高校の同級生の友人(東大卒)に、「文京区出身で街歩き好きなら、きっと面白いはず」と勧められた本。
今、鴎外記念館になっている森鴎外の住居跡が、私が中学生の頃は区立鴎外記念本郷図書館だったし、根津神社から東大の裏手に上がる新坂が「青年」で鴎外がS坂と呼んだとか、東大竜岡門のところの無縁坂が「雁」にでてくるとか案内板に書いてあったり、森鴎外が地元に関係にある文豪だという認識はありました。
でも、作品は数点読んだだけで、実はあまりよく知らなかった。この本のおかげで一気に鴎外通になりました。
著者の森まゆみさんとは小学校が一緒、文京区立誠之小学校の先輩、鴎外の息子さんの類さんも誠之小学校だったのですね、それも知らなかった。
郷土史家でエッセイストの著者の鴎外の足跡を辿るその様子は、執拗というか、まるでストーカー。
地元の文京区千駄木以外にも向島、千住、上野、出てくる地名はいずれも土地勘があるところばかりだったので、古地図アプリを観ながら、想像力を働かせながら、私なりに文豪の実像を頭に描きながら読み進めました。
秋になったら、著者に倣って、鴎外のフィールドワークに出かけてみたいともいます。