順天堂大学医学部教授、小林弘幸氏の心に響く言葉より…

 

 

たとえば、こんな経験はないでしょうか。 

 

タクシーの運転手が道を間違え、「すみません、Uターンします」と言ってきた時。 

 

機嫌がよい場合は、「あぁ、いいですよ」と軽く流せるのに、イライラしている時は、 「ったく、急いでるのになぁ」と、つい相手を責めてしまったことが。 

 

 

たとえ機嫌はよかったとしても、約束の時間に遅れそうであせっている時や体調が悪い場合も、ネガティブな言い方になることが多いはずです。 

 

なぜ、このように気分や状況によって言い方にムラが生じるのかというと、実は、「機嫌」「時間的余裕」「体調」などはすべて、自律神経を乱す要因だからです。

 

つまり、さまざまな要因によって自律神経が乱れると、人はいろいろな言い方をしてしまうのです。 

 

「私自身、自律神経の研究を始めるまでは、非常に短気な人間でした。

 

ですから、タクシーの運転手が道を間違えた時は、叱責することが多かったと思います。

 

 

でも、今は違います。なぜなら、私が相手をおとしめる言い方をすると、相手の自律神経が乱れ、結果的に私にとってさらに不利益となることを知っているからです。 

 

もし私が、「何やってんだよ。道くらい覚えておけよ」と、相手を罵ったとします。 

 

すると相手の自律神経はとたんに乱れだし、血圧が上がり、判断力が低下します。

 

相手はひどく動揺した状態で運転をすることになるので、さらに道を間違えたり、最悪、事故を起こしたりしかねません。

 

もちろん、これは私の望むことではありません。 

 

 

ここで大切なのは、目的を見失わないことです。 

 

タクシーに乗る目的とは、自分が行きたいところに行くことです。

 

ですから、すでに道を間違ってしまった以上は、いくら相手を罵っても仕方がないのです。 

 

今となっては、ここから先、相手にきちんと運転をしてもらうことが最大のテーマです。

 

それをクリアするためには、攻撃的な言い方は厳禁です。

 

 

「それでも何か言ってやらないと気が済まない」、そんな方もいるかもしれません。

 

しかし、攻撃的な言い方をすると自分自身の自律神経も乱れてしまいます。 

 

一般的に、怒りによる自律神経の乱れはだいたい3時間から4時間は持続します。

 

こんなことで、自分の大切な一日のパフォーマンスを下げるのは大損です。

 

 

ですから、こ ういう場合はまず、「仕方ない」と気持ちを切り替える。

 

そして、「今日はいい天気だなあ」と考えるなどして、気持ちを別の場所に持っていくことが大切です。

 

すると、自律神経が整いだします。

 

「仕方ない」と諦めることは決してネガティブではなく、気持ちに区切りをつけて前へ進むための、最高のリカバリーショットなのです。

 

 

自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 (幻冬舎文庫)

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小林弘幸氏は「自律神経」についてこう語る。

 

 

『自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。

 

交感神経は、車にたとえるとアクセルのようなものであり、血管を収縮させ、血圧を上げる働きがあります。

 

副交感神経は、ブレーキのようなものであり、血管をゆるませ、血圧を低下させる働きを持っています。

 

自律神経で大切なのは交感神経と副交感神経のバランスですが、ネガティブな言い方をしたり、他人から不快な言い方をされたりすることで、交感神経が優位になってしまいます。

 

交感神経が優位で、副交感神経が下がったままでいると、血管が収縮し、血流が悪くなるため、疲れやすくなったり、判断力が鈍ったりします。

 

その結果、さらにネガティブな言い方をしてしまうということになります。

 

若いころは、副交感神経の働きが高いため、自律神経が乱れても、即座に副交感神経がリカバリーを図り、自律神経のバランスは調整されます。

 

しかし、男性は30歳、女性は40歳を境に、副交感神経の働きがガクンと落ちてしまうのです。』

 

 

その人が入ってくると、一瞬にしてその場を温かで、和やかな雰囲気になる人がいる。

 

反対に、その人が入った途端、ヒヤッとした冷たい空気が流れ、重苦しい雰囲気になる人もいる。

 

ヒヤッとした冷たい空気が流れるということは、その場にいる人たちの自律神経が乱れたということ。

 

もし、それが会議なら、全員のパフォーマンスが下がり、新しい創造的なアイデアも出てこない。

 

これは、仕事場や家庭でも同じこと。

 

 

もし仮に、そこで怒ってしまったら、そのパフォーマンスが下がった状態が3,4時間続くということ。

 

子供なら「今泣いたカラスがもう笑う」と、すぐにリカバリーできるが、大人はそうはいかない。

 

年齢を重ねるほど、ネガティブな感情を引きずってしまう。

 

 

日頃、「言い方」に気をつけ、自律神経を整える生き方をしたい。

 

 

 

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