私は正直に絵画の知識などまったくと言っていいほどない。
綺麗な絵を見ることは好きだが、
世間一般的な知識しかない。
つまり、有名な画家以外はあまり知らないのだ。
そんな私がここに来る前から是非買いたいと思っていた絵がある。
生まれて初めてほしいと思った絵。
それはティンガティンガ。
もともと、タンザニアのポップアート。
鮮明な色と独特の手法で描かれる動物の絵は
強烈な印象を与える。
ここアフリカに来て、なぜ、彼らが動物や自然を
このように表現するのかわかったような気がする。
うまく、表現できないが、この色の表現は
ここケニアにきて一番に感じた色。
全ての草木や動物が
ハッキリとした色で感じられたような気がしたからである。（個人の感想）
もともと、子供が見ていたＢＢＣの「ティンガティンガ」という子供番組で
その絵の存在を知った私。
（下の絵はそのＢＢＣのテレビ番組）
このケニアでも入手ができるという。
息子も娘もなぜかその絵が好きで、この旅のもう一つの目的は
ティンガティンガを子供部屋に飾るために購入することだった。
ある日のＤｉａｎｉでふと画廊があることに気がついた。
ちょっと覗いてみると・・・
そこには信じられないほど美しい絵があった。
うまく写真が取れなかったので伝わりにくいかもしれないが、
このティンガティンガは普通のものとは明らかに違う。
色が鮮明で美しく、そしてかわいらしく感じた！！
絵の構造の複雑さに加えて、ティンガティンガの本来のスタイルはそのまま・・・
そして複雑なのになぜかまとまりのあるこの絵に
心をすっかり奪われた私と夫。
今までこんなことはなく、これが初めてであった。
感動し、心から欲しいと思い、ホレ込んだのは・・・
ほしい！ほしい！！ほし～い！！！
しかし、値段が（私達には）高い。5万円・・・
無理だ。そんな金はない・・・
ちょうどここケニアで無駄に失った金額と同じ・・・
ううううううううううううう～悔しい！！！！！！
※普通のティンガティンガの相場は約２００ドルから300ドル
（1万５千円から2万５千円）
高価だったのはこの絵が大きかったのもあると思う。
この絵がこの画廊にあったのは理由があった。
この絵は有名なティンガティンガの画家
David Mzuguno の息子Mshana Mzugunoの絵であったからだった。
父Ｄａｖｉｄの画風はティンガティンガとしては非常に個性的である。
上の伝統的なティンガティンガは強烈な印象を与えられるのに対し、
彼の絵には自然と動物の一体感がいつも表現されていて、
調和や美しさが感じられる。
しかし、ティンガティンガの強烈な印象部分も残していて、
見る者の心を動かす。とりあえず、私の心は動かされた。
（上は父親のDavid Mzugunoの作品）
（下は息子のMshana Mzugunoの作品）
しかし、父のＤａｖｉｄは数年前に他界し、彼の独特の手法は
息子達に受け継がれた。彼の息子で有名な画家は３人
そのうちＭｓｈａｎａは２番手らしい（ちょっと評価が落ちるらしい）が、
私は彼のほうが好きである。
息子達の中で一番評価が高いＲａｓｈｉｄｉ の画風が「動」に対して
Ｍｓｈａｎａの画風は「静」という印象を受ける。
静かな夜のジャングルで動物達が生活をしている絵に
なぜか美しさを感じた私。
ちなみに１番手はＲａｓｈｉｄｉ 彼も捨てがたい・・・
いい感じである！！
（下の絵はＲａｓｈｉｄｉの作品）
それぞれの画風も少し個性が見られる。
もともと才能のあった二人の絵はメキメキと実力をつけ、ヨーロッパを中心に
今人気急上昇中なのだとか！
素敵な絵だから、わかるような気がする・・・
（日本では一般的なティンガティンガのほうが有名だと思う・・・多分・・・）
とにかく心を奪われた息子Ｍｓｈａｎａの絵は買いたいが買えない・・・
後ろ髪を引かれながら、画廊を後にする私達。
絵が買えなくてこんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。
そして、こんな私に絵を愛でる気持ちが芽生えるなんて・・・
一年たった今でもこの気持ちのままである。（一目ぼれで失恋状態！）
この後もストーカーのように毎日この画廊に足を運び
絵を見てうっとりする私達・・・
物欲全開の私が本当に欲しかった絵ティンガティンガのお話でした・・・ううう
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