東京大学大学院教授、暦本純一(れきもと)氏の心に響く言葉より…
本当にイノベーションを起こしたいなら、「
つまり、
役に立つかどうかよくわからないアイデアでも、
それが、妄想に寛容な社会だ。
誰もが正しいと認める課題を設定して、
そういう行動ができる人間も、間違いなく社会に必要だ。
しかし、そうやって与えられた問題の正解を模索するだけでは、
それによって社会全体に悲壮感のようなものが漂っているのが、
自分のやりたいことを思い浮かべて、
かつて、炭鉱には「スカブラ」と呼ばれる人たちがいた。
「スカッとしてブラブラしている人」の略だという説がある。
みんな一生懸命に炭鉱で働いているのだが、
それで同じ給料をもらっているのだから怒られそうなものだが、
スカブラの人たちは「平時」は何もしないけれど、
アリなどの集団でも同様で、
しかし、常に100パーセントのアリが働いている状態だと、
今の社会や企業でも、「スカブラ」的な人たちを抱えることは、
何をやっているのか誰が見てもわかる人たちだけではなく、
そういう妄想型の人材も評価される世の中にならなければ、
グーグルには、かつて「20パーセントルール」
「従業員は、
今はそれが許可制になるなどトーンダウンしているようだが、
従業員の時間を、20パーセントだけ「スカブラ」
それも組織に「スカブラ」を抱えるためのひとつのやり方だろう。
イノベーションにつながる妄想は、
まったく異なる分野で、
これは地下でグラグラと煮立っているマグマみたいなものだ。
マグマがどこから噴き出すかわからないのと同じように、
ノーベル賞をとった研究者や発明家の多くも、
だから、「選択と集中」でその噴き出し口を狙い撃ちするのはきわめて難しい。
多様な妄想を許容して手を広げられるだけ広げておき、マグマが噴出する可能性を高めておくのが、イノベーションを起こすための正しい道だろう。
「スカブラ」的な人間の許容、というより「歓迎」することが、それにつながる。
企業のみならず、社会全体がそうやってイノベーションの種を広く蒔(ま)くようになることを望みたい。
また、「自分のやりたいことが見つからない」という人も、自分自身の中の「スカブラ」を探してみるといい。
課題を与えられないと何も考えられないと思っている人でも、どこかにスカブラが隠れているものだ。
何の意味があるかわからない妄想をまったく抱えていない人間は、たぶんひとりもいない。
自分の妄想を直視しよう。
そして大切にしよう。
『妄想する頭 思考する手 (ノンフィクション単行本)』祥伝社
「スカブラ」とは九州に炭鉱があった頃の話だという。
炭鉱夫は危険と隣り合わせで、緊張の連続で、異常にストレスがたまる。
スカブラは石炭を掘らず、炭鉱夫たちにお茶を出したり、おもしろい話やバカ話でみんなを笑わせて息抜きをさせるのが役目だったそうだ。
しかし、炭鉱の経営が苦しくなると「スカブラ」は真っ先に切られたという。
その結果、士気が落ちて、生産性は落ちてしまったそうだ。
イノベーションを起こすため…
妄想やスカブラ的思考を大事にする人でありたい。
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