東京大学大学院社会心理学研究室教授、亀田達也氏の心に響く言葉より…
ステレオタイプとは、特定の集団に対する、過度に単純化、画一化された概念のことです。
「A型だから几帳面」や「沖縄出身だから陽気」などといったものもステレオタイプの一例です。
人間は、自分が所属する内集団から見た場合、それ以外の外集団の人に対して、このような概念を当てはめてしまいがちです。
該当する人はひとりしか知らないのに、まるでそれがその集団全体に共通する特性のように思えてしまうのです。
このようなステレオタイプ化は、無自覚のうちに始 まっていることが多く、特に悪いイメージを持ってしまうと、偏見や差別へとつながっていきかねません。
では、このようなステレオタイプから抜け出すためには、どのようにすればよいのでしょうか?
ひとつ目は、相手の属しているカテゴリーをより多く知ることです。
ひとつの側面からだけ見ていると見えていなかったものが、違った角度からだとよく見えることがあります。
意識して、違うカテゴリーを探してみるとよいでしょう。
もうひとつは、相手をよく知ることです。
実際に接してみると、「実はこうだったんだ!」「思っていたのと違う」ということが出てくるはずです。
こうして、ステ レオタイプに縛られた見方を変えてみると、より良い関係を築くことができると思います。
ステレオタイプ化を完全になくすことはできないといわれています。
しかし、少なくとも、自分たちの中にそのような単純化する傾向があると認識するだけで も、社会は違ってくるでしょう。
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』日本文芸社
ステレオタイプはある種のレッテル貼りであり、先入観や思い込み、固定観念、偏見などだ。
たとえば、アメリカ人は気さくでオープンマインド、ドイツ人は真面目、スペイン人は情熱的、イタリア人は陽気、等々。
反対に、外国からみた日本人は、真面目、勤勉、手先が器用、自己主張が少ない、等々のように思われている。
中でも、日本女性は、従順、ノーを言わない、家庭的、等々のようにステレオタイプ化されている。
我々は、気がつかないうちに、多くのことをステレオタイプ化している。
そして、多くの偏見や思い込みも生んでいる。
たとえば、「男性のほうがリーダーシップがある」「女性はピンク色が好き」「男の子は泣くな」「女の子は行儀よく」等々のジェンダーに関するステレオタイプがある。
実際には、男女に関係なくリーダーシップがある人とない人がいるし、ピンクの好きな男性もいれば、泣き虫の男の子もいる。
あるいは、県民性や地域性の思い込みもある。
都会の人は、「人間関係が希薄」「よそよそしい」「冷たい」等々。
田舎の人は、「純朴」「お人好し」「人なつこい」等々。
しかし、実際には、都会の人でも、温かくて、フレンドリーで、人間関係が上手な人もいるし、逆に田舎の人でも「いじわる」で「偏屈」で嫌な人もいる。
物事は「多角度」から見ないと本質は分からない。
それは様々な立場から見るということ。
立場には「会社」「家庭」「趣味」「友人」「サークル」「地域」「インターネット上」等々がある。
つまり、その人が属している属性だ。
会社で見せる顔と、家庭での父親や母親の顔とは、まったく違うはずだ。
あるいは、学校のPTAや自治会で見せる顔も違う。
すると違う人間性が見えてくる。
誰かをステレオタイプ化していると思ったとき…
一度、偏見や思い込みを捨て、様々な角度から見る必要がある。
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