奇跡の18時間 2 | 国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

国際結婚 こんなところまで来てしまった・・・

これは、私の過去の記録(日記)です。
イギリス人の夫と国際結婚 
中東で海外生活を経て
やっと日本に戻ってきた。。
海外でも日本でも何故かいつも微妙に波乱万丈をしている
2児の母です。

そうこうしているうちにようやく搭乗ゲートが掲示板に現れた。
搭乗ゲートはここから遥かかなた・・・
冬だというのに汗だくでその搭乗ゲートに到着した。
そしてようやく座れたのだ。
すると座って5分もたたないうちに
大韓航空のスタッフの方が
私達親子を先に手続きし始めた。

小さな子供を連れて、飛行機に乗ると
たいてい、その家族を優先的に対応してくれる。
ファーストクラスの人の搭乗時間よりも早く、飛行機に乗せてくれた。
これには本当に助かった。
飛行機に乗ってしまえば、
息子が泣こうが、わめこうが、こっちのもの!
途中でいなくなる心配はない。

夜のフライトをわざわざ選んだだけあって
息子はすぐに寝てくれた。助かった!
娘も赤ちゃん用のベットを用意してもらっていたので
そこである程度は寝てくれた。
最初の8時間くらいは
ちょっと落ち着いて飛行機に乗れた。

問題は残りの10時間だった。
娘はちょうどハイハイをしていた時期だったので
ハイハイしたくてしょうがない。
息子も飽きてしまっていた。

しょうがないので息子には秘密兵器ナンバー2
手持ちのコンピューターにダウンロードした
子供用の漫画を見せる。
彼の大好きな「ベン10」このシリーズを見せたら
すぐにおとなしくなった。

娘にも秘密兵器をのおもちゃを与えるが、
こちらは失敗・・・
余計に騒がしく、手足をバタバタし始めた。
これを見ていた、大韓航空のスチュワーデスさんたち
代わる代わるやってきては、娘を抱っこしてくれた。
本当に助かった。
正直、安いチケットだったのでこのようなことは全く期待していなかった。
今まで色々な航空会社を使ってきたが
私の中では、今でも大韓航空はトップクラスであった。

機内食がまた美味しかった。
ビビンバがでてきた。
美味しい!
息子はお子様(ピザ・スパゲティー)セットだったが
そちらには手をつけず
私のビビンバが気に入ってしまい、
私のビビンバの半分も食べた。
今でも、あの感動は忘れられない。
多分、今までどっぷりイギリスの料理に漬かっていたので
とても新鮮に感じたのだろう。
それと私はやっぱりアジア人だからだろうが・・・
飯粒にはやっぱり弱い!

こうして、後半はスチュワーデスさんたちに救われ、快適に過ごした。
そして、乗り継ぎで韓国に到着。
インチョン空港はとてもキレイな空港。
待ち時間2時間も苦にならなかった。
子供の遊ぶ場所が搭乗ゲートのすぐ近くにあり、
息子もリフレッシュ。
日本がすぐ近くにあると思うと
胸がときめく。
もうすぐ、私の家族に会える・・・

そして日本の空港についた。
息子はくたくたでもう元気がない。
荷物を山のようにトローリーの上に乗せ
娘を背負い
息子をトランキ(スーツケース)の上に乗せ、引っ張っていこうとすると、
日本の空港の職員の人が駆け寄り、
手伝ってくれる。
「ああ、私は本当に日本に帰ってきたんだ」と実感した瞬間だった。
手伝ってくれた職員の方にお礼を言いながら、
「イギリス人を誇りに思っている義母には悪いが、
道中私達を助けてくれたのは皆アジア人。
イギリス人ではなかったぞー。」と思ったが
このことは義母の名誉のために、私の胸にしまっておこうと思った。

到着口で私を迎えにきてくれていた妹の顔を見て
今まで緊張していたものが
いっきになくなって、力が抜けた。
「おかえり姉ちゃん!」と妹
「ただいま」とヘロヘロになりながら私は言う。
「しかし、こんな大荷物でよく一人で帰ってきたね・・・」と感心している妹に
「途中で死ぬかと思った・・」と私。
何事もなく無事にここへたどり着いたことは、
この時の私にとって、奇跡としか思えなかった。

日本に帰ってきたどー!!
と大きな声で叫びたいほどうれしかった。
2歳と0歳の子供を一人でかかえて
18時間のフライト・・・そんな冒険をした私が信じられなかった。

しかし、また、こんな冒険をしても、
この国に帰ってくる価値が
私にはあるのだ。