藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…
人生をひらくとは心をひらくことである。
心をひらかずに固く閉ざしている人に、人生はひらかない。
「ひらく」には、開拓する、耕す、という意味もある。
いかに上質な土壌もコンクリートのように固まっていては、よき種を蒔いても実りを得ることはできない。
心をひらき、心を耕す…人生をひらく第一の鍵である。
社会教育家の田中真澄さんが講演でよくされる話がある。
人間の能力は、知識、技術、そして心構えの三辺で表される。
どんなに知識と技術があっても、心構えが悪ければ、能力は出てこない。
すべては底辺の心構えいかんにある。
さらに、よき心構えは積極性×明朗性で表される、という。
なるほど、と思う。
消極性×陰気では何事も成し得ない。
『致知』三十年、これまでにご登場いただいた幾多の先達のことを思うと、田中さんの言葉がよく理解できる。
確かに人生をひらいた人には共通した心構えがあった。
その一は「物事を前向きに捉える」。
物事を後ろ向きに捉えて人生をひらいた人はいない。
その二は「素直」。
宮大工の小川三夫さんは高校卒業後、「法隆寺の鬼」「最後の宮大工」といわれた西岡常一(つねかず)棟梁に弟子入り。
修業時代は棟梁の言葉にすべて 「はい」と従った。
そしていまや社寺建築の第一人者である。
その経験からいう。
「批判の目があっては学べません。素直でなければ本当の技術が入っていかないですね」と。
心にわだかまりがある人は人生を歪(ゆが)める。
多くの先達がいっていることである。
その三は「感謝の念を忘れない」。
人生の成功者に共通した資質がこれである。
成功者は呪いたくなるような境遇をも、この境遇が自分を育ててくれると感謝している。
その四は「愚痴をいわない」。
自分が出したものは自分に返ってくる。
宇宙の法則である。
愚痴ばかりいっている人は、愚痴ばかりの人生になる。
心構えに関する田中真澄さんの卓見がある。
「心構えというのは、どんなに磨いても毎日ゼロになる能力である。毎朝歯を磨くように、心構えも毎朝磨き直さなければならない」
人生をひらく第二の鍵である。
『小さな人生論・4 (小さな人生論シリーズ)』致知出版社
田中真澄氏は心構えについてこう語る。
『日本人は勤勉な民族であるとよく言われますが、本当は、そうではないと思います。
日本人に限らず、人間は、もともと、怠惰な動物なのです。
自己管理をしないでいれば、人間の心ほど頼りないものはありません。
油断をすると、すぐ怠惰な考え方に犯されるからです。
「楽をしたい」「のんびりしたい」「遊びたい」「辛いことはごめんだ」といった気持ち、すなわちやすきに流れる性格を、私たちはみんな持っているのです。
その怠惰な心の姿勢を正すには、絶えざる自己規制、自己教育、自己啓発が欠かせません。
その心の姿勢すなわち心構えは能力なのですが、この能力だけは毎日ゼロから磨き直さなくてはならないのです。
それが面倒だからと放置すると、誰もが怠惰になっていき、結果的には失敗の道を歩むことになるのです。
このことは永遠に変わらぬ不変の真理なのです。
成功を続けている人は、そこのところがよく分かっているからこそ、心構えを磨く基本の行動・考え方を、日々、実行しているのです。
またそのことを信念にしているのです。』(信念の偉大な力/ぱるす出版)
田中真澄氏は、心構えを日々磨くには、読書することだという。
成功者や歴史上の偉人の本、あるいは自己啓発の本を読み、自らを鼓舞し、精神的に鍛え直す。
どんなに磨いても、毎朝ゼロになってしまうのが「心構え」。
放っておいたらすぐ生えてしまう「怠惰」という雑草。
毎日、その「雑草」を取り、そして、心という畑を耕す。
「物事を前向きに捉える」「素直」「感謝の念を忘れない」「愚痴をいわない」という心構えを身に着けるため…
毎日、倦(う)まずたゆまず、いくつになっても、コツコツと努力を続けたい。
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