さて、いよいよ父を病院から連れ出した。
花見に連れて行き
みんな満足で帰って来て
我が家の最初の難関。。。
玄関の階段。。。
傾斜が決して緩くはない
この階段を
なんとかして登らせなければいけない。。
実は。。。
この外泊の前に
一度外泊を経験している母と妹。。
そのときは
父が歩けるだろうという
予想のもと外泊させたのだが
このときすでに弱っていた父は
一歩も登れず。。
妹が1時間以上かけて
重い父を半ば引きずりながら
家の中に入れたそうな。。
妹にとっては
忌まわしい
まさに地獄の階段。。
私は当時妹に
「なんで車椅子を使わなかったのか?」
そう聞いて見た。。
すると・・
妹は「車椅子を使うという」
ことすら気づかなかったそうな。。
ベビーカーの要領で引き上げればいい・・・
こんなことはベビーカーを使ったことがあるから
思うことで
子供のいない妹にはさっぱり意味がわからないのは
仕方ないのかもしれない。。。
一番下の妹に今回の外泊の時
やり方を見せて欲しいと言われていた私。。。
と言うことで今回は
親代表として
妹に育児の成果を見せつけるとき。。
父を車椅子に乗せ後ろ向きに
車輪を利用し
一段一段引き寄せながら登る。。
父が重いことと
階段の傾斜が急なことを考え
車椅子の前には
サポートを一人つけるが
力入れず
ただバランスを取るのみ。。
当然だが
ベビーカーでは感じなかった重みを感じる。。
容易ではない。
ものすごく力がいる。
腕がプルプルする。。
うううう
バランスを崩さないようにしないと。。。
と頑張っている最中に
若干バランスが崩れ
車椅子がガクンとなる。。
すると
「なんしよんか!(何してるんだの意味)」
と偉そうに言う父。。
こっちはギリギリで頑張ってて
てもプルプルしてるのに
文句言いよってからに・・・
そう思った私は
「うるさい!
少しくらい我慢しなさいよ!」と
文句をいい返す私。。
言われっぱなしでたまるか!
半ば喧嘩しながら
やっとの思いで登った。。。
前回は1時間以上。
今回は5分足らず。。
ベットに横たわった父は
疲れてるから寝るかと思いきや
やはり、住み慣れた家に戻って嬉しいからなのか
目がぱっちり。。。笑
ベットから見える庭を眺めたり
静かにテレビを見たりしている父。。
私たちも父に話しかけることはなかったが
父の周りで
子供達も
私たち(母と妹)も
それぞれに何をするともなく
集まって話したり
テレビを見たりしていた。。
一緒に時間を過ごす。。
家に帰って来て
記憶が少し戻ったかのような行動や
発言が多くなる父。。
やはり、慣れ親しんだ家という存在は
父にとって存在が大きいのだろう。。
母が父を家に連れて帰りたいのは
この部分もあるのだ。
家に帰って来たら
もうちょっと
しっかりするんじゃないかという期待。。
父の家への反応が
思いの外強く出たため
この時点で
家を売るのを諦めた。
母も私たち娘も満場一致。
父が生きている間は
この家に住み続けてあげなければいけない。。
もし、家を売ってしまって
新しい家に連れて帰っても
今みたいな反応はしないだろう。
だから、父のこの場所は
このままにしておこう。。
さて・・今回初めて見る
母の介護。。。
もちろん、見てるだけでなく
私も手伝った。。。
いや、手伝う気は無かったが
手伝わないと難しい状態であった。
女3人で抱えなければならない時もあり
介護というのが
いかに力仕事なのかがわかった。
ここ最近、
ぎっくり腰を何回かやっている私は
介護を実際に体験したこのとき
一発で腰にきた。
腰が痛い。。
すぐにそう思い始める。。
こんな力が入って
腰も痛くなるような作業を
毎日やるなんて
今の母にできるんだろうか?
