クリエイティブ・ディレクター、箭内(やない)
僕は実はたくさんの失敗や挫折を経験してきました。
大学は3回も落ちましたし、就職してからも7年以上「
仕事のプレゼンで、自分の意見を押しきれず、
うまく自己主張できないし、やりたいこともわからない。
とことん沈んだときもありました。
…しかし、ある日、気が付いたのです。
「個性、個性というけれど、そこまで個性が大事なのか」
むしろ、
「つい、他人に合わせてしまう性格」
「相手を喜ばせたい性格」が個性なのでは…と。
僕は子供の頃から、人によく思われたくて、
意見が対立しても、
だから優柔不断な態度をとるときもあります。
ある意味いい加減な生き方をしてきたと言えます。
ところがこの生き方が、社会に出てみたら意外と役立ちました。
人目が気になったり、人に合わせるということが、
こんな話をするとネガティブ思考のようですが、
成り行きに従うからといって、
「相手の言うことを全部聞いて、それを何倍にも膨らまして返す」
これが「クリエイティブ合気道」の要です。
合気道という武道は、相手の力が大きければ大きいほど、
ここに、他の武道にはない面白さがあります。
この合気道の「相手の力を利用する」というワザが、
『すぐに実行できるのに誰も教えてくれなかった考える力をつくるノート (KEIO MCC Intelligence Series) 』講談社
箭内氏は「クリエイティブ合気道」についてこう語る。
『仕事をしていて、いちばんうれしいのは「楽しそうですね」
あるときから、たとえ楽しくない仕事でも、「
本当は全然楽しくないときも、相当に楽しいフリをあえてした。
そうしているうちに、本当に楽しいのか、
あるときタワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE.」キャンペーンを手掛けることになった。
この広告の作り方は、ミュージシャンともう一人が登場するが、
だから、広告に出てくる人たちは、
「好き」という「相手の力を引き出す」(=
論語の中にこんな言葉がある。
《子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。
孔子は言った。
たとえ専門の知識があったとしても、
好きな人間も、それを楽しんでいる者にはかなわない。
仕事にしろ、学びにしろ、
「好き」と「楽しい」
人から「頼まれる」人生を送っている人は、一見すると「
自分の意思が入っていないからだ。
しかし、その頼まれごとを引き受け続けると、その中に、「好き」
つまり、どんな環境に置かれても、
すると、知らないうちに、
『「流される」から遠くへ行ける』という言葉を胸に刻みたい。」
すぐに実行できるのに誰も教えてくれなかった考える力をつくるノート (KEIO MCC Intelligence Series)
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