プチ信の部屋 -661- 19/02/24
今回は「皇帝が負けるとしたら」
「滅私奉公」という言葉がある。
自分の利益は考えず、みんなのために尽くすこと。
例えば、あなたがお年寄りに席をゆずる行為。
それは「滅私奉公」か？
なぜ…あなたは席をゆずったのか？
「そりゃ、お年寄りがいたんだもん。当たり前じゃん」という模範解答。
純粋にそれなら「滅私奉公」と言ってもいいかもしれない。
でも…ホント？
「席をゆずらないと嫌な奴に思われちゃうじゃん」って考えたんじゃない？
「めんどくせーなー」って思わなかった？
でも、僕はそう思ったっていいと思う。
その時は席をゆずったんだもん。
純粋な「滅私奉公」じゃなくていい。
なにか行動をする時に瞬間的には相手のためになるが…実は自分のためにしている可能性。
「ハンカチ落としましたよ」って言って「いい人」だと思われる。
相手のために動いて「いい人」だと思われたい、「嫌な奴」だと思われたくない。
だとしても、その時は相手のためになっているのなら、いいじゃん。
だってそうでしょ。
ホントに自分の事は考えず、純粋に相手の事ばかりを考えて行動をして
自分は損ばかりしていたらかわいそう。
例えば、飲み会で居酒屋に入る時…みんなの靴をそろえてくれる人。
その人を冷ややかに「こびを売っている」とかいう人がいる。
僕はもしそれがこびを売っているのだとしても
冷ややかに批判をして、みんなのためになることをしない人よりもずっといいと思っている。
僕が好きなカイジという漫画に「勝つ人は勝つべくして勝っている」というセリフが出てくる。
偶然に思えるような出来事も実は必然だったり、カンがいいなぁ～と思えた事が仕組まれていたり…。
「マジシャンは意味が無いように思える行動にこそ意味がある」という。
右手を前に突き出していながら、無造作に見える左手で作業を行っている…てな具合だ。
相手のためになる事が最終的に自分のためになっている。
それを狙って相手のために動く。
それが「勝つべくして勝っている人」の極意。
でも…。
漫画カイジに「Eカード」というゲームが出てくる。
そこに「皇帝」「市民」「奴隷」のカードがある。
大勢の「市民」は「奴隷」に勝つ、「皇帝」は勝つべくして大勢の「市民」に勝つ。
が…何ももたない「奴隷」が「皇帝」に勝つ。
「勝つべくして勝つ人」は大勢の人に勝つ事ができるだろう。
でも、きっと「勝つべくして勝っている人」が負けるとしたら、ホントの意味で「滅私奉公」ができる人。
自分の事は考えず、相手の事だけを考えて動ける人なんだと思う。FIN.
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