クリスティーン・ボラス氏の心に響く言葉より…

 

 

些細なふるまいに気をつけるだけで周囲の反応や評価が変わる、本当にそんなことがあるのだろうか、と思っている人がいるかもしれない。

 

だが本当に変わるのだ。

 

デューク大学バスケットボールチームのヘッドコーチ、マイク・シャシェフスキーはかつて、1992年バルセロナオリンピックで金メダルを獲得した「ドリームチーム」のアシスタントコーチを務めたが、その時にこんな体験をしたという。

 

ドリームチームにはスーパースターが多数、参加していたが、なんといっても最高のプレーヤーは、マイケル・ジョーダンだった。

 

 

マイケル・ジョーダンは、青をシンボルカラーとするノースカロライナ大学チャペルヒル校の出身である。

 

デューク大学のライバルだ。

 

そういう理由もあり、コーチKの異名を持つシャシェフスキーは、ジョーダンが自分に対してどういう態度を取ってくるか興味を持っていた。

 

コーチである自分に果たして敬意をもって接してくるのか、そうでないのか。

 

シャシェフスキーは自分もある程度の名声を勝ち得ているとは思っていたが、スーパースターであり、生ける伝説でもあるマイケル・ジョーダンとは比較にならないこともよく知っていた。

 

 

最初の練習が終了したあと、ジョーダンは、ソフトドリンクを飲んでいたコーチKに歩み寄ってきた。

 

自分がデューク大学の関係者であることについて何か言うつもりなのでは、とシャシェフスキーは思った。

 

ところがジョーダンの言葉は意外なものだったので驚いた。

 

 

「コーチ、30分ほど、単独での動きを練習したいと思っているんですけど、つき合っていただけますか?」

 

そうジョーダンは言ったのだ。

 

2人はそのあと、しばらくともに練習をし、それが終わるとジョーダンは心から感謝しているという態度で礼を言ったという。

 

 

「お願いします」と「ありがとう」。

 

誰かに丁寧に何かを頼み、そして、してもらったことに心からお礼を言う…ごく単純なことだ。

 

しかし、まさにその単純で小さな行動が、コーチKにとても強い印象を与えることになったのである。

 

シャシェフスキー自身はこんなふうに言っている。

 

 

その時の遠征には、色々なことを学ぶ機会がたくさんあったが、中でも最も大事だったのが、そのジョーダンとの間の出来事だ。

 

私は今でもその時のことを思い出すと、感動で体が震える。

 

ああいうことがあると、どんなチームでも力が倍加されるだろう。

 

 

ジョーダンは、自分はスーパースターなのだから、特別扱いされるべきだ、と思っても不思議はなかったし、そうしても誰も責める人はいなかっただろう。

 

だが、実際のジョーダンはそうではなかった。

 

そのチームでは、誰ひとり、特別でいるべきではない、全員が重要なのだということを、彼はよくわかっていた。

 

 

ジョーダンは私を「コーチ」と呼び、命令口調ではなく、何かを「お願いする」という丁寧な話し方をした。

 

そして、私が彼の頼みに応えたらきちんと礼を言った。

 

なんと素晴らしいことだろうか。

 

これはマイケル・ジョーダンが非常に優れた人物であることの証拠だと思う。

 

ジョーダンのような位置にいる人がこういう態度を取ることには大きな意味がある。

 

 

ほんの些細なふるまいがなぜそれほど大事なのか。

 

それを理解するには、人間がどういう人に好感を持つかを考えてみるといいだろう。

 

それについては世界中の研究者が調査をしている。

 

 

これまでに、人間の200種類を超える行動特性が調査の対象となっている。

 

その中でも特に重要だとわかったのが、「温かさ」と「有能さ」の2つだ。

 

この2つが、他人に与える印象を大きく左右する。

 

この2つがほぼすべてと言ってもいい。

 

 

良い印象にしろ、悪い印象にしろ、この2つでその90パーセントが決まってしまうからだ。

 

あなたが誰かに「温かい」「有能」という印象を与えることができれば、その人はあなたを信頼する可能性が高い。

 

あなたを信頼してくれた人とは良好な人間関係を築くことができる

 

その人はあなたが何かをする時に、おそらくそれを支持し、応援してくれる。

 

 

ただひとつ注意しなくてはいけないことがある。

 

「温かさ」と「有能さ」は相反する特性と思われがちだということだ。

 

たとえば、「あの人は確かに優秀だけれども、あの人のために働きたいとは思わない」。

 

あるいは「彼女はとても親切で優しいけれど、さほど頭が良いとは思えない」などと言われがちだということである。

 

 

「この人は実は、有能な上に温かい」と思ってもらうことは可能である。

 

そのためにできることはひとつしかない。

 

「礼儀正しくふるまうこと」である。

 

 

Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』東洋経済新報社

Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

 

 

 

 

 

 

 

相手が温かいかどうかの判断を下すのに要する時間は、わずか33ミリ秒という短さだという。

 

1秒は、1000ミリ秒だから、0.033秒ということになる。

 

文字通り、一瞬の間にわかってしまうということだ。

 

そして、怖いのは、一度そういう判断を下すと、その人を簡単には許さないこと。

 

 

温かいと感じてもらう第一歩は「笑顔」。

 

そして、傾聴の姿勢だ。

 

「うなずき、あいづち、おどろきの表情」という、傾聴の三動作を多用すること。

 

また、いうまでもないが、年下であろうが年上であろうが、丁寧な言葉と「愛語」を使うこと。

 

愛語とは、人の心をほっこりさせるような温かい言葉。

 

 

礼儀正しくふるまうことは人生において、とても大事なこと。

 

 

 

 

Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

 

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