みちると優子は中学3年生。2人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。校舎の窓は残らず割られ、教師への暴力も日常茶飯事。そんな中学からもあと半年で卒業という頃、ある出来事がきっかけで、優子は女子からいじめを受け始める。優子を守ろうとみちるは行動に出るが、今度はみちるがいじめの対象に。2人はそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが…。
2人の少女が起こした、小さな優しい奇跡の物語。(「BOOK」データベースより)
私自身、ややいじめられっ子体質だったので、自分がターゲットになりたくないとか、親に知られたくないとか、いじめられる側の気持ちは分かる。
でも、ここまでの事はなかったな。割と規律と秩序を保った中学校で、いじめっ子はごく一部、クラス全員で一人を無視するようなことはなかったし、いじめを止めに入る正義の味方もいた。
自分がみちるほど強かったかというと少し自信はない。いじめられる側からいじめる側に回って被害を回避しようなんて、今思えば卑怯な考えもしたように思う。でも、結果的にはなんとか乗り越えられた。そして強くなれたとも思う。学校は温室、社会に出れば次元の違う困難に耐えなければならないこともある。そして今の自分がある。
最近になって中学校の頃の友人と会う機会が増えた。元いじめっ子とも、クラス内でカーストが上だったヒーロー、ヒロインとも、今は分け隔てなく、楽しくグラスを傾けている。元いじめっ子が当時のことをすっぱり忘れてすごくいい人になっていて、「あれ?」と思う時がないでもないけど。
でも、ひどいいじめっ子だった奴、ひどくいじめられていた人で、会合に一切顔を出さない人もいる。トラウマになっちゃたとすれば、不幸で悲しい話だ。自分としては、懐かしい、来てほしいと言う気持ちが強いのだけど。
そんなことを想いながら、この本を読んだ。みちると優子にエールを送りながら。。。