25年3月に読んだ本 | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

読んだ本の数こそ18冊ですが、うち米澤穂信さんの小市民シリーズが5冊、谷川流さんの涼宮ハルヒシリーズの再読が8冊。
 

◆冬期限定ボンボンショコラ事件 
米澤さんの小市民シリーズ最新作。本作が昨年の「このミス」「読みたい!」「文春」2位の作品(いずれも1位が「地雷グリコ」)。

小鳩くんが轢き逃げされて重傷を負ってしまう。終始入院中で身動きの取れない小鳩くんの語りなので、狼と化した小山内さんの行動が謎なのですが、エピソード0部分と併せて大変面白く読ませていただきました。

 

◆春期限定いちごタルト事件 

「冬期限定」の解説で、約20年前に刊行された小市民シリーズ一作目のこの作品を「読むべし」と書かれていたので手に取ったのですが、最新作のエピソード0部分とこの作品がつながっている、最新作で20年越しの伏線回収ってことですか。待たされたファンはご苦労様ですね。古典部シリーズもだけど、米澤さん、間隔あけすぎです。これだけ単独で読むと今一つと思ってしまったかもしれません。

◆夏期限定トロピカルパフェ事件
小山内さんが大きな事件を起こして、、、面白いですね、このシリーズも。このまま「秋期限定」も続けて読みます。アマプラでTVアニメも観てみました。

 

■秋期限定栗きんとん事件(上)(下)

今度は連続放火魔、また危ないことに巻き込まれているっぽい小山内さんから目が離せません。これはなかなかにミステリとしても本格っぽい?

それにしても瓜野くん、思い上がりといってしまっては気の毒かな、若気の至りを、友人にも彼女にも欺かれ、お気の毒の一言に尽きます。

ここから春アニメになるんですよね。楽しみです。

 

◆涼宮ハルヒの劇場 
久々の新作だけど、未刊行だった作品に手を加え、後半を書き下ろして繋げた作品で、相変わらずパワー全開のハルヒが懐かしくもあったが、10年以上前に放りっぱなしにした伏線には触れずじまいでちょっとがっかり。もうかれこれ20年だもんね。ハルヒも過去のものになっちゃったかな。

ということで、これを機会にシリーズ全巻再読し、古き良き時代を懐かしむことにしました。

 

◆涼宮ハルヒの溜息

◆涼宮ハルヒの消失 
◆涼宮ハルヒの動揺

◆涼宮ハルヒの陰謀

◆涼宮ハルヒの憤慨

◆涼宮ハルヒの分裂 

◆涼宮ハルヒの驚愕(上)

 

やっぱりハルヒは「消失」が圧倒的に面白い。ハルヒが主人公のようにみえて、結局長門有希なんですよね。劇場版のアニメがすごい完成度だった記憶あり、こっちもまた視聴してみたい。
「動揺」は短編集、アニメ化された「ライブアライブ」と「朝比奈ミクルの冒険Episode00」+アニメ化されなかった3作品。ハルヒが主役なのは最初の「ライブアライブ」のみで、有希とみくる回。このころはまだ著者もアイディアがいっぱいあって、バンバン書けていた頃だよなー。
 

「陰謀」は書下ろし長編だけど、ここからはアニメ化されてないので、ストーリーはほぼ全て忘れていて、新鮮な気持ちで読めました。SOS団がハルヒの寄せ集めではなく、徐々に団結していく様はなかなか良い。でも、この辺から徐々に刊行の間隔も空き始めるんだよな。タイムリープのつじつま合わせは行われているけど、鶴屋山から出土したオーパーツは未だ伏線回収されずに放りっぱなし。
 

「憤慨」は中編が2編。「編集長★一直線!」は日常系、「ワンダリング・シャドウ」は、うーん、トンデモ電波系のお話で、そろそろネタ切れしてきたのかな。
 

「分裂」「驚愕(上)(下)」は続き物。でも「分裂」と「驚愕」は4年もの間が空く。風呂敷を広げ過ぎてたためなくなったのかな?

この三作の感想は、「驚愕」の下巻を読んでから。


◆あいにくあんたのためじゃない(柚木 麻子)
短編が6編、どれも面白い。「めんや評論家おことわり」の佐橋、「BAKESHOP MIREY'S」の未怜にはかなりイライラさせられましたが。「トリアージ2020」はちょっとほのぼの。

◆ドキュメント (湊かなえ)
前作の「ブロードキャスト」を読んだのが数年前、イヤミスの女王にしては随分と爽やかな学園ものだなと思った印象あり、今回のもその雰囲気そのまま、運動部を怪我で挫折した主人公が放送部でやりがいを見出すストーリー、ちょっとミステリー要素もあって楽しめました。

◆星を編む(凪良 ゆう)
読み始めるまで知らなかったけど、「汝、星の如く」の続編というか、前日譚、後日譚+アナザーストーリーというか、間が空いてしまったので、「汝、星の如く」を思い出しながら、なるほどそういうことだったのか、ふんふん、という感じで読みました。「いいひと。」であることの呪いか、北原先生の若き日の行動の真実が印象的。













読了日:03月08日 著者:米澤 穂信
https://bookmeter.com/books/580072

■涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)
10年以上ぶりに再読。アニメも何回も見たし、覚えているつもりだったけど細部は結構忘れてて、楽しく読めました。やはりハルヒは面白い。特にこの巻の主役は長門有希だよね。ハルヒ、みくる、有希とキョンの関係が微妙なバランスですね。
読了日:03月07日 著者:谷川 流
https://bookmeter.com/books/578580

■明智恭介の奔走
今村さんのデビュー作「屍人荘の殺人」でいきなり退場してしまった明智恭介さんの前日譚の短編集。なんせデビュー作では活躍する間もなかったからな。読めてよかった。日常系のミステリ、特に「泥酔下着引き裂き事件」には笑えた。
読了日:03月06日 著者:今村 昌弘
https://bookmeter.com/books/21945518


https://bookmeter.com/books/21854331


読了日:03月01日 著者:谷川 流
https://bookmeter.com/books/22168836


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