おばちゃんジェムハンターが行く 8 | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

いいアレキが9個も
一気に手に入った私は

もうお腹いっぱいだった。。。
つまり満足していたのだ。
だから、
今までどん欲に宝石を探し求めていた姿勢から
一転
すっかり落ち着いてしまった。
きっと私の欲望は満たされたのだろう。

そして次の日・・・
私はアレキを鑑別に出すべく
ラボに出かける。
車を止めると・・・
案の定、皆に囲まれた。
きっと私達が現れるのを待っていたのだろう。

この時期、観光客がいないオフシーズンなため
買ってくれる観光客は私達のみ・・・。
そりゃ・・・囲まれるわ・・・。


もういらない・・・半分以上そんな気分だった。
でも必死で売ろうとするおじさん達。
彼らはこの3日間で
私が何が欲しいのか学習し
私が高く買わない「タフなおばちゃん」として
認識していたよう。
なので、とんでもない金額で吹っかけてくる輩は
いなくなっていた。
みんな、ギリギリのラインで
交渉しようとする。

人間、欲を出さなかったら
本当にいい物に巡り会えるもの。
この日、とてつもないいいサファイアを見つける。
私はそれでも、もう買う気が失せていた。
しかし・・・夫はそうではなかった。
どうも、ここスリランカに来て
私よりも夫の方が
ジェムハントを楽しんでいる様子・・・・。

「これいくら?」と聞く私に
「○○です。」というおじさん達。
「▲くらいじゃないと買わない。」という私に
「ううう、勘弁してよ。
それ、俺の仕入れ値段だし。
ちょっと儲けさせて!」というおじさん達。

そう、この3日のやり取りで
私は何となく相場の値段を掴んでいた。
そして3日目にやっと
その相場の値段が言えるようになっていたのだ。

今考えれば
私は最初の頃随分高く買っていた。
どおりでカモにされるわけだ。
まあ、それでも日本の市場よりは低かったので
まあ、悪くはなかったが・・・。

しかし、問題は・・・
私自身が、もう買う気がなくなっていたのだ。
せっかく、相場が分かってきて
今からだったのに・・・。
戦意喪失。
この時点で宝石が20個近くあったので
もういらないと思っていた。

しかし、夫はそうではなかった。
だから・・・買ってしまった・・・。
今思えばいい買い物。
しかし、この時はそんな風には思えなかった。
「もういらないのに・・・」と思うだけ・・・。

この日は本当にいい物が沢山・・・。
特に、皆私がアレキを探していると言うことを
知っているのか・・・
この日はやけにアレキを持ってくる。
3日経って
やっと出てきたアレキを
私はルーペと2色鏡を使ってみていく。

やはり
アレキの代替品はガーネットのようで
色の変化がいい物はほとんどガーネットだった。
10個中3個くらいの割合でガーネット
残り7個はアレキとは呼べない変色の
クリソベルだった・・・。

やっぱり、アレキは貴重なんだ・・・。
そう思えた。
そしてアレキを差し出す手の中に
何故か、スピネルを出す手が混ざっていた。
「これ何?」と私。
するとおじさんは平気な顔をして
「スピネル」という・・・。
「スピネル??
スピネルはいらないって言ってるでしょう!!」と
顔をしかめて言う私に
皆おじさん達は笑っている。
どうも分かっていて
からかった様子・・・。
もう!まったく!
と思いつつも
何だか気持ちが温かくなる。
私は毎日、このおじさん達と
半ば喧嘩しながら交渉して
騙されたり
高く買わされたりしてきたけど
結構私には
こういうのあってるのかもしれない・・・。

そう思えるようになった。
またここに戻ってきたいと
本気でそう思った。

そう思いながらも
次々に出されるアレキを見ていき
初めてアレキと呼べる物を発見。
それは
大きなアレキ。
大きいと言っても0.7ct
しかし、小粒な物しか採れないアレキにしては
かなり大きいのだ。

変色もまあまあ・・・
しかし、先日買ったアレキと比べると・・
ちょっと落ちる・・・。
私は、「もういらない」と振り切ったが
どうしても売りたいおじさんは
値を随分下げて交渉してきた。
私が無理なら
夫に交渉を・・・と思ったこのおじさんは
夫を必死に説得。
何時間もつけまわされていた・・・