そう、思い始める。。
実は私が母が介護をするのに
一番心配していたのは
介護の部分ではなく
何かあった時
例えば、ベットから父が落ちた時。。。
母助けてあげれるような力を持ってないこと。。
ここが一番ネックだった。。
しかし、そんな緊急事態でなくとも
日頃のこの介助でも
かなり辛いのではないかと
思い始める。。
この調子じゃあ
母の持病の腰が悲鳴をあげるのに
2日もかからないだろう。。
母より腰が悪くない私でも
腰が痛いのに。。
暇な時
私は「介護」「腰痛」
でグーグル検索すると。。
「介護師の職業病は腰痛・・」
と書かれた記事が
あちこちに・・・。
つまりは
いつも介護してる若い人たち(プロ)でも
腰に負担がかかる作業が多いことが
いくつも書いてあった。。
こりゃ。。。まずいな。。
しかし、近代化が進んでる日本。。
レジでカゴごと清算してくれる時代なんだ。
きっと、介護を簡単にできるための
何かがあるはず。。
そう思って調べるために
ネットで検索するも
何もヒットせず。。。涙
もう一つ検索するキーワードが思い浮かぶ。。
それは
「介護」「老人同士」
きっと、世の中には
年老いた夫婦・老人同士で介護してる人が多いはず。
母と同じ境遇の介護者など
いくらでもいるはず。。
きっと解決策はあるはずだ。
そう思って調べるも
何も見つけられず。。
あるのはベットから車椅子への移動とか
そういう機械であり、
私が欲しいのは
そういうものではなく
寝たきりの人を
右に左に上に下にゴロゴロ動かせるそんな
単純な機械。。
力のないお年寄りが
寝たきりの人を
自由に動かせるそんな
サポート役。。。
でも、結局
そんなものは見つけられない・・・。
ウルトラC・・
やっぱりないんだな。。
私はそれがわかった時
わざと母の手伝いをやめた。
母にさせてみよう。
一人でどこまでできるのか。。
食事は100点満点。。
問題なし。
しかし、オムツ変えは
手順が悪い。
赤ちゃんと
老人のオムツ変えは同じとは言えない。
でも、手順は似てるところがある。
赤ちゃんもきちんとお尻が清潔でないと
お尻が爛れて痛くなる。。
だから短い時間で
手際よく
きちんと拭かないと
後で大変なことになるのだ。。
そのことがわかってるし
母よりは記憶に新しい作業なため
母の悪いところや手際の悪さが
ものすごく目立つ。
まあ、慣れれば大丈夫なんだろうけども・・。
でも、いちばんの問題は雑になること。
雑になる理由は
父が重くて
支え切らず
最後には諦めてしまう母。。
母の腰では支えられないので
諦めるのだろうが、
手際が悪い上
途中で諦めるので
汚物がついたティッシュが
父の湿疹の患部についたりして
もう、見てられない。。
これは
慣れとかじゃない。
母に支えきる力がないから
多分一生慣れないし
こんな感じなんだろう。。
危険だ。。
父の外泊の間
途中で母が
手伝って欲しいと応援要請をしたのは
90%以上。
つまり、一人でオムツの交換は無理。
何より、父に協力体制が整ってない。
体力のなさに加え
自分が何をされてるのか気づけないことが多く
耳が遠いので母の呼びかけに気づかない。
妹曰く
父に気づかせるためには
肩をたたくといいというものの
オムツ交換で
汚物がついた手(手袋つけてます)で
肩などたたけるはずもない。。
特にオムツ交換の際
両手が塞がり
助けを求めることなど
よくあること。。
だからその呼びかけが聞こえないのは
かなり致命的。。
母の腰
母の力不足
父の協力体制ができてないこと
父の耳が遠いこと
この4つを克服できる何かがないものか・・
そんなもの
ないだろうけども。。
よほどのウルトラマシーンがない限り
母に父の介護は無理だ。。
本当に無理なんだ。。。
わかってはいたけれど
様々な角度から
我が家での父の介護が
難しいという現状が見えてくる。。
嬉しそうに家にいる父。。
それを見ている母・・・。
連れて帰らせてあげたいけど。。
今の状態で連れて帰ったら
母と父が一緒に共倒れする。。
その確率が
ものすごく高い現実を
直視せずにはいられない。
私や妹が一緒に住んでれば
もちろんまた話は別だが
母一人で父の世話など
たとえ数時間ペルパーさんが来ようとも
母がメインでなければならないのに
力不足すぎる
無理だ。。。
今まで7割くらい「母には介護させられない」
と思っていた部分が
9割以上に膨れ上がる。
母も感じるところがあるのか
自分がうまくやれないことへの
イライラが見え始める。。
潮時だ。
母に気持ちの整理をさせよう。。
この夜、私は母に
「母には介護は無理だ」
という現実を突きつけるのであります。。