元インテルコーポレーションCEO、アンドリュー・S・グローブ氏の心に響く言葉より…

 

 

「パラノイア(病的なまでの心配症)だけが生き残る」。

 

これは私のモットーとしてよく取り上げられることばだ。

 

ビジネスの世界において、パラノイアでいることには十分な価値があると私は信じている。

 

事業の成功の陰には、必ず崩壊の種が存在する。

 

成功すればするほどその事業のうま味を味わおうとする人びとが群がり、次々に食い荒らし、そして最後には何も残らない。

 

だからこそ、経営者の最も重要な責務は、常に外部からの攻撃に備えることであり、そうした防御の姿勢を自分の部下に繰り返し教え込むことだと思う

 

 

私がパラノイアのように神経質になってしまうことはいろいろとある。

 

製品に問題がないか、発売時期を誤ったのではないか、工場は計画通り稼働しているか、工場の数が多すぎはしないか、適任者を採用しているか、士気が落ちていないか…。

 

そしてもちろん、競合企業の動きも気にかかる。

 

われわれと同じ仕事をよりよく、より安く行う方法を見つけてはいないか、顧客を奪られるのではないか、などである。

 

 

しかし、こうした懸念も、私が戦略転換点と呼んでいるものに比べれば大したことはない。

 

戦略転換点とは、企業の生涯において根本的な変化が起こるタイミングである。

 

その変化は、企業が新たなレベルへとステップアップするチャンスであるかもしれないし、終焉に向けての第一歩ということも多分にありうる。

 

 

戦略転換点は技術的変化によってもたらされることもあるが、通常の技術革新より深刻な事態を招く。

 

また、競合企業によってもたらされる場合もあるが、単なる競争にはとどまらない。

 

戦略転換点は事業のあり方を全面的に変えてしまうので、それまでのように新技術を導入するとか、競合との争いを激化させるといった方策だけでは十分対応できないのだ。

 

変化をもたらす力は音もなく静かに蓄積していくため、何がどう変わったのかは見えにくい。

 

ただ、「何かが変わった」ということだけがわかるのである。

 

 

回りくどい言い方はやめよう。

 

戦略転換点を見過ごすことは、企業にとって命取りになりかねないのだ。

 

この変化の結果衰退しはじめた企業は、まず、かつての栄光を取り戻すことはできないのだ。

 

 

パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのか』日経BP

パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのか

 

 

 

 

 

『パラノイドという言葉は、偏執症とも訳されるが、英語では日常的に頻繁に使う単語で、あれもこれも心配しすぎる人のことを指す。

 

どっしり構えているのが経営者だという時代は終わった。

 

常に危機感を持ち、状況に敏感に反応し、迅速に対応し、ノイズとシグナルをかぎ分け、新しい実験を重ねていくという能動的な経営手法が、世界有数の優良企業へと導くのである。』(訳者:佐々木かおり)

 

 

小澤隆生氏は本書の序文にこう述べている。

 

『インターネットは確かに世の中を変え、私の人生も変えた。

 

私はインターネットが「10Xの変化」であると信じたことによって人生が変わったわけだが、ほかの「10Xの変化」についてはほぼ見逃している。

 

iPhoneが登場したときは誰がこんなものを使うんだと考えていたし、インターネットで洋服は売れないと思っていた。

 

しかし、すべての「10Xの変化」を見抜けないことについてはあまり神経質にはなっていない。

 

「10Xの変化」は人生に一度でも見つかればいいのではないかと考えているし、インターネットの10Xに気づけただけでも私はラッキーだったと思う。

 

人生に一度も見つかっていない人も実際は多くいるのではないだろうか。

 

現在のほうが、インターネットやSNSなどで多くの情報が素早く流通するので、「10Xの変化」の兆しには気づきやすくなっている。

 

その一方で、テクノロジーのキーワードも次々と登場し、転換点とはならずに消え去る「ノイズ」が多くなった。

 

世界の動きが速くなり、「10Xの変化」が以前より短いスパンで現れるようにもなってきた。

 

その点では、以前にもまして情報にアンテナを張り、同僚と議論を重ねて「10Xの変化」を見極める能力を磨く必要がある。』

 

 

10Xとは、「10倍」のことだが、改善や成果などの目標を、現状より10倍のレベルで考えるということ。

 

たとえば、現在が年商1億円なら、年商10億円に目標設定して考えること。

 

10倍となると、現状の延長線上の考え方では絶対に無理なことがわかる。

 

すると、固定観念を取り払って、新しいルールを作ったり、戦うフィールドを変えなければならないことに気づく。

 

つまり、イノベーションを引き起こすということ。

 

 

これは、会社ではなく、個人の成長でも同じだ。

 

 

予測不可能な今こそ…

 

パラノイア思考で生き残りたい。

 

 

 

 

パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのか

 

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