本田宗一郎氏の心に響く言葉より…
《世の中へ生まれたときは、働き虫で生まれたんじゃない。
やっぱり何か楽しみたいんですね。
ほんとうからいえば、俺は楽しみたいから、その楽しむための時間と金がほしいんだよ。
それだから一生懸命働いたんだ。
レクリエーションをばかにするやつはどうかしている。
ほんとうに働く気のある人はレクリエーションをばかにしない。
それが楽しみなんです。
だから、まじめに働く人は、レクリエーションは、大事な、一番重要な、仕事よりも大事なことだと思う》(本田宗一郎)
本田宗一郎の徹底した遊び方は、一つには相手の気心を知り、気くばりをするためにあるともいえる。
あるとき、本田宗一郎が原宿の本田技研本社の近くにあるフランス料理店に私を誘ってくれたことがある。
陽気に店のドアを開けた本田宗一郎に、店の従業員は決して商売上の笑顔ではなく、心から歓迎するといった態度を示した。
あまつさえ、本田宗一郎に、芸能人かスポーツ選手に対するようにサインすらねだるのである。
そして彼は料理を実に楽しそうに食べる。
かたわらに立つボーイにも冗談をいい、コックにはねぎらいの言葉をかける。
特別の料理を注文したわけではないのに、本田宗一郎と 私たちのテーブルは、広い店内の中で、そこだけが大輪の花が咲いたように華やかな雰囲気だった。
昼食をとるのも本田宗一郎は賑やかな遊びにしてしまうのだ。
「遊びに行くのはモテに行くことだと私は信じている。
縄のれんや、煮干しをかじって立ち飲みする酒屋の店さきに行くのだって、どこかしらモテるために行くのである。
縄のれんのおばちゃんや、酒屋のおっさんが、笑顔を向けて歓迎し、たがいに気の合うことがうれしいのである。
酒を飲んで楽しいのは、私にとって、何のかざりもなく相手と共感できるときである。
そのためによく遊ぶのである。
私の人生は仕事で明け暮れはしたが、遊ぶのもまことによく遊んでいる。 これは、私のささやかな人生哲学たる、相手の身になることの初歩なのだ。
金を出すのはオレだというので相手を無視したところで、そこに何の楽しさがあるだろうか。
遊びというのは、大切なものである。
遊びのへたな人間は人にも好かれないし、商売もできない。
またとない時間を、その場にいる人たちとみんなで、より楽しく、よりほがらかに、 共感の笑いとともにすごさずして何の遊びだろう」
《遊びをせんとや生まれけん!》
『本田宗一郎 「逆境」を生き抜く力 KKロングセラーズ』(梶原一明)
本当に「モテる」人は、男性にも女性にもモテる。
それは、「気配りがある」「明るい」「場を盛り上げる」「いつも笑顔がある」「笑いがある」「話題が豊富」「聞き上手」「威張らない」「下品ではない」「ケチケチしていない」「分けへだてしない」「愛嬌(あいきょう)がある」「遊びを知っている」…。
つまり、人を楽しませるのが好きな人だ。
だから、その人が、人の輪の中に入っていくと、その場に急にスポットライトが点灯したように明るくなる。
遊びを大切にする人は、何かに夢中になることができる人だ。
逆にいうなら、遊びにさえ夢中になれない人が、仕事に夢中になれる訳がない。
また、遊び心がある人は、発想が豊かだ。
子どものようにワクワクすることができるから、独創的なアイデアや、企画がどんどんわいてくる。
それは、日ごろ、モテるために、人を「喜ばせること」、「驚かせること」ばかりを考えているからできること。
働く人間ほど遊びを大切にする、という言葉を胸に刻みたい。
■メルマガの登録と解除はこちらから
■「人の心に灯をともす」のfacebookページです♪
http://www.facebook.com/
■【人の心に灯をともす】のブログはこちら
■Twitterはこちらから