「青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない」(鴨志田 一) | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

プチデビル後輩

 

タレント活動に復帰した麻衣先輩と彼氏彼女になり浮かれる咲太。のはずが、翌朝起きたら付き合う前に戻っていた!?“思春期症候群”が原因だと考える咲太の前に現れたのは、尻を蹴り合った仲の後輩・朋絵。彼女は友達の憧れの先輩からの告白を回避すべく、逃げ回っているらしい。

そんな中、ふとしたことで咲太と朋絵が付き合っているという誤解が周囲に広まってしまう。しかも朋絵はこれ幸いと、咲太に「嘘の恋人」になってほしいと頼んでくるのだった。ち、違うんだ麻衣さ~ん!咲太の心の声もむなしく「嘘の恋人関係」が始まり!?

フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ『青春ブタ野郎』シリーズ第2弾! (「BOOK」データベースより)

 

2000年代のあのラノベの名作「涼宮ハルヒの暴走」の中の短編「エンドレス・エイト」みたいなタイム・ループもの。「エンドレス・エイト」は、夏休みの15日間が1万5千回以上も繰り返されるというもので、ループを自覚していたのは、SOS団のメガネっ子無口キャラにして、銀河を支配する情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスの長門有希のみ。1万5千回目くらいにようやく事態を理解するようになったキョン達が、ループ脱出に向けてハルヒの望みをかなえるために試行錯誤するストーリー。TVアニメでは、都合8回、2か月にわたってほぼ同じストーリーを放映、ループを脱出したときは、思わず視聴者も安堵したものでした。

 

さて、こちらのループを引き起こした元凶はラプラスの小悪魔こと1年生の朋絵さん。1回目のループは友達が思いを寄せる先輩から告られることを逃れるため。いわば周囲の空気を読んでのことでしたが、咲太の協力で無事ループを脱出。その結果学校中に噂が広がり、先輩以上恋人未満を満喫した朋絵は、1回目とは違う理由でまたループを引き起こす。青春ラブコメの王道ですね。やっぱりそうなっちゃたかって感じ。

 

周囲の空気ばかり気にしていた朋絵さんが、咲太の影響を受けてループを乗り越えた、自分の気持ちに正直に向き合った朋絵さんが何ともけなげでカワイくて、ラブコメなのについほろりとさせられます。

 

放映中のアニメも原作に忠実で、出来栄えもすごく良う。これは原作ラノベ、アニメともにこのシリーズの最後までハマりそうな予感。

プチデビル後輩