内藤誼人(よしひと)氏の心に響く言葉より…

 

 

 

気が弱いことは、みなさんが考えているほど、 そんなに悪いものではない。 

 

みなさんは、強烈なリーダーシップが必要だと考えているのであろう。 

 

たとえば、上司になったり、班長になったり、プロジェクトのリーダーをまかされるようになると、部下を掌握するためにリーダーシップが必要になる、と考えていらっしゃるのではないか、と思う。

 

 

しかし、そういう「強いリーダーシップ」が、本当に必要なのかどうかは、いったん立ち止まって考えることをおススメしたい。

 

なぜなら、「リーダーシップはかえって有害」ということもあるからである。

 

 

南カリフォルニア大学のウォーレン・ベニスは、「リーダーシップの終焉」と題する論文を発表し、強烈なリーダーシップなど有害でしかないと述べている。

 

ベニスは、その例として、スターリン、ヒトラー、ナポレオン、毛沢東などを挙げているのだが、強いリーダーは、我が強すぎて、おかしな方向に突き進んでしまうこともあるという。 

 

ベニスは、好ましいリーダー像として、部下を尊重し、大切にし、信頼を維持しつつ、 親密な連合関係を築くことができる、という特徴を挙げている。

 

そういうリーダーこそ、これからの時代にはふさわしい、とベニスは指摘している。 

 

 

翻って、気の弱い人について考えてみると、彼らは、独善的に物事を進めるということはないし(できないし)、人の話はきちんと聞く。

 

つまりは、ベニスの指摘する「理想のリーダー」になりうる可能性を秘めているわけである。 

 

気の弱い人は、一部の経営者に見られるような、ワンマンぶりを発揮することなどない。

 

なぜなら、彼らは気が弱いので、人の話はよく聞くからである。

 

彼らは、ワンマンぶりを発揮できないので、かえってリーダーとしては好都合、ということもあるのではないだろうか。 

 

 

米国ペンシルバニア州にあるドレクセル大学のクリスチャン・レーシックはメジャーリーグの1903年から2002年までの約100年分のCEO(75名)の記録を調べた。 

 

すると、強烈なリーダーシップを発揮するCEOの下では、たしかに球場にやってくる入場者数などが増え、利益も出るという一面があったが、彼らのワンマンぶりに愛想をつかしてマネジャークラスがどんどん辞めていき、球団の勝率は下がってしまう、という悪い一面もあったという。 

 

 

「強いリーダーシップが必ずしもよい、というわけではない。

 

むしろ、「リーダーシップがない」という人のほうが、よいリーダーになれることさえあるのだ、ということは覚えておいたほうよいであろう。

 

 

 

ビビらない技法』大和書房

ビビらない技法

 

 

 

 

 

 

 

リーダーシップがすべて悪いと言うわけではない。

 

悪しきリーダーシップは有害だ、と言っているだけだ。

 

 

ドラッカーは「リーダーに求められるのは人格である」と言っている。

 

つまり、「人格なきリーダー」はリーダーシップを発揮できないということだ。

 

 

それは、強権的であったり、私欲にまみれていたり、利他の心がないという、いわゆる「徳」のない人だ。

 

人格が劣っている人、徳がない人が権力を握り、強烈なリーダーシップを国レベルで発揮したとしたら、一時はうまく治まっているように見えても、早晩その国家は必ず崩壊する。

 

 

ティール組織でいうなら一番進化していない組織、すなわち「圧倒的な支配者がトップに立つ組織」(レッド)のことだ。

 

ちなみに、進化した組織は、「メンバーが主体的に行動できる組織」(グリーン)であり、さらに進化した最終段階の組織は「個人が意思決定できるフラットで自律的組織」(ティール/青緑)のこと。

 

 

昨今、強烈なリーダーシップが、そこかしこで問題になっている。

 

 

リーダーであろうがなかろうが…

 

まず、自分の人格を磨き、徳を高める人でありたい。

 

 

 

ビビらない技法

 

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