謎の訪問者(おばちゃんジェムハンターが行く 7) | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

綺麗なアレキが手に入り
ご機嫌で帰ってきた私達に
訪問者がいると言う。
誰だろう・・・。

部屋に一度戻った私達は
誰かな?
と思っていた。
正直に・・・・
私はすぐにでも
今日買ったアレキを広げて
眺めたかった!
しかし・・・
訪問者が誰かは分からないが
そんなに待たせる訳にもいかない。

思い思いにリフレッシュし
訪問者が待つプールサイドのバーに足を運ぶ。
このホテルには私達しかいないので
当然バーは開いてない。
ただ、オープンなバーなので座る所があるのだ。
そこで待っているよう。

夫と私は急いでプールサイドに行く。
すると・・・
一人の眼鏡をかけた
見たことも無いスリランカ人の男性が
そこにはいた。

そして・・・
「こんにちは、
私は宝石商のものです。」という。

「何でこの人は
私達が宝石を探していることを知っているのか?」
と思っている私。。
すると
「ホテルのオーナーの知り合いなんです。」というこの男性。

そういえば・・・
先日、ホテルのオーナーと宝石を探している話をした。
きっと
オーナーが気を利かせて
知り合いの宝石商に声をかけてくれたのだろう。

まあ、この日は大きな買い物もしたので
もう買う気は失せていた私は
見るだけならと
テーブルに着いた。

彼は早速色々な宝石を私達に見せてくれた。
彼は大きなサファイアを持っていた。
コーンフラワー色サファイアの中でも高級な
紫がかった青のサファイアを持っていた。
しかし・・・
値段が馬鹿高い。
交渉できても
私の希望金額には到底届かない。
また、この男性は正直に
この石が加熱処理であることを説明していた。
実は・・・
町で見るこの色のサファイアの殆どが加熱処理。
この色の天然物は非常に珍しいのだ。
非加熱処理のサファイアは
どれも綺麗な澄み切った青か
薄紫のようなサファイアが多く・・・

加熱処理よりも
非加熱処理の方が
色が薄いのが特徴だった気がする。

サファイアには興味を示さなかったが
夫があるものを見つけてしまう。
それは・・・アレキサンドライト。
しかも、大きめで変色もする
そして何より、カットがいいのか、
キラキラがものすごい。
ダイアモンドのキラキラと
引けを取らないほどのキラキラ感。。

夫の目がハートになっていた。(汗)
夫は必死で選んでいる。
買うつもりなのか?
そう疑っていると
勝手に交渉し始める。
まずい・・・。

実は・・・
夫の交渉はヘタクソだ。
夫の優しさとプライドが前面に出てしまい
高くても買ってしまう傾向にある。

交渉している間に
足下を見られて
なかなか値切れないのだ。
夫はしかも頑固。
一度欲しいと思ったら
私が何と言おうと必ず買おうとする。

仕方ない・・・。
私が加勢しよう。
ということで・・・
私は今回ヒール役(悪役)で
演技しながら
値段を落とす作戦。

性格の悪い私にヒール役・・・
私ほど似合う女はいない~!
がははは!

・・・ということで
飾らずに
ある意味「自然体で行こう!」作戦!(笑)

夫が選んだ5つのアレキ・・・
この中では一番変色するもの。
つまりいい物だけを選んだので
売り手の男性は
値段を下げない。

売り手の男性は
20ピース全部をセットで売りたかった様子。
しかし、そんな金は残ってないし
そんなにいらない。
だから、夫の選んだ5ピースで勝負をかける。

相手の男性が落としてきた値段は現実的だった。
しかし、今この値段で買える余裕は無い。
夫は欲しい気持ちを前面に出すが
私は「いらない」の一点張り。
もちろん、私の本心ではない。
夫は私に懇願し
私は「こんな値段だったら買わない。」と
断固譲らない。

夫は多分、気付いていた。
私が演技していることを。
だから、いつもより大げさに懇願していた。

そのやり取りに
やっと交渉の相手が私に変わる。
この男性は私が納得いく金額を提示しようと
必死に値段を下げるも
まだ足りない。

私の欲しい金額を提示し
「この値段なら今直に買っても良い。」
という。
すると。。。
その金額が低過ぎたのか
この男性は誰かに電話し始める。

実はほとんどの売り手は
宝石のオーナーではない。
宝石を保有しているオーナーに
雇われた人たちなのだ。
だから、金額がオーナーの設定より低い時は
このように電話で連絡を取り
許可を得るのだ。

これは、いいサイン。
値段を下げるつもりがあると言うこと。

この男性はもう一度
私にこの金額では無理ですと言う。
もちろん、そんなのはハッタリだ。
「じゃあ、仕方ない、今回は無かったことに」と
席を立とうとする私を
必死で止める夫。(演技)
するとこの男性
「歩み寄りをしましょう」という。

これも、交渉の手口。
少しでも高く買わせたい
最後のあがき・・・。
お互いに提示している金額の
真ん中をとると言う方法なのだ。

実は。。。
交渉する時から
この金額になるように
低めに金額を設定していたので
私の予想通りの金額より
ちょっと高めなだけだった。

ここでごねても良かったが。。。
足に蚊が食いつき始めて
早く帰りたかった私は
この申し出を承諾。

契約成立となった。

今回、先にアレキを購入していたため
失ってもいいと言う心構えだったため
かなりいい買い物ができた。

やはり、欲しいと言う気持ちを持ちすぎると
交渉は有利に進まない。
欲しいと言う気持ちよりも
失っても次があると思えないと
交渉は強気にはできない。

この日、工場の地主相手に
うまく交渉できなかったことと
この宝石商の男性との交渉が
うまく自分のペースでできたことを比較し、
そう自分の中で反省した。

夫は部屋に戻ってくると
夫が気に入った(宝石商から買った)アレキを出して
私が気に入った(工場で買った)アレキと
比べ始める。
「僕が選んだ方が綺麗だな・・」と
ぼそりと言う。
アレキのファン歴が短いくせに
生意気な・・・。
とアレキのファン歴先輩の私はキレ気味。

お互いに
アレキとは。。。と
力説する私達。
こうして
本当にどうでもいいことで
長い夜を過ごした
アホ夫婦・・・。


なんだかんだ言って・・・
かなり楽しんだ
私達なのでありました。


次は披露です!