後に・・・
夫はこのチャンスをしっかり掴み
更に値引きさせて交渉成立。
夫、なかなかやるな!
と思う見事な取引だった。

さて、ラボに行く途中に散々囲まれ
また宝石を買った私達は
心配していた。
「このままここにいたら、
本当に破産する・・・」と・・・。

次々にいい物が出てくるので
もういいと思っていても
買ってしまう・・・だから
もう終始が着かないのだ。
やめられなくなる。
それにもう、目的のもは沢山買った。
だから、明日ここラトナピュラを発とう・・
ということで意見が一致した。

ラボにゾロゾロ着いてきた
宝石売りのおじさん達。
チャンスがあれば売ろうと
思っていたのだろう。

ラボにアレキ10個とパパラチア1個
サファイア1個を出す。
すると・・・鑑別に時間がかかると言われる。
仕方ない、外で待つことにしよう。

そう思っていると・・・。
先ほど私達に着いてきたおじさん達が
若い女性を囲んでいる、
しかも、着ている物から日本人っぽい・・・。
まずい・・・。
私が彼らをここに連れてきたばっかりに
彼女が餌食になる!!

そう思ったおばちゃん根性の私は
余計なお世話と思いつつも
「彼らから買う時は
ラボで本物かどうかチェックしてから
買った方がいいですよ!」とう・・・。

今考えたら
本当に超おせっかい・・・。

彼女は、皆に囲まれて
それどころではなさそうだったが
「あ、そうなんですね!」と言っていた。

この後ラボの中に入ってきた彼女。
私達もラボの中に入って
受付の女性と世間話をしていたので
顔を合わせる。
彼女は
私の家族全員がラボにいた
その姿を見て
「あ!!!
もしかしてヒロさん!?」と・・・

ええええ???
何でその名前を知ってるの???

顔が非常にこわばったと思う。
露骨に反応してしまった私は
ぎこちなく頷く。

「ブログやってますよね??」と・・・
顔にそうです。としっかり書いてあるほど
反応した私は、今更違いますとも言えず・・・。
「はい・・・恥ずかしい」と

彼女、どうも以前私のブログを読んでくださったことのある方で
コメントまで頂いたことがある方。
しかも、そのコメントを強烈に覚えていたので
直に彼女のことが分かった私。
しかし、偶然も偶然!
こんな辺鄙なところで
初めて読者の方に出会ったのだ。
確かに、あれだけ大々的に
「スリランカで宝石採るぞ~!」って書いてたし
今はオフシーズンのこのラトナピュラを
怪しい外国人の夫と
おばちゃんなアジア人の私、
息子と娘のコンビネーションは
珍しいので、分かりやすいっちゃー
分かりやすい・・・。

いつも顔隠してブログ書いているので
実際にお会いすると・・・
ちょっとお恥ずかしい・・・
いつも好き勝手書いているけど、
本当の私は恥ずかしがり屋さんなの

最初は恥ずかしかった私も
色々と話していくうちに
彼女と話が色々盛り上がって。。。
本当に楽しかった。
待っていた1時間ほどだったが
本当に楽しくて・・・
特に子供たちは、若くて綺麗なお姉さんに
もう、メロメロ!
彼女に可愛いと言われて
子供たちも嬉しそう!

その話の中で
彼女の宿泊している宿のオーナーが
採掘現場のオーナでもあるということを
教えてもらう。
そして、横で話を聞いていたオーナーは
発掘体験をさせてくれると言うのだ。

この話に家族全員盛り上がる!
特に息子は大はしゃぎ。
本物の宝石を
土の中から見つける!!
こんな楽しいことは
そうそうない!!

本当は今直にでも行きたかった
発掘体験は
時間が遅過ぎ、暗くなってしまうと
危険なために
次の日になった。

次の日はこのラトナピュラを発つ。
その前に採掘体験!
何と、このオーナーは
ホテルのシャワーを貸してくれると言うのだ。
何と親切な!!

だから、出発前に全ての泥を落として
リフレッシュして
次の目的地に行ける!
汚れの心配もしなくていい!
嬉しい~!
ああ、楽しみ~!

こうして・・・
宝石発掘体験の約束を取り付けた私達。
特に息子は興奮状態で
大はしゃぎ!!

この後
ラボの検査結果をもらいに行った。
予定としてはそのまま帰るはずだった・・・

しかし
検査結果を頂いたのだが・・・

あれ?おかしいな??
一つ足りない・・・。

そう思っていると・・・

ラボの奥から一人の男性が出てきた。
彼はこのラボで一番優秀な人。
その人が神妙な顔で
私の所にやってくるのであった。