江端浩人(えばたひろと)氏の心に響く言葉より…

 

 

DXへの取り組みは「組織」と「意識」の両面で変えていく必要があります。

 

組織面から変えていくためのポイントは2つあります。

 

1つ目は、DX推進を専門とする部署やチームをつくることです。

 

DX専門のチームをつくり、役割や成果に応じた待遇を整備したり、DXに必要な権限などを提供したりすれば取り組みは進みやすくなるでしょう。

 

部署をつくることにより、経営方針としてDXに積極的に取り組もうとしていることも社内に伝わりやすくなります。

 

 

2つ目は、DX専門の組織に専任のリーダーを配置することです。

 

DXで成果を上げている米国の大手企業や公共機関では、CDOという役職が増えています。

 

Chief Digital Officer(最高デジタル責任者)、またはChief Data Officer(最高データ責任者)のことで、CEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)などのように、経営目線で組織のDXを推進する人のことです。

 

 

国内でも菅義偉(すがよしひで)内閣のもと、21年秋をめどにデジタル庁の発足を目指しています。

 

新型コロナウィルス対策として1人10万円を支給した特別定額給付金の手続きでマイナンバーがうまく機能しなかったこともあり、各省庁を横断的にデジタル化、DXを推進する考えです。

 

 

米国企業のDXはCDOがキーマンとなって推進し、DXの成否を分ける存在となっています。

 

CDOが企業の存亡を決定すると言っても決して大げさではないほど、その役割は重要であるため、DXを成功させて企業を成長に導いたCDOには、CEOへのキャリアパスが確立しています。

 

 

世界のCDOクラスの経営層が集うコミュニティーである「CDO  Club」のWebサイトには、「CDOからCEOになった101人」のリストが掲載されています。

 

CDOの役職が最初に広まったのは、メディア、出版、音楽などの業界からだと言われています。

 

これは、市場秩序を破壊(ディスラプト)される危機が迫っている業界と重なります。

 

 

米国のCDO  Clubによると、DXのリード役となるCDOには4つの役割があるとしています。

 

1つ目は新たな収益を生む商品を見つけ出すこと、2つ目はデジタル化によるコスト削減、3つ目は顧客体験を向上させること、4つ目はオペレーションの効率化です。

 

CDOの役割を果たすためには、ITやデジタル以外にも幅広い能力が求められます。

 

 

DXはITの領域という発想の場合、DXをCIO(Chief Information Officer)に任せがちですが、ITの知見偏重では、「1.新たな収益を生む商品を見つけ出すこと」や「3.顧客体験を向上させること」がどうしても弱くなります。

 

その不足分を補うには、社外でどんなサービスが求められているかを把握するマーケティングの知見が必要です。

 

リーダの素質を持つ人を社内で見つけ、リーダーに任命するのが理想的ですが、そのような人材が社内に見当たらなければ、外部から登用したり、あるいはCDOのシェアリングサービスやコンサルティングなどを利用したりするのも1つの方法です。

 

実際、DXで成功している米国企業では、CDOを外部から登用しているケースがよく見られます。

 

そのような選択肢も含めて、優秀なCDOが率いるDX専門の組織をつくることが、DX時代において経営がやらなければならないことの1つだと思います。

 

 

マーケティング視点のDX』日経BP

マーケティング視点のDX

 

 

 

 

 

 

パルアルトインサイトCEO、石角友愛(いしずみともえ)氏は、著書『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー)の中でこう語る。

 

 

『なぜ、日本ではAIが擬人化、神格化されてしまうのだろうか。その理由のひとつに、エンジニアが自分たちの身近にいないことがあげられるだろう。

 

アメリカのソフトウェアエンジニアの7割はユーザー企業に所属している。

 

企業に所属するエンジニアたちは、自社の課題を解決するためのシステムを開発し、運用を進めている。

 

データサイエンスやAI関連のカンファレンスに参加しても、シリコンバレーではグーグルやネットフリックスといった大手IT企業だけではなく、保険会社や銀行、新聞メディアなど、いろいろな業界のデータサイエンティストが登壇することが特徴だ。

 

一方、日本では、ソフトウエアエンジニアの8割がシステムインテグレーター(情報システムの構築・運用等を請け負う企業)やIT企業に所属している。

 

つまり日本のほとんどのユーザー企業や非IT企業のシステムは、システムインテグレーターに外注している状況なのだ。

 

企業内にAIに明るいエンジニアがいなければ、AIがどのように開発・運用されていくかをイメージすることは難しいだろう。

 

それだけではない。日本の場合、企業のトップも「この道ひと筋」でやってきた人が社長になるケースがほとんどだ。

 

日本には、加工されていない生のデータを見ながら経営戦略を考える「データ会議」がないと聞く(シリコンバレーの企業の多くは、データ会議を採用している)。

 

その結果、日本では、AIに対して漠然とした期待値や不安感を持つ人が多く、AIビジネスに対しても多くの勘違いが生まれているのだと考える。

 

これまで、非IT業界の人たちがソフトウェア開発に関わることはほとんどなかっただろうし、それでも問題なく働くことができてきた。しかし、これからはそうもいかない。なぜならあらゆる産業のベースにAIの考え方が必要になるからだ。

 

非IT業界においても、AIに対する基礎的な知識が必要になってくるし、AIの浸透で私たちの働き方も変わってくる。

 

AIビジネスを学ぶにあたっては、AIを擬人化、神格化するのではなく、課題解決のひとつの手法として考えることが第一歩となる。

 

グーグルのCEO、サンダー・ピチャイは「AIは火より、電気より大事なものだ」と発言している。

 

中国のバイドゥ(百度)の元チーフデータサイエンティストであり、スタンフォード大学の教授でもあるアンドリュー・ングも、「100年前に電気の登場ですべての業界が変わったのと同じように、今後数年間にAIが変革しない業界はないだろう」と言っている。

 

つまり、AIは火や電気、あるいはインターネットにたとえられるくらい「インフラ」として考えられているのだ。

 

「AIビジネス」というと、大企業や先端的なIT企業のものと考えている人もいるかもしれないが、そうではない。中小企業であっても、AIの活用が活路になる。むしろ、中小企業ほど、AIの導入で大きなビジネスインパクトを出すことができるともいえる。

 

AI導入は、実は局地的であればあるほど力を発揮する側面を持っている。だから、中小企業ほどAIを効果的に活用することが重要になるのだ。』

 

 

「アメリカのソフトウェアエンジニアの7割はユーザー企業に所属している」という。

 

いよいよ、日本でも、遅まきながら「デジタル庁」が創設される。

 

官庁にもデジタル化の気運が高まってきたということだ。

 

これからは、中小企業にもその波が一気に押し寄せることだろう。

 

 

「CDO」の役割が今後ますます重要となってくる。

 

DXの大きな波に乗れる人でありたい。

 

 

 

マーケティング視点のDX

 

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