところに挨拶に行き、大勢が待っているにもかかわらず、長々としゃべる人がいます。

 

当の本人は、自分は主催者とこんなに親しいのだ、というところを周りに見せているのでしょうが、周りの人たちの視線は、冷ややかです。 

 

 

瀬戸内寂聴さんが書いていましたが、城夏子という小説家・エッセイストがいました。

 

とても明るくおしゃべりで、瀬戸内さんとウマが合い、仲がよかったそうです。 

 

城夏子のほうがずっと年上にもかかわらず、瀬戸内さんからかわいがられていました。 

 

表現がおかしいかもしれませんが、実際そうだったのです。 

 

 

この城夏子が、瀬戸内さんが出家の儀式を明日に控えた日の真夜中にやってきて、 玄関先で「出家してもあなたは死ぬまで作家なのよ、書き続けてね。ハイ、万年筆」 といったかと思うと、瀬戸内さんがどんなにすすめても家にあがろうとせず、身をひるがえすようにして帰っていったそうです。 

 

見事にT・P・O(時間・場所・場合)を心得た挨拶で、だからこそ瀬戸内さんも、長く親しくつき合ったのではないでしょうか。 

 

 

T・P・Oをわきまえない人を、少し前に流行った言葉で「KYな人、空気を読めない人」と呼ぶようですが、冒頭に紹介した私の友人も、パーティー会場で主催者を独占する人も、KYな人です。

 

場の空気には、常に気をつけたいものです。

 

 

 

人を味方につける男、敵にする男: 仕事がうまくいく人の「不思議な魅力」 (知的生きかた文庫)

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自分で自分のことを「情が厚い」という人ほど、情には厚くないものだ。

 

情に厚いかどうかは、人が決めるもの。

 

自分で自分のことを「親切な人」とか「面白い人」、「優しい人間」というようなもので、その物言いは、恥ずかしくて滑稽だ。

 

 

KYな人は、空気が読めない人、デリカシーのない人、気配りのない人、鈍(にぶ)い人、だ。

 

つまり、自分本位で、周りが見えていない人。

 

自尊心が強く、目立ちたがりやでもある。

 

 

場の空気が読める人は、自分のことは後回しにして、人を立て、裏方にまわるくらいの謙虚さがある。

 

気配りができ、その場の空気が読める人でありたい。

 

 

 

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