アウトドアネタよりも最近はインドアネタが多くなっております。
中国からの通販で購入したポータブルレシーバー SU-7ですが、オペアンプが交換可能なソケット仕様になっていたので(これは交換せよというメッセージですので)、日本橋のデジット(電子部品屋さん)でオペアンプを買ってきました。
オペアンプとは、簡単に言えば微弱な信号を増幅する素子(IC)のことで、再生機の中で使われる場合は音楽信号を次に接続する「アンプ」などが扱える大きさ(電圧)に増幅する回路の中に組み込まれたりするものです。
一般的なオペアンプの形は、ピン配列も含めみな同じなので「差し替え」がききますが、内部には半導体で構成されたそこそこ複雑な回路が存在し、型式ごとに特性や性能が違います。
※ご注意
お手軽に「差し替え」がきくオペアンプの交換ですが、本来の性能を安定的に発揮するためには、オペアンプの型式ごとに周辺の回路の設計・部品の選定が必要です。
場合によっては、発振などの異常な動作や最悪の場合は過熱や破壊などにつながりますので、それなりの知識と技術が必要です。(私自身にはその知識も技術も両方ありませんが、念のため注意喚起だけはさせていただきます。)
とはいえ、オーディオ用として使用されるオペアンプは音質をかなり左右するキーパーツの一つであることは間違いありません。
まず、SU-7の出荷状態の標準装着品はこちらです。
新日本無線(JRC)の5532DDというオペアンプです。
電子部品屋さんでは100円程度で入手でき、オーディオ用としては標準的なものです。このICがSU-7の音質にどのような影響を与えているのかというのは正直不明です。
他のオペアンプに交換してみて音質が相対的にどう変化するのか、ということから推測するしかありません。
が、そのようなことは自分にとってあまり意味はありません。
むしろ、5532DDを別のオペアンプに交換してみて自分にとって望ましい状態で再生されるか、ということのほうが大事です。
ということで、今回入手したものはこの4種です。
左から
●新日本無線(JRC) 5532DD
●新日本無線(JRC) MUSES8820
●新日本無線(JRC) MUSES8920
●TI社(BBブランド) OPA2134PA
お手軽に入手できる価格のもの(100円~600円程度)を選びました。
標準装着品である5532DDも追加購入したのは、前の記事でも触れましたが、自分の中で標準装着品「5532DD」の「ニセモノ疑惑」があったためです。(のちにフォロワーの方より、純正の可能性が高いというコメントもいただきましたので単なる「疑惑」におわりそうですが・・・。確かに、どうせ偽装するならもっと値の張る高級な型式のものにするかとも思います。)
前置きが長くなりましたが、オペアンプの交換です。
まず、「MUSES8920」を選びました。
引っこ抜いて同じ向きに挿すだけなので写真はありません。
やっぱり撮影してのせます。
精密ドライバーでチップを左右少しずつこじって持ち上げます。一度に持ち上げるとピン(足)が曲がりますので、少しずつです。取り外すとソケットが見えます。
写真ソケットの右側に半月状の切り欠きが見えますが、これがマークです。同じくオペアンプ(MUSES8920)の上面にも小さなくぼみがありますが、これがマーク(1番ピン)です。マークが同じ側になるように装着します。
装着完了です。
外付けのローパスフィルタがなくても(アンプ内蔵の簡易なローパスフィルタだけで)、オーディオ機器らしい音場の広がりを感じるところまできました。
ただ、周波数の高い・低いによってエネルギーのバランスがなじんでいない感があります。(鳴らし始めはどんなオーディオでもこんな感じですけれど・・・。)
ということで、連続で再生して「慣らし」をすすめます。
すでにまる1日以上鳴らしましたが、音質が安定するまで最低でも数日から1週間はかかるのですかね。
現時点の感想としては、「結構いけるかもしれない」という感じですね。
5532DDの場合は、多少の色付けやクセがあったり音場が「ダンゴな感じ」(別の言い方では迫力がある感じ)はするのですが、「これはこれでアリかな。値段からしたら十分健闘してる」という評価です。
MUSES8920の場合は、そういった色付けやクセのようなものは減少し正確で自然な再生音を志向するタイプのいわゆる「オーディオ機器」に性格が変わったような気がします。オーディオ機器としてのグレード感はアップの方向です。
ただ、至近距離で聴くことの多いデスクトップオーディオ用途としてはそれでよいのか・・・?
スタジオモニターならそれでもいいけれども、果たして・・・。
しばらく鳴らしこみながら考えます。まだ音質は安定していませんので、早計な判断は禁物です。
2020.6.7